へなちょこWebデザイナー・知ったかプログラマ・そして彼らに職人の心意気が伝わるとき
弊社の軽口tweetが、思いのほかSES界隈の生真面目な諸兄へちょっと引っかき傷をつけたらしく、珍しくたくさんのretweetとレスポンスをいただいた。
弊社がこの軽口tweetを叩くに至った前後もTwitterに同じ日時頃ほざいている。
弊社メンバー平均年齢は高く、Web屋/フロントエンドコーダーチームとしてはもはやベテランおっちゃん班に違いない。
その加齢臭漂うおっちゃんどもの体感として
4~5年前にはあまりなかったが、ここ2,3年、炎上開発案件の鎮火仕事の依頼が増えた
気がしている。
これまでは社内スタッフなり馴染みのメンバーなりで炎上鎮火できる案件量だったのだろう。
だがここ2,3年は炎上案件数が増え、弊社のごとき「とりあえずフロントエンドコードだけはなんとか収束できる」おっさんチームにまで助っ人のお声がかかるようになったようだ。
いくつか世情の変化に思い当たる節がある。
ひとつは、この数年、自称プログラマのインフルエンサーだの、大風呂敷広げるスクールだのが盛大にビギナーを焚き付けだし、ロースキルの分際で報酬要求だけ一丁前が、開発現場へ潜り込みはじめたせい。
半人前ですぐ仕事を投げ出すプログラマ/Webデザイナーが急増したようだ。
もうひとつはReactとVueJSの台頭。
「アプリや管理画面へリッチな動きをもたらすらしい」「コマンドラインでJavaScriptソースを組み込めるらしい」などとどこから聞きつけたのか、プログラマ連中が面白がり導入したようだ。
いざ実装するとVer更新早いわ組み上げるの思いのほか面倒くさいわで、かなりぐっちゃぐちゃなソースと化してきた。
そこに加え先程焚き付けられた訳知り顔知ったかプログラマや、あたしゃ一人前なのよへなちょこデザイナーらが、SES仲介で開発現場へジョイン。
さらにソースを引っ掻き回す。
傷口に塩をなすりつける。
塩でスパゲッティを絡ませまくる。
案の定、プロジェクト収拾がつかなくなる。
知ったかプログラマは途中業務放棄し連絡が途絶え、へなちょこデザイナーはポンコツUIを投げつけ「なんだか合わないんで」と去ってゆく。
おおかたそんな開発案件が増えてきたのだろうと、われわれフロントエンドコーダーおじさんどもは推察しながら、とにかく案件収束に向かって黙々とコーディングをし直し続ける日々が、このところ続いている。
ロースキルの技術者を責める気はない。
頑張ったけど作れなかった技術の未熟さを責めてはいけない。
腕のいい技術者、頭脳明晰なプレイヤーになるには、誰しもそんな失敗経験が糧になるものだ。
とにかく途中で投げ出し逃げだすのは、やめたほうがいい。
すぐやめて逃げ出す人は、どこ行けど何やれど、すぐやめるクセがつきがち。
まずはひと仕事を完納するまで契約期限ギリギリまで、粘って頑張って完遂してほしいと、ヨボヨボおっちゃんフロントエンドコーダーたちは思っている。
コードレビューをしてもらうといい。
「ああなるほど。ここ直しておきますね」
と言葉も少なく、黙々とあなたのぽんこつコピペコード・パクリデザインをさっさと直してゆく職人プログラマ/職人デザイナーが、どこの開発現場にでも居るものだ。
定例Mtgでは口数も少なく自担当の進捗具合報告だけの、メガネデブやチー牛な、いかにも地味な人であることも多いだろう。
「ああ、これがプログラマか」
「デザイナーの仕事ぶりとはこういうものなんだ」
眼前の地味なチー牛へ、職業人としての敬意を払えた、そう、その瞬間だ。
あなたはプログラマとしてデザイナーとして職人として、われわれと同じフィールドの入口まで、ようやく辿り着けたのだ。
あなたの眼前で言葉少なにコードを補整してくれるチー牛は、スクラムリーダーほどハキハキと指示もしないだろうし、リーナス・トーバルズほど天才肌でもないだろうが、腕のある職人だ。
途中で逃げ出さずあなたにできることを精一杯やり続ければ、大抵その手のいい職人に出会える。
負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと、信じ抜かなくても構わないがそれが大事だと、ベテランおっさんコーダーたちは、思う。
ペラいYouTuberの動画視聴に費やしサロンで油を売るその時間よりも、職場のメガネデブやチー牛が直してくれたソース箇所をもう一度見直す時間へ費やしたほうがいい。
あなたはへなちょこWebデザイナー・知ったかぶり虚勢プログラマを、より早く卒業できる。