捨てビリケンさん誘拐さる
ビリケンさんが、うちの前のゴミ置き場に捨てられていた。夜中、懐中電灯で見回りしていて発見した時の画像だ。ビビった。
ビリケンさんというのはおそらく東京人は知らない。私も関西に来るまで知らなかった。金運の神様らしい。
ビ「ル」ケンじゃないよ、ドイツの靴メーカーじゃないよ、
ビ「リ」ケンだ。(私もいまだによく言い間違える)
綺麗な状態で、裏に「●●コーポレーション ○○周年記念」 とあった。
会社の記念セレモニーでビリケンさんを配るのも凄いが、何もゴミ置き場に捨てなくても…と、ゴミ置き場は駐車場だったので、拾ってその塀の上に鎮座させておいた。
すると、ゴミとしては回収されず、何となくそこに鎮座し続けることになった。捨てられていた発見時の写真のデータを見ると昨年4月。
夏が来て、暑かろうと傘をさしてあげた。そのころ、落下防止のためのワイヤーでくるくると巻かれ完全に固定されていた。そういうことしそうな人はうちのハス前の花大好きなアルミ製造業のYさんだったので、訊いたら「うん。固定しといた」という。
捨てビリケンさんはそのままうちのド真正面で、こっちを見続けながら鎮座し続けた。
真冬には雪がうっすら積もっていた。なんか寒そうだった。裸だし。
わたしはとりあえずビニールで囲っておいた。
データを見ると12月22日。年の瀬だ。
通りがかりの人がビニールをさしてか、ビリケン本体をさしてか「これやったのあんたやろw」と言ってきたことがあった。
ハイ、というと「あんたらしいわ」と言われた。どういう意味だ。
それから一年と二か月。
本日、突如として鎮座ビリケンさんが消えた。
誘拐されてしまったらしい。
帰宅して気づいた。ちょうどYさんが通りかかったので「Yさん!ビリケンさんが!いない!消えた!さらわれた!?」というと
最近ひたすら拝んで、足の裏をなでまくってた男性がいるという。
(ビリケンさんというのは足の裏をなでるとご利益があるらしい)
多分その人が拉致ったのだろうねー、となった。
あんなワイヤーでグルグル巻きにされた、アンドロメダ姫状態のビリを解除するだけでも大変だったろうに、そんなに欲しかったんか…。そこまで望まれて嫁ぐなら、幸せになるだろう。
画像をひっくり返して一年以上毎日見ていたことに気づいた。真夏も真冬も、春もいつもいてくれたんだなあ。ちょっと寂しい。いなくなっちゃったけど、ペルセウスの元で幸せに暮らしてほしい。
わたしは誰か知らんペルセウスに祈った。大事にしてね、と。
おとといは寒かった、 しかし今日はまるで夏の陽気だ。
寒暖差が激しい。
ビオトープのシラサギカヤツリの花が咲いた。
明日は朝一で丹波篠山から車で一時間の物件に行く。銀行の人の来る用事があるので早く戻らなくてはいけない。今週中にはまた東京へ帰って粗大ごみ運びや打ち合わせだ。
膝が痛くて歩きにくい。
力仕事になる。出来る限り何でも屋さんを雇わないで節約したい。一人で頑張ろう。