「この流れに乗り続けることが肝心」
Team KUNIMITSU チーム監督 小島一浩
みなさん、こんにちは。Team KUNIMITSUの小島です。今回のSUPER GT第5戦SUGO 300kmもお楽しみいただけましたでしょうか。
正直言って楽なレースであったとは思っていませんが、あの狭くトラフィックの処理も難しい菅生で、しかも混乱する終盤を切り抜けて2位まで上げられるとは想像していませんでした。逆に言えば、いろんなことが起きる菅生でも、冷静に自分達のレースができていれば、重い状態でも上位に来られることを証明したとも言えます。
フリープラクティスでは、ドライバーがいまひとつ乗り切れずにチームは悩んでしまいました。思い通りに行かず、ちょっとつまずいた感じでしたね。それでもQ1の牧野は、その反作用として頑張ってくれました。10番グリッドは想定の範囲内です。Q2は走れませんでしたが、FCYの練習時間に決勝用のセッティングはできていたし、チームミーティングの結果をもって、エンジニアが一所懸命レース用セットを考えてくれました。頭から煙を吹くんじゃないかと心配するほどでしたね(笑)。
決勝日は気温・路温とも上がると予想していたのでハード目のタイヤを選んでいました。それでも日曜日は、やや温度は高めでした。こういう時にブリヂストンタイヤはレンジが比較的広いので、安心していられます。決勝レースは、いつもより30分早い13時30分にスタートしました。これのおかげで、終盤に温度が下がりすぎて慌てることもありませんでした。スタートの牧野は、1周目はだいぶ攻めた走りでしたが、序盤のトラフィックは密度が高すぎです。電車のように縦に連なって走っていたので、処理に困ったようです。ラインを外すと、ピックアップを拾って走りづらくなりますから。我々は、前回のレース同様、1/3を走ったら早めにピットインし、山本に託すやり方を実施しました。それが今回もうまくハマったと思います。牧野からの情報でタイヤの内圧設定もうまく機能しました。レース中盤近辺のピットの混乱にも左右されることなく、順位を上げていくことができましたね。もちろん、山本のペースを落とさない走りは、彼の引き出しの多さを示しています。終盤になっても先行車が隙を見せたら、そこに入っていき競り勝てる強さがあります。集団に飲み込まれないうまさがありますよね。
今回は望外の2位ポディウムでしたが、さすがに次のオートポリスはそう簡単には自由にさせてもらえるとは思いませ。燃料リストクリターは3段階となりますし、さらに50kgのサクセスウェイトを載せないといけません。そんな状態でも、今乗っている良い流れに乗り続けることが肝心です。トラブルでレースを落としたりすると、悪い循環が始まってしまいます。取りこぼすと厳しいのがこの選手権の特徴ですし、現在のリードを少しでも広げられるとしたら、最低限ポイント圏内フィニッシュする必要があります。
良い流れに乗り続けられるようこの正念場を踏ん張り、最後の2戦で勝負したいと思います。