若い世代が主体性をもって活躍できる訪問看護ステーションの環境作り
今回は沖縄の訪問看護ステーションナチュレ様にお話を伺いました。立ち上げメンバーは20代が中心、訪問看護未経験者が大半の中、一人ひとりのメンバー全員が主体性をもって働くことができる環境づくりを実現した秘訣をお伺いしました。是非ご覧ください。
私たち株式会社ゼストは、在宅医療・介護のスケジュールを自動作成するクラウドサービスを展開しています。訪問看護における多くの経営課題に向かってきた私たちだからこそ、お伝えできるノウハウをお役立ち記事として配信しています。
Q.訪問看護ステーションナチュレ様の特徴を教えてください。
3年前に沖縄の浦添市で開業いたしました。当ステーションは管理者が30歳と若く、他のスタッフも20代半ばのメンバーが多いのが特徴です。立ち上げメンバーは、病院勤務の経験があるものの訪問看護は未経験のメンバーばかりでしたね。比較的若いということもあり、行動力があって、前向きでバイタリティのあるスタッフが揃っていると思います。
訪問看護は看護師としての経験が長くないと難しい領域だと言われることが多く、経験という面では、若さは少しマイナスなイメージもあると思います。ただ、超高齢化社会を迎え、自分たちの親世代を支えるには若いパワーは絶対必要だと思います。
加えて訪問看護ではいろいろな職種が関わっており、その分だけコミュニケーションツールも増えていってしまうんです。一人の利用者さんに対しての情報共有でもLINE WORKSだったりChatworkだったりSlackだったりと本当にバラバラ。そういった観点では、多くのツールを使いこなせる「若さ」は強みになっていると思います。また新しいことを始めるときのスピード感も早いと思いますね。
Q.若い世代が活躍するための環境作りはどのように工夫されていますか?
当社のスタッフは若いスタッフでも病院で5~8年経験を積んでいるスタッフが多いので、看護の知識やスキルは心配していません。ただ、病院とは異なり訪問看護師は人との繋がりが重要だと考えています。そのため、病院では経験しなかった電話の取り方や言葉遣い、名刺交換の仕方などのスキルが必要不可欠です。そのようなスキルは、経験を積めば身につくと思うので、ステーション内でお互い注意したり褒め合うように心がけています。
また、私たちのステーションは自主性を持って仕事に取り組むことができる、責任感の強いスタッフが揃っています。もともと自主性の強いスタッフが多いのですが、より引き出すために業務の1から10までを細かく指示するのではなく、ある程度の指示内容をカルテに記載し、カルテを見て考えてから動けるようにしています。
また、この業界では訪問に1人で行く場面も多いので、スタッフ同士での情報共有を徹底しています。誰がいつ行っても同じサービスを提供できるよう社内で細かく情報共有をし、安心して訪問に臨めるようにしているのと、基本的に1人のスタッフをフリーにしておき、何かあった場合でもすぐに連絡が取れるようにしています。気軽に話しかけることができ、相談しあえる環境を整えることで安心して仕事に取り組めますし、そういった環境だからこそ「もっとこうしたらよいのでは」という意見も活発に出るようになっていると思います。
Q.主体性を発揮するために行っていることはありますか?
私は看護師ではないので、スタッフには経営の立場として働き方や考え方など、働く上でのスタンスを伝えています。そもそも働くことは人生で一番長い時間を使うので、「仕事が充実していないと人生は面白くないよね」という考えが根底にあります。ですから、うちのスタッフたちには、「ナチュレにいてよかったな」と思える働き方というのをしてほしいと伝えています。そう感じる為には、主体的に働くということが大事だと思うんですよね。
具体的な教育については、入社して1~2か月ほどは「ここに1時間くらい空きがあるので何をしようか」というコミュニケーションを徹底しています。こうすることで、空き時間があれば自らやるべきことをピックアップして主体的に仕事をとりにいけるようになると感じています。
今では、その日に回った方の状態などをケアマネさんやかかりつけ医に伝えるということを率先して進めてくれたりしています。また、他のスタッフのスケジュールもZESTがあることで見やすくなっているので「訪問のヘルプありますか」と声かけあったり、事前に空いている時間があることがわかると事前に相談してくれることも多くなりました。ZESTによって先々の予定まで見える化できるようになったことが大きいですね。
Q.こういった組織作りできる代表寄川様の過去の経歴やご経験は?
もともと医療機器メーカーの営業を行っておりましたが、もともと独立したいと考えていました。27歳くらいで独立のために社会勉強をしようと思い、株式会社USENに入社しました。私が独立を考えていることを入社当時から伝えていたため、責任者や立ち上げも優先して経験させてもらい、組織を作る楽しさや苦しみを学ばせていただきました。
そして、ちょうど3年前くらいに独立を決め、そのタイミングで身近に訪問看護をやっている方がいたり、その時に現在のメンバーと出会ったりして、訪問看護の立ち上げを一緒に進めてきました。こういった経歴ということもあって、主体的に動き、未経験のことであっても積極的にチャレンジする風土は大切にしたいと思っていますね。
Q.主体性をもって未経験のことにもチャレンジできる環境はどのようにつくっていったのでしょうか?
スタッフのみんなにとって一番大きかったのは、営業かもしれませんね。事業を行っていくうえで利用者さんがいなければ何も始まりません。そのため開業当初から注力しているのが営業の部分です。私たちはスタッフ全員で営業を行っておりましたが、もちろん営業経験者のメンバーは自分を除きいません。未経験のメンバーに対して重要性や方法、考え方を教えるのは大変でした。
開業当初は月の9割近くを営業に費やし、営業経験のないメンバーは辛い時期だったと思います。初めは簡単に名刺を渡す練習として、「ここにステーションを開設しました」と挨拶をしにいきました。その際に話した内容をリストアップし、その内容をベースに次に訪問する際に、誰に会いに行くか、どのような話しをするか、誰が行くか、というのをスタッフ全員で話し合いながら動いていきました。
営業に伺ったときはせっかく時間をいただくので、30秒でも何かためになることをお話ができるように努力をしています。そのように苦労して、その苦労が実を結んで紹介につながったりするとスタッフ全員で喜んだりしています。逆にスタッフの立場からすると苦労してご紹介いただいた利用者さんのため、より一層丁寧になりますし、ケアマネさんとの連携も密に取れると思います。
このように、未経験のことであっても頭を悩ませ、苦労して、成功体験を積み重ねることがコツだと思いますね。現在は指示をしなくても少し利用者が減ったら営業をしてくれていますし、届けたい情報があったら自分たちで資料の作成を進めてケアマネさんや相談員さんに配ってくれています。
ステーションが大きくなればなるほど、どうしても抜けが出やすいかなと思いますが、一人一人の質を落とさず、利用者とその家族を第1に考え、決まった時間で最良のケアできるようなステーションにしたいと思っています。
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