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国際線ターミナルデート

息子が渡航するので空港へ行った。息子の常にして「別に見送りいらないっすよ」と言われていたけれど、妻も俺も「空港」が好きだから、顔を合わせることがなくても構いはしないと出かけた。

息子の飛行機は深夜便と聞いていたのに、彼は16時頃に家を出たらしい。そんなLINEが来た。そんなに早く家を出たのは、おそらく彼らのグループと待ち合わせでもしているのだろうと思っていた。

俺と妻は彼を追うでもなく、のんびりと車で空港に向かった。どのターミナルで何を食べるか相談しながらだ。彼は第三ターミナル。俺たちは第二ターミナルで牛タンを食べることに決めた。食べ終わってから連絡バスに乗って移動すれば良いだろうというわけだ。

牛タン定食

牛タン定食はとても美味しかった。それはともかく…なのだ。言いたいことはその後、連絡バスに乗った時のことだ。制服を着た手ぶらの高校生のカップルが乗り込んできた。漏れ聞こえる彼らの話を総合すると、学校が終わってから、あっちのターミナル、こっちのターミナルと移動して過ごしていたらしい。

なるほど。

その頃は思いも寄らなかったけれど、高校生だったらそんなデートもありだなと思った。「待つ」ことが場所の属性としてあるのが空港だから、「暇つぶし」の要素のは事欠かない。もちろんお金をかければかけるだけリッチな過ごし方ができるが、チープに行こうとしたら、その界隈にも優しいアイテムが揃っている。携帯だって充電できるし、マクドナルドだってある。同じマックでも、空港のマックで過ごした方がなんというか、時間の密度が濃いだろうし、未来と夢だけは潤沢にある高校生だ、楽しさもひとしおだろう。

高校生、国際空港でデートをすると楽しいぞ。

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