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バイデン政権、TikTok禁令の実施を見送る決定 – トランプ政権に引き継がれる可能性

2025年1月17日、アメリカの複数のメディアが報じたところによると、アメリカのバイデン大統領は、2025年1月19日から施行される予定だったTikTokに対する「非売即禁」規制の実施を一時的に見送る決定を下しました。
この決定により、TikTokのアメリカにおける禁止措置は、バイデン政権下ではすぐに実施されないこととなります。代わりに、この問題はトランプ前大統領が再び大統領職に就くことを前提に、次期政権で判断されることになるとのことです。これにより、アメリカ国内でのTikTokを巡る議論は再び政治的な焦点となり、今後の対応が注目されます。

トランプ政権の影響とTikTok存続問題

バイデン政権がTikTokに対する禁止措置を見送る背景には、アメリカ国内での複雑な政治的圧力があります。報道によれば、ホワイトハウスの副主任であるブルース・リード氏は、バイデン大統領がTikTokに対してより積極的な支援を行うべきだとする強い声を受け、禁令の実施を阻止する方法を模索しています。このため、バイデン政権はTikTokがアメリカ市場での事業を継続できるような解決策を見つけるため、様々なアプローチを検討しているとされています。

さらに、トランプ前大統領の国家安全保障担当補佐官であるマイク・ウォルツ氏は、16日のインタビューで、トランプ氏が再び大統領職に就くことを前提に、TikTokのアメリカにおける禁止措置を撤回するための行政命令を発することを示唆しました。
ウォルツ氏は「トランプ大統領は、TikTokがアメリカ人に非常に愛されているプラットフォームであることを認識しており、ユーザーのデータ保護に関して強い姿勢を示しています」と語り、トランプ政権下でのTikTok存続を確実にするために努力する意向を表明しています。彼はまた、「TikTokの問題を解決するための協力的な枠組みを構築し、最終的な解決策を見つけることに尽力する」と述べています。

法案の背景と影響

この一連の問題は、2024年4月にアメリカ合衆国議会で可決された法案に起因しています。この法案は、TikTokの親会社である中国のByteDanceに対して、270日以内にTikTokを中国資本から完全に切り離し、非中国資本に売却するか、あるいはアメリカでのサービス提供を停止することを要求しています。この期限が過ぎると、TikTokはアメリカ国内で禁止されることになります。

バイデン大統領はこの法案に署名し、TikTokに対して非中国資本に売却することを命じていました。しかし、この規制の実施を巡っては、アメリカ国内でも大きな議論が巻き起こっています。
特に、アメリカ国内でのTikTokユーザー数が非常に多いことから、禁止措置に反対する声も強く、また、TikTokがアメリカの若者にとって非常に人気のあるプラットフォームであるため、その存続を支持する意見も多くあります。

高裁による最終判断と企業への影響

一方で、TikTok禁止に関する最終的な決定は、アメリカの最高裁判所が17日に下す可能性があり、その結果次第では、TikTokのアメリカ市場での存続に関してさらなる変化が起こるかもしれません。最高裁判所が禁令の実施を一時的に停止する場合、TikTokに対する規制は再び先送りされることになりますが、最終的な判断は未だ確定していません。

もし禁令が実施された場合、アメリカ国内のアプリストアやクラウドサービスの提供者は、TikTokに対してサービスを提供しないことを余儀なくされる可能性があります。
具体的には、AppleやGoogleなどの企業が、TikTokをアメリカのアプリストアから排除することになり、それに伴ってTikTokのアメリカ国内でのサービスが停止されることになります。また、これらの企業がTikTokに対して提供するクラウドサービスも停止される可能性があります。

さらに、アメリカのアプリストアやクラウド事業者がTikTokにサービスを提供し続ける場合、各企業にはユーザーごとに5000ドルの罰金が科される可能性があります。
アメリカ国内におけるTikTokのユーザー数は約1億7000万人に達しており、この罰金は膨大な額となるため、これらの企業はどのように対応するかを慎重に検討する必要があります。現時点では、AppleやGoogleなどの企業はまだその対応について明確な立場を示していません。

TikTok規制問題の行方

TikTokに対する規制問題は、アメリカ国内の政治的な影響を受けながら、今後も長期的に議論される可能性が高いです。バイデン政権が一時的にTikTok禁令の実施を見送ることで、トランプ政権がその後の対応を決定するという形になりましたが、最終的には最高裁の判断や今後の政権交代によって、この問題は解決に向かうことになるでしょう。現在、TikTokを巡る規制問題は依然として解決を見ておらず、その行方については引き続き注視が必要です。

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