昭和10年代の台湾-サバヒーはうんこ魚?
過去、台南に何度か足を運んだことがあります。台南・高雄・屏東・恒春の位置関係は、日本の関西にたとえると京都・大阪・和歌山・南紀に比することができると思うのですが、台南は、古都の雰囲気もさることながら、近代建築が多いところまで京都そっくりです。
また、おしゃれではない「日本?」が随所に残っていたりするのも台湾南部の特徴です。京都市内も南部になると雰囲気がこのように変わっていきます。
台南の名物
台南名物に「サバヒー」という魚があります。ガイドブックには台南の名物と紹介されていて、この魚の話を知ったとき、今度行ったときに口にしてみようと思いつつ、季節のフルーツに目が行ってしまい、結局食べずじまい。(でも、この手の魚は身が柔らかすぎるので、わたくし自身は好みではないかもしれません。)
サバヒーは、『台湾風俗誌』が書かれた20世紀初頭にはすでに台南人の口にする養殖魚だったようです。
内田百閒による衝撃の事実
そして内田百閒の『台湾の話』を読んでいると、サバヒーについて冒頭のようなことが書かれていて、ちょっとショックを受けてしまいました。
重要な内容なので再掲します。
確かにかつては豚も人糞を食べ(させられ)て成長させていたわけなので同じことといわれればそれまでだし、今はもちろんこんなことはしていないわけですが、サバヒーの宣伝を読むたびに、内田百閒のこの話を思い出してしまい、複雑な気持ちに駆られます。