記憶のこと
妻の父の容態があまりよくないらしい、痴呆症という訳ではないが、精神的にちょっとおかしくなっているという。
もちろん80歳を越えている身なので、仕方ない部分もある。
そんな状態なので、時間が許す限り、妻が顔を見せにいく。
娘(妻)が行くと、少し気分が落ち着くらしい。 娘と言っても50代半ばだが、親にとってはいつまでたっても娘なのだろう。
そんな義父がどんな状態なのかというと、昔の嫌な事ばかり思い出して、叫んでしまうという。
家にいると落ち着かず叫んでしまうので、夜中でも外にでて、ベンチに座っているという。
中国のマンションは小区という区切られた空間があり、近くに休めるような所がある。
そんな話を聞かされているうち、僕も記憶の奥底にあった嫌な記憶が蘇ってきて、ちょっと苦しんでいる。
ほとんどが小学生時代の記憶で、なんであんなことしたんだろう。
そんなことばかり。
謝るべき人はもうこの世にいない。
楽しい事の方がいっぱいあったはずなので、なぜ記憶は嫌なほうにいくのだろう。