スズメは悪くない
家のベランダの手すりが真っ白になるほど雀の糞害にあっている。
1年も続いている。
仕方がないので洗濯物を干すのは諦めて掃除の後
サランラップをぐるぐる巻きにして
これ以上賃貸の物件を汚さないようにした。
被害はベランダだけにとどまらず
玄関から家の植物まで
白い雪をかぶったようになってしまった。
原因は分かっていて近所に餌をあげているおじいさんがいるからだ。
私はそのおじいさんが好きだ。
生き物を大切にしていて
植木の世話もこまめにやっている
心の優しい人物だ。
奥さん息子さんも特に世話はしないのにおじいさんだけが植物の世話をこまめにしている。
現役でバリバリ働いていて
そのスキルを活かして私にも親切に
してくれたことがあり恩義を感じている。
私も差し入れを買っていったり
お礼を心がけていた。
雀の餌やりに関しては
去年の段階で柔らかく餌を遠慮していただけないかとお願いした。
子供のスズメが孵ったばかりで
大人のスズメと違って無防備なので人間に近寄ってくる。
私の近くに佇んでくれて
ちょこんとこちらを見ているのを見ると可愛いと思う。
元々スズメが好きで雀の写真を集めているぐらいだから
それはそれは可愛い。
だから餌付けしたくなる気持ちはわかる。
しかし家の樹木に巣を作られてしまって糞害には閉口した。
おじさんはそれに気がつかないだろうから
事情を話して柔らかく餌はやらないでとお願いを伝えた。
おじいさんは
「雀と友達になってん。。。」と
しょんぼりしていたのがとてもかわいそうだと思った。
このおじさんらしくて可愛らしいなと思った。
それから半年ぐらいは餌を我慢してくれてたようだが
最近は専用の餌場も作って
再び友達になってしまったようだ。
それでまた柔らかく伝えた。
「また友達になっちゃってるでしょう、すみませんが遠慮していただけますか」
と被害が復活したことを伝えた。
今日はまだ餌をやっていないのに、とか
雀に代わってお詫びします、と言い頭を下げられた。
全く違う。
スズメには全く罪がない。
よくないのは餌をやってしまう人間のほうだ。
外来種生物の
トラブルもこういうことが多い。
我孫子のコブハクチョウ、
美しくて愛らしい。
背中に子供達を乗せて歩いてる姿は可愛らしいだろう。
それで餌をやってしまう人が多いから
渡り鳥のはずなのに住み着いてしまって繁殖して
稲の穂が食い荒らされて農家が被害を受ける。
ミシシッピアカミミガメ、
改良メダカ。
自分の手を汚すことができない奴らが
自然に還すという綺麗事を言いながら
飼育放棄した結果生態系を乱す。
食用に持ち込まれた外来種及びそれに混じって副産物的に持ち込まれてしまったて
在来種を食い尽くしてしまう外来種。
全部全部人間が悪い。
生き物は悪くない。
生きるのに適した場所があれば繁殖して食べ物を食べるだけだ。
人間が悪い。
外来種に関する知識は私も含めて一般人に足りない。
外来生物だけの博物館でも作って
啓蒙活動をした方がいいと思う。
そういう場所に足を運んだり興味をもって
知識を入れようとする人はマシで
それ以外の民度や倫理観の低い人こそが問題なのだろうけれど
それでもないよりもずっとマシだと思う。
私たちは単に「知らない」ことが多すぎる。