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営口へ。
やっとこの日が来た。
本来の計画では2015年の5月に妻と二人、旅していたはずの場所へいく。
本当は行く意味など無くなっていた。2015年は中国に住む場所を探して旅していたのだが、もう住む場所は決まり、住み始めている、しかし、行くと決めた場所に行かないのは、どうにも気持ち悪く、2015年に行き逃した「営口」と「丹東」に行く事にした。
4月20日。昼から雨が降り出すが、どうしょうもない、列車のチケットも購入してあるし、ホテルの予約も済んでいる。
17時57分発の列車だが早めの16時に家を出る、駅まではバスを利用するつもり、乗ってしまえば20分もかからないけど、バスには時刻表も無く、いつ来るか判らない、時刻表だけでなく、1時間に何本走ってるかの情報さえない。
だからいつも30分はバスを待つ覚悟をしている、時には1時間近く待たされるが、16時に出れば1時間待たされても十分間に合う。
幸い家を出る前には雨も上がった。
バスはなかなか来なかったが、17時前には駅に着く事ができた。
待合室の込み具合は40%ぐらいか、駅構内は薄暗く、雨も降っているので陰気だ。
する事もなくボーと待っていると、発車10分前に改札が始まった。
当然の事ながら、横はいりがまかり通る列に並んで、ホームへ、ホームにはもう列車が停まっていた。
我々はチケットの3号車の55番56番をめざす、
車内はガラガラと言っていい状態だが、我々の前にひとりの男性が座った。
列車は定刻どうり発車。
すること事もなく暮れゆく車窓を眺めながら時が過ぎるのを待つ、
しばらくすると車内販売の女の子が来る、日本と同じく、お弁当、お菓子、ジュース、お酒なんかを売っているようだ。
する事もないので、前に座った男性が靴を脱いで、寝そべった・・・・臭い、足の臭いが強烈に臭い・・・
しかし、文句など言える訳もない、しばらくガマンしていたが、耐えられなくなり、ティッシュでも鼻に入れようかと、自分のバッグの中を探っていたら、ミンティアと汗ふきシートを見つける。
日本から帰ったばかりだから、たまたま持っていたモノだった。
汗ふきシートはもともと少し消毒の匂いがする、これを鼻の穴に入れるだけで、そうとう良さそうだが、汗ふきシートにメンソールのミンティアを包んで鼻につっ込む。見た目は最悪だろうけど快適になった。
大人しくiPodの音楽を聴いて過ごす。
何事もおこらず、3つ目の駅を出たのは20時半、発車してすぐ、車掌が検札に来る、そして窓のカーテンを閉めていった。
20時半なのにすることもない、ネットにはつながらないがPCを出して、この原稿を書き始める。
いくつかの駅に止まったが暗くて駅名も読めない、また、読める位置にあっても、読めない字だったりして、どうにもならない。
23時45分にかなり大きな駅に到着「吉林駅」だった、おそらく吉林省の省都なのだろう。
中国では深夜だが、家では寝る時間ではないし、眠くならない。
鼻につめたミンティアはいつの間にか溶けて無くなっていた、全部鼻から吸い込んだという事か・・・、両鼻の穴にミンティアを2粒づつ補充。
深夜1時50分「盤石」という駅に停まる、こんな深夜でも若干の乗り降りがある。
鼻にはミンティアが詰まっていてわからなかったが列車の中はタバコの煙、食べ物のにおいで、足の臭さは幾分和らいでいた、と、いうより、列車の中が異臭だらけになっていた。
新たにミンティアを2粒づつ補充する、
うつらうつらしていると、列車が止まっている、朝の4時20分、どこだかは不明、窓の外は朝もや。
列車内はおしゃべりとイビキで騒がしい。
鼻につめたミンティアを交換、
ブタ小屋のにおいと言ったらブタに失礼か。
実はというか、列車内には寝て行ける寝台車もあるのだが、ちゃんとシーツの交換をしないらしい。
前にどんな人が寝ていたか判らない所にはナカナカ寝る気にはなれない。
ともかく、誰かが使ったあとに寝るのは嫌だと妻がいうので、座席での移動になったのだが、おそらく寝台車にも足の臭い人はいるだろうし、もしかしたら汗でベットリのシーツに寝なければならなかったのかもしれない。
以前、寝台車に乗ったことはあるのだが、そのときは臭いでの苦労はなかったが別な嫌な思いをした、靴の盗難騒ぎがあったのだ・・・安心して寝ていると盗難の恐れもある。
朝5時半、どこかの駅について、走り出した途端、検札が来て、同時に列車内のカーテンを開けていった。
やがて、今回の旅の中で一番大きな駅に到着「瀋陽」だ。
ここで、最大の乗り降りがあり、車内は満席となった。
瀋陽は高層マンションが立ち並ぶ大都会だ。
8時半に瀋陽を出発する、目的地の営口までは3時間弱、まあ、新幹線で東京~大阪ほどの時間だけど、これまで14時間も乗ってきたのだ、やたらと近く感じた。
そして、予定どうり11時15分、営口に到着。
改札を出ると大きな駅舎が。
駅前広場には、誰かの銅像。
中国人妻が、それを見て、感激!「雷鋒ってこの街の人だったんだ」と。
中国人なら誰もが知る、{いい事をした人}らしい。
とりあえず「営口」到着。