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東京都庁Ⅰ類専門職(大卒程度)合格体験記

 2024年度東京都職員Ⅰ類B採用試験(大卒程度)専門職区分に最終合格しました。(専門職区分という正式名称はありませんが、ここでは行政(事務)や四大技術(土木・機械・電気・建築)を除く、専門的な職種にあたる職業を指します。勝手にそう呼ぶことにしました。詳細な区分は公表を控えます)
 当記事はそのときの顛末を瑣末にまとめたものです。公務員試験対策のお役に立てれば幸いです。試験日程まで切羽詰まった方々向けの精神安定剤的役割です。
 こんなやつでも受かるのだということで気が楽になれるかもしれません。タバコやお酒を片手にお読みください。



都庁専門職ってなに?

 東京都職員採用試験Ⅰ類(大卒程度)には様々な区分の試験があります。具体的には、Ⅰ類にはAとBがあり、Aが院卒向け、Bが大卒向けになります。A・B共通の試験区分が、行政(事務)、四大技術(土木・機械・電気・建築)です。そして、Bにしかなく、一際特色あるマニアックな試験なのが専門的な職種(通称「都庁専門職」)です。試験区分としては、環境検査、林業、心理、造園など。
 都庁専門職の試験内容は、おおよそ他区分の試験と変わりないですが、受験者層が違います。まず行政(事務)では、様々な大学の文系学部受験生が集まります。対して、専門職では大学で専門的な科目等を学修してきた猛者たちが集まります。また、旧帝大難関国立大の学生が受験者層を占めています。もちろん、採用枠も若干名~10名程度のため、区分によっては倍率が10倍以上になることもあります。私のような「もはや大学で何を学んでいたのかも分からない」人にとっては、科挙より厳しい試験に値します。

一次試験

 一次試験は4/21に法政大学神田キャンパスで受験しました。
試験科目は、
 ・教養試験(五肢択一式)
 ・論文(1,000字~1,500字)
 ・専門試験(記述式)
でした。

 まず、私は自分が受けた専門職区分とは一切関係ない学部出身です。当然、右も左もわかりません。
 さらに、試験当日は9時集合だったのですが、住まいが東京から程遠い地なので、始発の新幹線で行かなければ間に合いません。(経費節約のため前日入りという選択肢は捨てました)そんな中、前日の夜から当日の2時頃まで自宅で香港映画を鑑賞しながら、酒を飲み荒らしていた私は、記憶を遥か彼方に飛ばし、気づけば朝4時に怒涛のアラームによって起こされました。時間がないため、朝食は食わず、身なりも整えず、まるでパリコレモデルと近所のおっちゃんを融合したような最高のファッションで春曙香るビルの街を颯爽と駆け抜けました。

 なんとか新幹線に乗車しましたが、酔拳のジャッキー・チェン並みに泥酔しているため、信長ゆかりの清洲城も、家康が拉致られた駿府城跡も楽しめず、気づけば東京駅に到着していました。
 到着後、東京駅前広場で寝てやろうかと思いましたが、天国のレスリーチャンに、このまま都庁受けるか近くのマン〇リンオリ〇ンタルで逝くか選べと囁かれたので、3分程悩んだ末、試験会場まで足を運びました。

 体感重力マシマシ汗臭マシマシの状態で神田まで行き、千鳥足で法政大学神田キャンパスへ辿り着きました。
 教室には、殺伐とした空気(クッサい)が流れていましたが、私は気にする暇もなく、薄れゆく意識と闘いながら試験監督官の話を聞いていました。なにも理解できませんでした。

 午前は、教養試験でした。
 試験中、消しゴムを見つめていると、懐かしいメロディーが流れてきました。ケシカスくんのテーマです。最悪です。勝手に頭の中で流れてきました。それ以外ほぼ覚えていません。なお、教養試験について、誰でも五割は取れる試験と言われているので、気負いすることはありません。自己採点しましたが、18/40と半分以下でした。頭の中をコロコロコミックに占拠されてもこんな点数なので、普段から真面目に対策している受験生は8割程度取れるとおもいます。

 午後は、論文と専門試験でした。
 試験前に軽くトイレへ行き、下痢をプレゼント。推定100㏈程の轟音を撒き散らしました。そして、下腹部と側頭部に鈍痛を抱えながら、獣臭香る教室へ。
 まず、論文試験から。実はこれがなかなか曲者で、「対策方法ある?」といったような試験です。日頃の社会問題に対しての姿勢が如実に現れます。内容としては、グラフを読み取り、ベンチャー企業に投資する会社が世界と比較して少ない理由として考えられることと、お前ならどうする問題だったと思います。はい、楽な対策方法はないですね。運です。
 続いて、専門試験。記述式なのですが、5問の中から3問選択解答する形式です。たまたま、「進研ゼミでやった問題だ!」が炸裂して、一完。他はそれっぽいことを書きました。部分点もらえてたらうれしいな程度です。対策としては、環境検査なら環境検査、林業なら林業、心理なら心理の本などと、それぞれの分野に関する本があるので、そちらを参考にしながら、メインは都庁の過去問(最新から三年間は都HPに記載)を三年分回すのが、修得も楽で早いです。

こんな感じで一次試験は終わりました。試験後は、落ちたなーと思っていたので、一周回って気楽に東京在住の友人と居酒屋で飲み交わしました。皆さん、試験日前日の飲酒はほどほどにしましょう。

二次試験

 一次試験に合格してしまったので、二次試験に向かうことにしました。日程は6月下旬です。交通費が本当に高いです。無料で受けれるという言葉についていくとこうなります。家計圧迫必至でした。ダクト飯確定。
 事前に面接カードの作成を迫られていたので、当日深夜に夜間突貫工事を行い、なんとか日本語であることが認識できるくらいまで推敲しました。ペンを走らせていると、耳の奥から忘れかけていた懐かしい声が聞こえました。トリコのテーマです。Oh!wow!クギパン↑チ👊のやつです。ほんまに勘弁せえ。結果、集中できませんでした。

 受験地に着きました。お台場のテレコムセンターというオフィスビルの高層階で面接を行うとのことだったので、それなりに服装に気を使いました。パ○コレのようなセンスのない服は避け、あくまでオフィスカジュアルな感じで行きました。顔はふやけていたので、ジャムおじさんに新しい顔の交換を依頼しましたが、電話に出ませんでした。そもそも電話番号わかりません。諦めました。
 物憂げな6月の雨に打たれて、エレベーターに乗り、待合室に入ると、そこは夥しいほどの就活生がいました。試験官が喋るたびに、ロックフェスみたいに首をヘドバンする就活生には毎回驚かされます。

 気がつけば、面接官のいる部屋の扉をノックしていました。もちろん扉は二回ノックしました。
 志望動機や強みなどのありふれた問いに感情豊かな表情で答えることができれば、よほどのことが無い限り、新卒は落ちません。既卒は転職理由に関して深堀りされるそうです。(同じ部屋にいた人が言っていた)人それぞれ、真逆のセンスと真逆の趣味を持っているので、あまり当てにならないです。面接はこうあるべきといっている胡散臭い配信者やアカウントは、大半フェイクなので、気にしないようにしてください。
 約30分の面接が終わり、会場を出ると、天気が雨のち晴れになっていました。面接後は不安が残ると思いますが、そんなのは虹の彼方へ飛ばして、メインストリートに行きましょう。
 皆、翌年は組織中で頑張るサラリーマンになっていると思いますので、今を楽しんでください。

おわりに

結果としては、最終合格していました。順位は下位でした。得点内訳を開示していないので、何とも言えませんが、なぜ受かったのか未だにわかりません。アドバイスも特にありません。酒はほどほどに。国税専門官とかも受けたので、更新するかもしれません。わかりません。

中南海


いつかの
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