もう私から逃げたい

内側へ、内側へついつい入ってしまうから。内側へ、内側へ、記憶になって、彼の記憶になって永遠に彼の中に棲みつきたい。

漠然とした不安がある。毎日、毎日、未来の自分に重しをかけている気分になる。今頑張れば、今やらなければ、これを打っている間にもやることはきっとたくさんあるのに。体の中心は冷たく、足と頭の先だけがやけに熱い。心臓の鼓動で前髪の先が揺れる。こわい。怖くて仕方がない。私は何者でもないと、私は何者にもなれないと、言われているみたいで怖い。目が回る。同じ曲が耳許でループしている。頭が、頭の中がきっと長い間凝っている。やわらかくなりたい。解けて、溶けてしまって彼と混ざり合いたい。行き着く先はいつも同じで、馬鹿だなあと思う。
会いたい。

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