抗日神劇
「中国抗日ドラマ読本」という本が出ている事はネットニュースにもなっていたので知っていたが、中国でもちょっとしたニュースになっていた。
僕も以前に少し書いたけど、あまりの出来の悪さに見る気もうせる、批判的な目を持つ気などなく見始めたところで、どうしたって気になり過ぎて見ていられなくなる。
あまりヒドク書くと「兄友」状態になるのでイヤなんだけど、演出的観点からヒドイ部分を書いてみたい。
少し古いが2015年に公開されて中国で大ヒットしたという抗日戦争映画
「百团大战」という映画がある。
個人的にだけど、細かい部分がちゃんと描けていないドラマは全部ダメだと思っている。
一番気になったのは{旗}だ。
映画の中に、日本軍の作戦本部と、八路軍(中国軍)の作戦本部が出て来る。
判りやすいので中国軍と書くが、その作戦本部には立体的な地形の模型が作られていて、ココまでが中国軍が収めていて、この先は日本軍が占領している、という地域を旗を立てて、判りやすくしている。
こういう事を本当にしていたかは別問題として、他の映画でもこういう場面は見た事がある。
一方、日本軍も同じように
こんな感じで、立体模型ではないが、地図に旗が立てられて、陣地を示している。
この旗、台がついているか、いないか、の違いこそあれ、
同じ店で買ったの?というぐらい同じなのだ。
写真だけでは判りづらいが、何度も出て来るので、この旗が、ほぼ同じである事は一目瞭然。
これは映画なんだから、もっと、ハッキリした違いが欲しかった。
マトモな美術さんなら、日本軍の旗をコレにするなら、中国軍が使う、日本の旗は、せめて赤い丸がいい加減にゆがんで描かれているとか、棒の部分は竹を割って作って、太さや長さが不揃いであったりして欲しい。
結局のところ、細部にこだわりのない作品は、全体的にダメである。
この映画のダメな所をもう少しあげるなら、まず、中国人が死んだ時だけ、音楽で盛り上げる・・・
派手な銃撃シーンは多数あり、日本人も中国人も大勢死ぬのだが、撃たれたら、必ず心臓か頭に当たるのだろう、ほぼすべて即死だ。
だけど、常識的に考えるなら、肩や足に当たって呻いて、泣いていたり、痛い!と、叫んでいる人がいてもいいはずだ、しかし、撃たれたら即死・・・この辺が嘘くさいんだな・・・
日本語だっだり、所作だったり、気になる部分はいっぱいある。
言い出せばキリがない。
とにかく「細部にこだわりが無さ過ぎ」である。
かなりの大作映画でもこの有様で、簡単に作られているテレビドラマのヒドサは、キリがない。
予告編でも無いかとYoutube検索したら映画1本丸ごと出てきた、恐ろしい時代だ・・・。
日本語字幕はないけど、日本語っぽい言葉は出てきます。