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二次元の”推し”が実在する世界
先日、アニメ舞台化作品のライブビューイングに行ってまいりました。
千秋楽のショーを映画館でカメラ越しに見られる、というやつです。
今まで宝塚、歌舞伎、特撮ショー、劇団☆新感線など、それなりに舞台を見てきた私ですが、「アニメを舞台化した」作品を観るのは初めてでした。
アニメを舞台化する。つまり、二次元を三次元にする。
好きな漫画やアニメの実写映画化は結構ありましたが、舞台となると、これはまた別のもの。ステージの上にいる限り、役者さんは常にそのキャラであり続けなくてはならず、突然のアドリブも発生する、リアルタイムの世界。
しかも今回、私が観に行ったのは「KING OF PRISM」の舞台版。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。簡単な世界観の説明をしております。
ブッ飛んだ世界観と濃すぎるキャラクター達で名を馳せるこの作品を、どうやったらリアルに再現できるんだ!?という疑問と不安は、開始5分で全て消えました。
プリズムの煌めき、完全再現
まず主人公の一条シンが、「初めてプリズムショーを観て服が脱げ、スタァの発するプリズムの煌めきによる幻に抱きしめられる」シーン。
(映像をそのまま文章で説明してるんですけど、ここ理解できますか?できなくても大丈夫です、私も未だに理解できてません)
なんと完全再現です。
シンの服が弾け飛んだところで「あ、これ想像してたよりヤバイな」という予感がしました。そこ、ちゃんと再現するんだ、へえ、なるほどね。(動揺)
さらにシンが寮のお風呂に入って、髪の長い美青年とパット見が完全に女の子な少年の後ろ姿に勘違いし、「お、女湯だったの!?ごめんなさーい!」と動揺して派手に転ぶシーン、からのタオルがとれてしまうシーン、も完全再現。
役者さんの尻ってこんなに引き締まってんだ・・・と呆然とする私をさらに混乱に叩き落とす舞台版キンプリ。なんと全員が上半身裸で登場。
こんなの映画にもなかったぞ!?!?!??
さらに謎の不透明なビニールテープが黒子さんの手により用意され、突然腰に巻いたタオルをはずして振り回し始めるメンバー達。
何・・・この・・・何???????????
もちろんさすがに下に何か履いているのでしょうが、いやそれでも壮観ですよ。肉体美がすごいメンバー達が全裸(もどき)で踊り歌う。何これ?
しかし、ここまでされて、「元のキャラクターが壊れる」ということがないのが舞台版キンプリのすごいところ。
まず見た目からも完全再現しているのが恐ろしいのですが、喋り方、それぞれの動き、表情、細かいところでの絡みや会話、全てが「キャラクターそのもの」で、本当にキャラクターが次元の壁を越えてやってきたとしか思えませんでした。
同じ振り付けのダンスでも、元気いっぱいのキャラは元気いっぱいに、優美なキャラはたおやかに美しく、恥ずかしがり屋のキャラはちょっと控えめに・・・といった具合で、役者さんがキンプリをしっかり研究してくれたんだな、と感動するばかりでした。
”推し”が実在する世界
ところで私は、どういう作品でも大抵「悪役にハマりがち」な人間なのですが、『KING OF PRISM』でもやっぱり悪役にハマってしまいまして。
より正確に言うと、悪というよりは敵、いわゆるライバル枠ですね。
主人公の所属する「エーデルローズ」に対して、ライバルとなるのは「シュワルツローズ」。ファンの愛を金に変えろ!弱みを見せるな!涙も武器にしろ!という非情な方針で育てられた、エリート主義のスター養成所です。
私はその中でも「大和アレクサンダー」というキャラクターを推しています。
劇場版「KING OF PRISM by PrettyRhythm」トレーラー(本編ver.)より
彼は筋肉モリモリで6つに割れた腹筋がご自慢の「暴君」キャラです。ストリート系至上主義で、「チャラチャラした軟派なショーはぶっ潰す(物理)」という恐ろしい子。こう見えて高校一年生です。かわいい。
正直、このアレクサンダーというキャラクターを再現するのって、かなり難易度高いんじゃないか・・・?と思っていたんですよ。
「筋肉モリモリ」かつ、美形だけど「悪役顔」ができて、さらにはダンスも歌もメチャクチャうまいという、アニメだからこそできるキャラじゃないか?
しかし舞台版キンプリは完璧に次元の壁を越えてくれました。
spiさんという方が大和アレクサンダー役を演じていらっしゃったのですが、もう腹筋がすごいのなんの。ダンスもキレッキレ、歌も素晴らしく、「”推し”が実在している」という感動に打ち震えました。
何より佇まい、目線のやり方ひとつまで、完璧にアレクサンダーなんですよ。
大和アレクサンダーは「軟派なショーが嫌い」とだけあって、ファンに対して「うるせぇーーー!!」と叫ぶわ、「俺の奴隷にしてやる」宣言するわ、とにかくファンサービスをしないキャラクターなんです。
それを徹底しているspiさん、本当に素晴らしい。ファンサービスを絶対にしないんです。他のキャラクター達が客席に手を降ったり投げキスをしたり、アイドル感バシバシでサービスしてくれるのに対し、大和spiアレクサンダー、常に上から目線。でも最後のお辞儀は仏頂面でする。いい子かよ〜!
しかし役者であるspiさん自体は、Twitterなどを見る限り、とても優しくてかわいらしい方で、心の底から大和アレクサンダーを演じきってくれたんだなあ、と嬉しくなりました。ファンサービスをしないことがファンサービス。
ライブビューイングということもあり、常に彼を目で追うことは叶いませんでしたが、細かいところでちょくちょく他のキャラと絡んでは「鬱陶しい!」みたいな態度をとったり、睨みつけたり、手をつなぐのを拒んだり、とにかく最高に”大和アレクサンダー”でした。
次元の壁を越えていく
アニメの舞台化というもの自体の存在は前々から知っており、傍目からみると「ヤバイ世界」という感じがヒシヒシしていたのですが、実際に入ってみると、これはヤバイですね。確実にヤバイ。
だって好きなキャラクターが実在しちゃうんですよ。
もともと生きている人、生身のアイドルや役者さんを好きになるのとは、また別のヤバさがあります。「推しが生きてる」「推しが呼吸してる」っていう、それだけでもう脳内麻薬ドバドバ出る感じ。
いやほんと、すごい世界でした・・・。
全キャラ完全再現・・・そんなことあり得るんだ・・・?
他のアニメ舞台化を観たことがないので比較はできないのですが、ここまで元の作品を役者さんたちが心をこめて再現してくれることって、本当にすごい、ありがたいことだな、と思いました。
ちなみにパンフレットの、役者コメントのほとんどが「キンプリ初見時は何がなんだかわからなかった」で始まってるのがメチャクチャ面白かったです。
何がなんだかわからないものをしっかり再現してくれてありがとう・・・!
個人的には、法月仁総帥と高田馬場ジョージの株が爆上がりです。仁さんの色気とんでもねえよ!そしてジョージのアドリブ最高だったよ!
他にもあのキャラがどう、このキャラがこう、と言いたいことは尽きないのですが、キリがなさすぎるので止めておきます。
ありがとう、『KING OF PRISM』・・・永遠であれ・・・
また新しい扉を開いてしまった。泥水でした。
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