天文通信vol.1 特集『天啓予報』ってどんな作品?

 今回は『天啓予報』ってどんな作品?という、超基本的なことを解説しちゃいます!
 
➀『天啓予報』は、中国のネット小説だよ!
②2019年3月8日から2023年3月9まで、起点中文網に連載されたよ!総文字数は約629.28万字。1645章と、序章とエピローグを合わせた、全1647章からなるよ!また番外編「未尽之旅」が2023年12月10日に発表されたよ!
③作者は風月(ペンネーム)先生。『天啓予報』以前に、『天驱』『钢铁王座』『寂静王冠』『妙笔计划:青莲剑歌』という作品を発表していて、現在『天命之上』を連載中だよ!
④『天啓予報』のジャンルは「奇幻」、日本語でいえばファンタジー小説だよ!舞台は現代の中国っぽい架空の国、主人公は男子高校生で、超能力者として覚醒してから様々な困難を乗り越えて、最後に世界を救うよ!
 
それでは、➀から④まで、もう少し詳しく説明してみよう!
 
➀平台(プラットフォーム)・起点中文網
 起点中文網は2002年5月に成立した、オリジナル小説を発表する中国のプラットフォームだよ。アニメ化された《大王饶命》(邦題「マイナス感情を稼いで無限ガチャ」)や『百妖怪譜』も連載されているね!小説系プラットフォームでは『魔道祖士』や『天官賜福』が掲載された「晋江文学城」が日本では有名だけど、「起点中文網」も中国を代表するネット小説サイトなんだ。日本のなろう系サイトと違うのは、機能がとっても充実していることで、会員になって小説を読んだり課金したりすると会員ランクが上がったり、ポイントがもらえたり、もらったポイントでガチャを引いたりできるんだ!
 
②連載期間と文字数
『天啓予報』は約四年間連載されて、全1647章、総文字数は約629.28万字……これって日本人にはピンとこないよね?それで竹内が独自に日本語換算してみたよ。中国語を日本語に翻訳すると、文字数はだいたい1.5倍ちっょとになる。だから約945万字としよう。ということは400字詰めの原稿用紙に換算すると23625枚。だけどそれは原稿用紙にベタ打ちした場合で、実際には行の下のほうには空白できるよね。だからざっくり25000枚としよう。ちなみに栗本薫先生の『グイン・サーガ』は単行本一冊は原稿用紙ぴったり400枚なんだ。だから原稿用紙25000枚を400で一冊にしたら……62.5冊!うわあ、長っ!!これは翻訳している竹内の体感にも合う感じだよ。ちなみに『魔道祖師』128章 69.14万字、『天官賜福』252章 114.47万字だから、中国のネット小説は長い長いと言わけているけど、『天啓予報』が特に長いということがわかるね!

③作者・風月先生
 作者の風月先生は1991年生まれ、四川省出身で、閲文集団に所属しているプロの小説家だよ。閲文集団からは『琅琊榜 』『慶余年』『全職高手(マスター・オブ・スキル)』など、ドラマ化やアニメ化されて日本でも放映された有名な作品が沢山出ているよ。風月先生は……竹内は『天啓予報』日本語訳を始めてから、幸いにも個人的に風月先生とメールのやりとりをしてもらっているけど、公式に書かれていないことは、ここでは書かないでおくよ。いつか機会があったら、風月先生にインタビューをしてみたいと思っているよ!
 
④『天啓予報』について
 『天啓予報』は、ファンタジー小説に分類されているけど、ファンタジーにも色々あるよね。竹内はあんまりファンタジー小説って読んだことないんだ。剣や魔法が出てくる系の漫画やアニメもあんまり読まないし、ドラクエやFFもちゃんとプレイしたことがないんだ。好きなファンタジー作品というと、『グイン・サーガ』と『進撃の巨人』『寄生獣』はファンタジーかな……?だから、ファンタジー小説としてどんな感じの作品とか、説明できなんだ。な、なんだってーーー?!じゃあいままでの前振りは何だったの?って感じだけど、それは、できたら自分で読んでみてほしいんだ。個人的な印象としては、ファンタジーでもかなり世界観が作り込まれていて、SFに近い感じがするよ。
 舞台は限りなく現代の中国っぽい国で、主人公は男子高校生。彼が奇妙な事件に遭遇して、命を狙われ、言葉をしゃべる不思議なカラスの導きによって超能力者として目覚めるという導入だよ。いわゆる王道な導入だね。たぶん(ファンタジーに詳しくないので)。その後主人公は超能力者として強くなりながら、色々な困難を乗り越え、敵を倒し、成長して、最後に世界を救うよ。とても王道な展開だね。たぶん。
 この作品の魅力は、なんといってもキャラクター。主人公はじめ、彼を導くカラス(途中で美女の姿になるよ)、友人、ヒロインたち(ハーレムっぽい要素もあるよ)、敵、みんなキャラクターが生き生きしていて、魅力的なんだ!それから組織同士のいがみ合いも面白いね。これはあんまり日本の小説にはない要素かも。主人公が所属しているのは国際天文会といって、この世界を守るために超能力者を沢山抱えている大機構なんだ。だけど各国にもそれぞれ時刻を守る昇華者機関があって、縄張り争いみたいなことが起こって、衝突したり協力したり、その駆け引きも描かれていて、物語世界にリアリティを感じさせているよ。
 あと、物語全編にちりばめられたギャグもすごく面白いんだけど、日本人読者には「?」なネタもけっこうあるので、翻訳の際にはなるべく註をつけたり、本文中で補足したりしているけど、これはとても難しくて、翻訳した時には気づかなくて後から「あ、ここはこれがネタだったんだ!」と気づくこともあるよ。例えば第二章で「人生がこんなにも苦しいのは、子供時代だけなのだろうか?」と訳したセリフですが、後から映画『レオン』のマチルダのセリフ「人生ってずっと辛いの?それとも子どものときだけ?」が元ネタだったと気づいて「あーーーーー!!」となりました。わかっていたらもっと別の訳し方をしたのに……。このように気付かずスルーしてしまうネタもあれば、気が付いたけど出典がこんわからないネタ、日本語にうまく訳せないネタ、等々あり、私もプロの翻訳者でもないので、正直いってどれだけ原作に折り込まれたネタを翻訳できているかわかりませんし、誤訳も沢山あるでしょう。ですが、キャラクターやストーリーの展開は、訳者の技量不足を差し引いても充分に読んで楽しめるものだと、自信を持ってお勧めできます!
 
 以上、『特集『天啓予報』ってどんな作品?』でした!
 天文通信 vol.2が出るかどうかは……わかりませんが、またお会いできたらうれしいです!

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