仮面ライダーS/L17話
Tale17:動き出したdolls
・あの雨の日から数日。将碁達は今までよりも積極的に仮面ライダークロニクルに関わるようになった。
「今度は俺がレベル20だ!!」
「スーパーブースト!!ブラスタァァァァライトドラグウウウゥゥゥゥン!!!」
「変身!!!」
「レベルアップ!!胸に秘めた熱い思いはブラスターライトフリーダム!!アイムアレベル20!ブラスターライトゲーマー!!!」
武がレベル20のリボルバーに変身し、迫りくるエグゼスターを空中で迎え撃つ。対してセーブはレベル3のスピードで地上にいるエグゼスターの翻弄を開始する。
「ガトリングパレード!!」
リボルバーの両腕が巨大なガトリングへと変貌し、飛行能力を得たエグゼスターの回避行動よりも先に激しい弾幕が空を焼き尽くす。その爆発に紛れながらセーブが動く。
「ジャンククリティカルスピード!!」
「てやーりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!」
目にも止まらぬ速さでセーブは前方5人のエグゼスターに接近してそのベルトからガシャットを引き抜く。変身が解除された5人に同じく変身が解除されたプレイヤーが上から降ってくる。
「くそっ!!せっかく警察の目を抜けてクロニクルやってたのに……!!」
悲鳴を上げながら6人のプレイヤーたちは警察に連行されていった。もちろん将碁達は回収した6個のガシャットを警察に引き渡す。
「今回はラッキーだったな。低レベルばっかりだ」
「だからこの前警察に逮捕されなかったんだろうな。それより前にゲームオーバーしたか臆病風に吹かれて集まらなかったか」
戦闘を終えて懐かしの牛丼屋で昼食を貪る。思えばここからすべてが始まったようなもので当たり前だが現在ガシャットのハッピーセットは付属されていない。
「けど警察に引き渡してよかったのか?」
「どういうことだ?」
「嵐山本部長は警察と組んでるとか言ってなかったか?」
「確かにな。ネットニュースでも何か警察用にエグゼスターが配備されたとかあったなぁ。それにこの前戦ったレベル50の奴も警察だろうし」
「だろ?なのに今クロニクルプレイヤーを引き渡していいのか?と言うか俺達が警察と関わっていいのか?」
「だからと言ってこのまま何もしないわけにはいかない。椎名が言うにはあのクソ野郎は一応仮面ライダークロニクルを何とかするために活動しているらしいし、こうしていれば間違いなく嵐山親子にぶち当たる。あの3体のエグゼスターは確かに厄介だったけど本部長の方はライダーに変身できないし瑠璃さんの方は俺達と同じレベル20止まりだ。何とかなるだろう」
「エグゼスターはどうするんだよ?」
「無視する。或いは嵐山親子を人質にして無力化する。……それに少なくともこの町の警察官はまだ俺達を味方だと思ってくれてるみたいだ。……少しだけ腹立たしいけど嵐山親子もこの前あのクソ野郎にボコボコにされた事で少し慎重になってるだろうし」
「……俺達最高レベル20でやっていけるんだろうか。相手はレベル50が3体いるんだぞ?しかも量産されてるみたいだし」
「その量産されてるやつで俺達に攻めて来ない以上他に何か目的があるんだろうな。けどそれも妙なんだよな」
「妙?」
「あのクソ野郎が言うにはあの親子はグラファイト達、上級バグスターと手を組んでるみたいだし。じゃあ嵐山親子はクロニクルの戦力を使って一体どうして攻めてこないんだろうな。俺達とあのクソ野郎以外に敵はいない筈」
「……確かに。その気になればレベル50量産型で攻めれば俺達なんて瞬殺だろうにな」
「……まあ、分からないことを難しく考えても仕方がない。とりあえず今出来ることをやろう。万一も考えて椎名には新しいガシャットを用意してもらってるし」
「新しいガシャット?」
「ああ。本来あのレベル20の力は一応ってレベルでしか想定されていなかったみたいだから俺達のうちどちらかしか変身できない。しかもスターライトドラグーンのガシャットを2つ使うから片方はレベル3止まりになってしまう。それだともう片方が瞬殺されかねないから単体でレベル20になれるブラスターライトガシャットを作ってもらってるんだ。レベル50の量産型相手でもレベル20が二人で連携ありならあの時のグラファイト戦のように何とかなるかもしれないからな」
「……なるほど」
「……で、この後なんだけど」
Transfar。中庭。
「……西武君、喜屋君!」
久々にいけばやはり久々に馨がぷかぷかと心霊現象引き起こしていた。
「1か月ぶりじゃん!死んじゃったかと思ったじゃん!」
「ご、ごめんなさい」
実際この一か月は色々ありすぎてここへ来る率も皆無となってしまっていた。
「西武巌さんがこの前また運ばれてきたけど何かあったの?」
「いや……ちょっと家に一時帰宅したんだ」
「そうなんだ。……でもあまりうれしそうじゃないかも」
「……ちょっとあってね」
「……そうだ、郡山さん」
武があることを思い出した。
「何?」
「この病院であなたを見ることが出来る奴がもう一人いるかもしれないんだけど」
「え?いやいやいないよ。何か月ここで地縛霊やってると思ってるのさ。君達以外に私を見ることが出来たのなんて一人もいないよ。……あ、でもこの前君達を迎えに来た車の運転手の女の子がもしかしたら私の事見えてたかも。私と目が合ってから数秒くらいフリーズしてたし」
「……瑠璃さんなら確かに見えてるな」
「瑠璃ちゃんって言うんだ。どっちの彼女?」
「絶賛二人そろってあの子の敵側」
ちょうどいいと思って二人はこの1か月に何が起きたのかを整理することも兼ねて話すことにした。檀黎斗社長もまた仮面ライダーであったこと、超レベルの上級バグスターが敵として登場したこと、仮面ライダークロニクルが発売されたせいで世界中が大パニックになっていること、雷王院が仮面ライダーライトニングとして何か暗躍していること。
「ふうん、西武巌さんの担当医の人が仮面ライダーなんだ」
「そいつは郡山さんの事見えるんじゃないの?」
「それはないと思うよ?あれから何度か西武巌さんの病室に行って雷王院先生との会話とか同じ部屋の中で聞いてたりするけど全く私に反応してないから多分見えてないと思う」
「……どういうことだ?」
「……やっぱりガシャットで変身していないことが何か関係があるのかもな」
「あ?」
「俺達がガシャットを使って仮面ライダーに変身できるのは体内にバグスターウィルスが潜伏しているからだって椎名が言っていた。だから同じバグスターウィルスに感染している郡山さんの姿が見える。けどもしもあのクソ野郎がバグスターウィルスに関係していない何か別の要因で仮面ライダーに変身しているとしたら、そこだけ見たら一般人と条件は同じだ。だから郡山さんが見えないのも分かる。……いや待て。何か重大な事忘れてる気がする」
「重大な事?」
「ああ、何だっけ……?」
将碁が頭を抱える。と、馨が
「仮面ライダークロニクルで変身するエグゼスターってガシャットで変身する仮面ライダーとバグスターを組み合わせてるんでしょ?だったら仮面ライダークロニクルのプレイヤーもバグスターに感染してるんじゃないの?」
「……」
数秒の沈黙を作り、二人同時に
「「それだ!!!」」
合点がいった。
「しかもエグゼスターとして敗北したらバグスターとして復活できるみたいな設定があったがこれも自分に感染しているバグスターにそのまま肉体を与えることだとすれば人間をバグスターに変貌させる技術として納得できるかもしれない!」
「いやそれだけじゃないだろ!バグスターウィルスに感染したらふつうは人間は消滅するんだろ?それなのにその姿のまま残っててしかもその人の意識が残っているのだとすれば、バグスターウィルスに感染した人でも絶対に消滅するわけじゃない!ばかりか消滅した人ですら姿だけなら元に戻せるかもしれない!!つまり、」
「……私も元の姿に戻れるかもしれないってこと?」
3人が顔を見合わせる。まだ推測の段階であり場合によっては妄想に過ぎない情報なのかもしれない。しかし、もしかしたら3人にとってそして今の世界にとってとても重要なことに気付いたかもしれない。そしてそれを最悪のタイミングで実証する声が響いた。
「その通りだよ、よく気付いたね」
「!」
少女のような声。やがて砕け散ったグラスを逆再生で元の形に戻すように光の粒子が集約して中学生くらいの少女の姿がそこに出現された。
「な、何だ!?」
「私はネクロマンサー・パペットバグスター。レベルは77。人間とバグスターの完全なる融合を目的としてる上級バグスターよ」
パペットの言葉を聞いてすぐさま二人は後ずさり、ガシャットを構える。
「そう慌てなくてもいいじゃない。どのみちあんた達じゃどう頑張っても私にかないっこないんだしさ。ただ私は提案をしに来たの」
「提案?」
「そ。さっきも言ったけど私は人間とバグスターの融合を目的としてる。このプリチーな美少女姿は私の研究成果の1つ。あんた達がさっき思いついたように通常、バグスターは人間に感染し、そこからバグスター怪人の姿で誕生して宿主の人間を消滅させる。けどバグスター怪人としての姿ってあまり美しくないのよね。だから私はどうにかして人間の姿をそのまま引き継ぐことが出来ないか研究したのよ。そのおかげで私は宿主の美少女の姿をこうして手に入れることが出来た。その記憶や情報も引き継いでいる。だからそこの幽霊少女の事も覚えているよ?ねえ、郡山馨さん」
ふたりが馨を振り向く。その馨は透けた顔で血の気の引いた表情を固めていた。
「……あなたまさか……!」
「そう。少し前まであなたと同じ幽霊少女としてこの病院によく来ていた雨(う)洞(どう)慈(めぐみ)。お久しぶりと言っておきましょうか?」
「そんな……」
さらに青ざめる馨。パペットはまた何か言おうとするが将碁が挙手で遮った。
「幽霊少女って言ったな?だったらまさか郡山さんの今のこの姿もまさかお前達バグスターがその肉体を奪い取ろうとしている証拠になっているのか?いや、それだけじゃない。グラファイト達上級バグスターはもしかして全員こういう電子の幽霊の姿にしてから誕生した存在なのか?」
「質問が多い男は好まれないわよ?……別に誰でも彼でも宿主の肉体を奪い取れるわけじゃないし、さらには私のように高レベルになれるわけでもない。私のように元から高レベルとして誕生する運命を持った選ばれしバグスターだけがこの美しい姿を手に入れられる。……グラファイトやパラドみたいな戦闘馬鹿は戦う事しか考えていないから別に宿主の事なんて全く考えていないわ。尤もパラドやアイギスは話は別なのだろうけど」
「……パラドにアイギス、それも上級バグスターか?」
「そうだけど、いい加減質問ラッシュはやめて頂戴。これ以上の情報を聞きたければ私の要求を呑んでほしいわ」
「要求は何だ?」
「あなた達の体が欲しいのよ。あなた達別にイケメンって言うわけでもないけどでも人間の男性の肉体が欲しいのよね。人間は不便だから男と女がいないと数を増やせないんでしょ?だからあんた達を使ってイケメンを作るのよ。そうして私の部下の下級中級バグスターにその肉体を与えて私のハーレムにするのよ。それが目的。ちょうどあなた達はバグスターが発生しやすい程ハザードレベルが上がっているし」
「……別に俺達の子供がイケメンになるとは限らないぞ」
「なれるわよ。この私のような美少女と交われば少しは美形の遺伝子が顔に出るでしょ?この私の計画さえ実現させてくれれば少なくとも私はパラド達を裏切っても構わないわ。レベルが違うから直接戦ってもあの戦闘馬鹿どもには勝てないし万一この私の美しさが失われてしまったら大変だから戦闘はしないけれども情報ならいくらでも提供してあげる。さあ、どうする?」
まくしたてたパペット。将碁と武は身構えたまま顔を見合わせる。
「……どうするんだ?」
「……少なくとも俺達相手に敵意はないようだ。だったら……」
将碁が何かを言おうとした時だ。
「っ!」
パペットが咄嗟に身構える。次の瞬間彼我の間に一筋の稲妻が迸った。
「!」
雷鳴と雷光が意識に残る中、しかしそれを上書きするように新しい姿がそこには立っていた。
「グラファイト……!!」
それはレベル90のグラファイトバグスターだった。
「グラファイト、何の用かしら?」
「貴様こそ何をしている?俺達にとって仮面ライダーは最高の獲物。パラドじゃないが最高に楽しませてくれる好敵手となる存在だ。それを貴様は貴様ごときのふざけた野望のために姦落させるというのか?」
「私ごときのふざけた野望ですって?言っておくけど私はあんたやパラド、キングのように人類を使い捨てにするつもりなんて全くない。未来永劫役立たせてこその人類だと思ってる。その邪魔をしないでもらおうかしら。大体この二人はまだレベル20がやっとの存在よ。レベルが高い連中ならあんた達がふざけて生み出した仮面ライダークロニクルとかってゲームでいくらでもいるじゃない」
「この二人は俺が自ら戦って選んだ誇り高きライバルだ。まだまだこれからいくらでもレベルが上がる。そうなればこの俺の血が滾るほど素晴らしい勝負が出来るはずだ。仮面ライダークロニクルのプレイヤーなぞ、それを待つ間に片手間で相手するだけの雑魚にすぎん」
にらみ合うパペットとグラファイト。自分を取り合うこの状況は決して心躍らないわけではないがしかし将碁と武はかなり緊張していた。非好戦的なパペットならともかく自分達をあれほどまで追い詰めたもののさらに3倍のレベルになったグラファイトがこんなに近くにいるのだ。もしもグラファイトがその気になれば自分達など一瞬で終わりだろう。うまくこの二人がつぶし合ってくれない限りまともな未来はない。将碁と武が唾を飲み、ガシャットを握る手に力が入ったその時だ。
「バグスター諸君。お客様が困っているようだよ」
「……!」
声。男性の声だ。聞いたことがない声。そして、その声の主はいつの間にか将碁と武の間に立っていた。
「……な、な……」
「いつの間に……!?」
スーツ姿の中年男性。二人の驚愕を何でもないかのように無視してパペットとグラファイトに視線を向けている。
「……檀正宗……!!」
「……檀正宗……?」
正宗と呼ばれた男は臆することなくパペットとグラファイトの間に歩み寄る。
「檀ってまさか……」
「ああ、そうだよ。私は檀黎斗の父親にして檀コーポレーションの先代社長」
「……馬鹿な、確か檀黎斗社長の両親は亡くなっているはずだ……!」
「そ、そうだ!調べはついているし戸籍上でもあんたは死んでるはず……!」
「まあ、仕方がない。あのバカ息子は確かに私が消えるさまを見ていたのだ。死んだと勘違いしていても不思議ではない」
「……どういうことだ……?」
ふたりの疑問に答えるように正宗は大げさに振り向く。いかにもキザであり息子とは別ベクトルで様になっている。まるで大物俳優を彷彿とさせる。
「今から6年前、私は仮面ライダークロニクルのプロトタイプのテストプレイをしていた。当時はまだ彼ら上級バグスターもほとんど存在していない。当然生中なバグスターもほとんどいない。つまり未知の存在だったわけだ。だが元科学者である私はどうしてもバグスターと言う存在への興味が捨てられなくてね。仮面ライダークロニクルを使って彼らの世界に行って来ていたのさ」
「バグスターの世界……!?」
「つまりは電子の世界だ。黎斗からすれば私はバグスターに感染して消滅したかのように見えていたが実際には私はバグスターの世界に行っていたというだけの話さ」
「……ならどうして今まで姿を……?」
「私では仮面ライダークロニクルを完成させられないと分かったからさ。多少悔しくはあるがゲーム開発の才能は私よりも息子の方が上。だから私は社長の座を息子に譲りつつバグスターの世界を調べていた。その際に彼ら上級バグスターとも出会い、バグスターと言うのがどういうものなのかを知った」
「……あなたの目的も仮面ライダークロニクルだって言うのならあなたは……」
「確かに私の目的は息子と同じ、全人類をバグスターにすることだ。この6年間、電子の世界を行き来してきたが中々いいものだ。私は既に還暦を迎えているのだが電子の世界で肉体のアップデートを繰り返すことで息子よりも若く、高い身体能力を得ている。不老不死を通り越して若返り、いくらでも肉体の最適化が出来る。現状の科学では絶対にたどり着けない状態だよ」
「……あなたが人間をやめるのは構わない。けれど、勝手に全人類をバグスターにしようだなんて言うのは許せるものじゃない」
「なら民主主義に基づいて決めるかね?私は檀コーポレーションの先代社長でありゲーム開発者ではあるが一時期政治家としても活動していた。……今度の都知事選に出馬しよう。そうして私が都知事になった暁には希望者のみをバグスターにする。これでどうかな?」
荒唐無稽……とは言えなかった。何せあの檀黎斗の父親だ。才能にも権力にもあふれているし謀略もお手の物だろう。そして何よりエキセントリックだ。
「ちょっと檀正宗。あなたに若い肉体を与えたのはこの私なんですけど……!人類側の国賓だからって私のハーレムの一員に過ぎないあなたが私の邪魔をするのはどうかと思わない?」
「パペット。私の行動の自由はキングバグスターから与えられたものだ。君に私の自由を拘束できるとは思えないのだがね」
「けれど私達はあなたに手を出すなとは言われていない。別に構わないのよ?あなたを物言わぬ人形にしても私が傀儡とすればいいのだから」
「バグスターとは思えない感情的な思考だ。……ん、」
正宗が突然将碁達を振り向いた。直後。
「ぐおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
病院の窓から雷王院が飛び降り、空中でライトニングに変身し、壁を蹴ってまっすぐミサイルのようにこちらへと突っ込んできた。
「あいつ……!!」
将碁と武が身構えた時には既に雷王院の拳が正宗の胸に叩き込まれていた。
「……」
正宗は激しく放電しながら数十メートル離れた後ろの壁に叩きつけられる。
「お、お前……一応無防備な相手に何をして……!!」
「黙っていろ。そして消えろ。お前達は邪魔だ」
着地と同時にベルトから剣を出してグラファイト達に向ける。
「貴様がライトニングか。なるほど、少しは楽しめそうだ」
グラファイトもまた刃を引き抜く。しかし、
「なるほど。君が仮面ライダーライトニングか」
突如、両者の間に正宗が姿を見せた。その姿は全くの無傷だった。それを見てライトニングが一歩下がると同時、正宗はポケットからガシャットを取り出した。
「あれは……」
「仮面ライダークロニクル」
スイッチを押すと正宗の腰にベルトが出現し、その手から直接ガシャットがテレポートしてベルトに挿入される。
「今こそ審判の時」
「バグルアップ」
「変身」
「今こそ刻は極まれり……!!!仮面ライダークロノス……!!!」
緑色の光に包まれ、電子音が奏でる。そして背後に巨大な時計版を出現させ、先ほどまで昼だったのが突然月のない夜へと変わる。それらすべての変貌が果たされると同時、緑色の仮面ライダーが出現した。
「……あ、あれは……」
「檀正宗が仮面ライダーに変身した……!?」
「我が名は仮面ライダークロノス。人間を超え、バグスターと同質になった最強最高の仮面ライダーさ」
クロノスが怪しく微笑む。