天文通信vol.2 特集 文学フリマで質問されたことに答えます!
2024年12月2月 天文書店 竹内光
今回は初めての文学フリマ出店でよく質問されたことを、反省も含めて記事にしちゃうよ!
➀『天啓予報』は現代もの?
②どの順番で読めばいいの?
③どうして翻訳しようと思ったの?
④一人で全部翻訳してるの?
文学フリマ東京39にスペースで参加しました。文フリは初めてでしたが、とても楽しかったです。弊スペースに立ち寄ってくださった皆さま、本当に本当にありがとうございます!
それでは、➀から④まで、詳しく答えていくよ!
➀『天啓予報』は現代もの?
一応は「yes」です。
『天啓予報』という作品は、限りなく現代中国に近い「東夏(とうか)」という架空の国の高校生が主人公だよ。世界か文明の発達度合いは限りなく現代というか、作品が連載された当時(2019~2023年)に近く、普通の人々は電車やバスに乗り、スマホを使い、QRコード決済で買い物しているし、主人公は高校三年生になると大学受験に神経をピリピリさせたりしてて、やっぱり受験戦争が熾烈なことも窺えるよ。
東夏以外の国もちょっと~かなり名前が違っているよ。ちなみに天文会は九十年前に、ローマ、ロシア、アメリカ共同体、エジプト第一王朝の五大連合国が常任理事となって成立したんだ。世界の勢力図は現実世界と葉けっこう違うみたいだね。
ちなみにとっても日本ぽい瀛洲(えいしゅう)という国も出てきて、『丹波動乱』の主な舞台は瀛洲なんだ!生活は普通に現代的だけど、武家と公卿が対立していて、将軍はアメリカ人だよ!どひゃーーー!!
②どの順番で読めばいいの?
『天啓予報』全1647章のうち、文学フリマ東京39で領布した4冊はこんな時系列になっているよ!
1『天啓予報』 ……第1章~第97章
2『天啓予報 風評被害槐詩ちゃん』……第170章~180章
3『天啓予報 金陵擾乱』 ……第292章~第308章
4『天啓予報 丹波動乱』 ……第693~790章
あれれ、ずいぶん間が空いてるじゃん?!これで話がわかるの?
わからないかもしれません、ごめんなさい!!!
だけど最初から翻訳していったら、全訳するのに何十年かかるかわからない……私の寿命が先に尽きちゃうかもしれないんだもん!だからどうしても翻訳したいところから訳してるんだ。不親切でごめんね!いちおう人物紹介とかこれまでのあらすじとかで、どのエピソードを読んでもなんとなくわかるようにしてるつもりなんだけど……それに『天啓予報』のなんといっても一番の魅力は、キャラクターだと思ってるんだ!だからキャラ同士の漫才みたいな会話だけでも楽しんでもらえると思うんだよ!でも、私の翻訳がちゃんと原作の文章の軽妙さ、テンポを伝えられているかな……なんて不安になっちゃう……中国語で読むと本当に面白いんだよ信じて!!
③どうして翻訳しようと思ったの?
有志翻訳をしている竹内は、本業はアニメの演出なんだ。主に絵コンテを描いているよ!最近中国でもアニメの制作本数が増えてきて、日本や韓国の制作会社が発注を受けることが多いんだ。クライアントはテンセントとかビリビリとか。それでアニメ制作会社って、とにかくお金がないから、企画書とかシナリオの中国語→日本語翻訳が竹内のところにぽつぽつ来るようになったんだよ。竹内はアニメの専門学校には行ってなくて、普通の大学の中国文学科を卒業して、南京に二年間留学していたので、辞書を引けば何とか翻訳できるぐらいには中国語が読めるんだ。それでまあ色々あって、『天啓予報』を知って、読み始めたらすごく面白くて、「この面白さを誰かと語り合いたい!」という一心で自分で翻訳を始めたんだ。もろんプロの翻訳家じゃないからスピードも遅いし、よくわからないところは(たぶんこんな意味だろう)って、いい加減に訳しちゃってるところもいっぱいあるんですすみません!それで後から誤訳だってわかったりするんだよね!!(泣)
幸い風月先生の作品を全部読破している中国人の女の子とツイッターXで知り合えたので、いまはよくわからないところはその子に教えてもらってるよ!
最初は翻訳したものを小冊子にして友人に配ってたんだけど、『天啓予報』が2024年3月に完結したのをきっかけに、作者の風月先生にファンレターを書いたんだ。そしたら風月先生がメールをくれて、それからメールのやりとりが続いて、日本語に翻訳したものを同人誌として売っていいという許可をもらえたんだよ!ちなみに起点中文網の許可はもらってないけど……黙認してくれてるみたい……集英社だって(以下略)
④一人で全部翻訳してるの?
一人で全部翻訳しているよ!だって他に一緒に翻訳してくれる人がいないんだもん!(´;ω;`) 同じ中国のネット小説でも、BLはあんなに有志翻訳家が多いのに……羨ましい……
ちなみに翻訳は全部手作業というか、機械翻訳は使っていません。中→日の魔翻訳は、だいぶ制度が上がったとはいえまだまだ間違いが多いので、自分で訳した方が速いし楽しいです。あとプロの翻訳者が使っているエディタも使えば便利なんだろうなーと思いつつ、まだよく調べてないのでいまはワードを使っています。
でも風月先生の他の作品も読みたいから、誰か翻訳してくれるのを待っているよ!『天啓予報』を読んで面白いなと思った人が有志翻訳家になってくれるのを期待しているよ!本当に!!お願い!!!
以上、『特集特集 文学フリマで質問されたことに答えます!』でした!
天文通信 vol.3が出るかどうかは……わかりませんが、またお会いできたらうれしいです!