私の情報商材騙され履歴【コラム】
女友達からの相談
メールが届いた。
今回はゼロマガの読者ではなく、数少ない女友達からのメールである。
友達とは言っても年に1回連絡取るかどうかの関係だから何かあったのかな…とメールを開いたら、何やら株の売買をしようか迷っているという。
彼女はシングルマザーで、少しの冒険もしない堅実なタイプ。
借金やギャンブルはもちろん、クレジットカードも自分で利用制限を付けているくらい。
私とは真逆である。
だから急に投資の話をするものだから、とてもびっくりした。
メールの内容を要約するとこうだ。
・とある伝説のスイングトレーダーが自身の売買を有料で公開している
・普段50万のところ、この期間だけ特別に20万で販売されている
・過去の売買履歴が公開されていてしっかりプラスになっている
・もしも損失が出たら全額返金されるという
こんな内容で、かなり怪しいけど全額返金があるならリスク0だし、買ってみていいか、という相談だった。
アナタ投資をかじっているんだし、どうすればいい?と。
私は思った。純度100%の詐欺である。
私の中では最初の「とある伝説」の5文字で詐欺が確定している。
ただね。こういう相談って、本人の中で腹は決まっているんだよね。
本人は無意識かもしれないけど、試してみたいとは思っているはずだ。
だから
「100パー詐欺!一切手を出すな!」
とだけ返すのは、相談を受けたものとしては間違った答え方だ。
私はこう返した。
俺は限りなく怪しいと思っているけど、一応メールだったり…そうだな、ランディングページなんかがあったら見せて。
するとランディングページのアドレスが飛んできた。
(ランディングページというのは商品を紹介するページのこと。)
そのページを見た瞬間、100%だった自信が200%の確信に変わった。
詐欺確定だよ、サギ確だよ。
まず著者の紹介があった。
今はハワイに来ていて、プールサイドでこれを書いています。
だと。金持ちのイメージってなんで南国に統一されているのだろうw
続いてこんなことが書き記されていた。
昼はゴルフ、夜はディナーショー、好きなことを好きなようにできるって素晴らしい。
3年前まで日本で営業の仕事をしていて、いくら汗水たらして頑張っても全く報われなかった。
そこで株の勉強をして、独自に法則を見つけ出した。
その法則に従って売買することで、なけなしの貯金が膨らみ、今は資産が10億円を超えた。すると今度は私だけが幸せになっていいのかという心の声が聞こえてきた。そこでこの利益度外視のビジネスを始めた。
サクセスっぷりが雑すぎへん?w
本来ギャンブルというのは「ゼロサムゲーム」である。
「ゼロサムゲーム」というのは誰かが勝ったら誰かが負けること。
しかし株式売買だけは別で、買えば買うほど株価が上がり、全員が幸せになれる作りになっている。
なるほど、うまいこと言うな。
たしかにそういった側面はある。
始めはごく親しい友人だけにこの法則を教えていたが、その友人たちが次々に成功していくのを見て、多くの人にこの幸せを味わってほしいと思ってビジネスを展開していった。
今はコロナ禍で多くの人が苦境に立たされている。
だから今回は特別に50万円のところを20万円で販売する。
20万円という金額は決して安いものではないが、一度20万円払ってしまえば永続的にお金を増やす法則を得ることができる。
まだ怪しいと思う人がいるかもしれない。
もしもこの法則に従った上で少しでも損失が出たのであれば、全額返金する。
その後には「利用者の喜びの声」がたくさん並べられていた。
小さく貼ってあるツイッターアカウントをクリックしてみたら、フォロワーが200人前後だった。
300%詐欺である。
全額返金のからくりは、
① 売買履歴に少しでも間違い、ズレがあったら「法則に従っていない」と難癖をつけて返金に応じない。
② 今回たまたま儲からなかった利用者の方に「補償としてスペシャルプランを用意してある」といってさらに金を取る。
このいずれかだろう。
騙されないために
この件で私が伝えたかったことは3つある。
・「楽して儲かる」は存在しない
・ロジックを考える
・最低限の金融リテラシーを身に付けよ
・「楽して儲かる」は存在しない
そんなこと言われなくてもわかっていると思うが、それでも詐欺被害が多いということは実は根本ではわかっていないということ。
特にネットインフラが確立された今の世の中は「自分だけが知っている情報」なんてものは存在しない。
「楽して儲かる」ものが存在するなら、あっという間に全世界に広まって、全員が金持ちになるだろう。
・ロジックを考える
本当に「楽して儲かる」情報が存在するのであれば、人に広めずに自分だけで使うはずだ。
典型的な例として、競馬の有料予想が挙げられる。
本当に当たる(トータルでプラスになる)のであれば、自分で買えばよいだけのこと。人に教えたらオッズは下がる。
それでも人に広めるということは…とロジックで考えると、自ずと答えは出てくる。
私は「速読術」も怪しいと思っている。
一時期速読法にハマっていたことがあった。
どうせ本を読むなら速いほうがいい、と。
速読術は
「普通の人が3時間で読む本を3分で読めるようになり、さらに内容もキッチリ頭に残ります!」
と謳っている。
漢字だけを拾う方法だったり、絵のように捉える方法だったり、いろいろ試した結果、全く速くならなかった。
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