【無料】大事な対局で結果を出すために【麻雀】
一昨日行われた「打倒!ZERO」という8人で行われた配信対局で優勝した。
ヴェストワンカップ優勝の山越さんをはじめとする、関西の強豪タイトルホルダー7人を相手に勝ちきったのだ。
アーカイブが残っているので是非。↓
本長プロによる自戦記はこちら↓
打倒zeRo!! タイトルホルダー大集結!! 観戦記&自戦記1回戦
今年も多くの場所で配信対局の解説を担当した。
しかし打つのは意外にこれが今年初だった。今年はもう終わってしまうけど。
配信対局…というと「私には関係ない」と思う人が多いかもしれない。
しかし今は配信対局にあふれていて、ひょんなところから配信対局に参加できる時代だ。
また、配信対局ではなくても「ワンデーの大会の決勝」など、衆人が見守る中で麻雀を打つこともたまにあるだろう。
そのような大切な対局で本領を発揮するため、大切なことを一昨日の経験から振り返っていきたい。
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心得① 普段以上のことはできない
大会前、村上本を読んで興奮した私は
「今日は手牌を全部読み切っちゃうぞ!」
と相手の手出しツモ切りを血眼になって見た。
気合十分で挑んだ一半荘目の開局、いきなりやらかした。
まずはこの手牌で打4m。↓
678の三色にイーシャンテンにとりつつ、ピンズのイッツーも残した一打。赤ありでもこの一手だろう。
4mを打ったあとは、他者の捨て牌に注目した。
微妙な字牌の切り順に対しても、全力で思考を投入したのだ。
直後に上家から7mが打たれる。↓
この7mに声が出なかった。
チーの是非ではなく、チーするかどうかを決めていなかったのだ。
麻雀は総合力だ。
牌効率、鳴き、押し引き、状況判断…
あらゆる能力を必要とし、どれが欠けていても勝ち切ることはできない。
しかし、それぞれの要素には優先順位があり、我々はそれぞれの要素に割くリソースを無意識のうちに割り振っているのだ。
日々の鍛錬により、1つの要素にリソースを割く割合を下げることができる。
例えば、「手組みや牌効率、鳴き」は優先順位の中でも1番に大切なことだが、毎日打つことによって最低限のリソースで大体の判断を下すことができる。
しかし、このときの私は「読み」という小さい要素にリソースを全力で注いでしまっていたのだ。
故に優先度の高い「鳴き」の要素がおろそかになってしまった。
近代麻雀(今月号)の寿人のコラムにはこう書いてある。
>あれだけライトアップされて、緊張感を煽られるような入場シーンのあるMリーグの舞台だって、やることは麻雀なのだ。
普段とどれだけ同じ景色で対局に臨めるかこそが、勝敗を大きく左右する。
普段通りの麻雀を出すことの大切さを語っている。
逆に言うと、どれだけ大切な対局であろうと、普段以上のものを出すことは絶対できない。
100の実力を持っているとしたら100までしか力は出せない。
120の力を出そうとすると80にも60にもなってしまうのが麻雀である。
基礎的な部分をおろそかにして、「読み」という最終的な要素に注力しているのは私の普段のバランスを明らかに逸している…開局でそれに気づくことができた。
すぐに普段どおりの臨み方に軌道修正せねば…鳴けなかった7mを前にして私はそう痛感したのだ。
心得② 麻雀以前の問題
「普段以上のものを出すことは絶対できない。」
それどころか、普段の麻雀すらできないのが配信対局である。
思い出すのは先日の最強戦。
本田プロは普段では絶対しないであろうミスを、この大切な対局で出してしまった。
インタビューで「スタミナが持たず、集中力を欠いてしまった」と語っていた。
北陸から上京し、2日に渡る極限の緊張感の中で戦い続け、精神力が摩耗してしまったのだろう。
実は私も似たような経験をした。↓
最強戦の前日は興奮して寝ることができず、モヤのかかったような脳の状態で麻雀を打った。露骨なミスは出なかったが、じゃあ100の力を出し切れたかと言うとノーである。
私はこの日の苦い経験から、睡眠に関して全力で取り組むことにした。
睡眠に関するあらゆる書籍、動画を参考にして
・起きる時間、寝る時間を一定にする
・寝室を作ってデジタルデバイスを完全に排除する
・マットレスや枕などの寝具にこだわる
・日中の運動、瞑想をする
・昼寝、コーヒーに門限や量などの制限をかける
・風呂は寝る1.5時間前 必ず湯船につかる
ここらへんのマイルールを設定した。
これ以外にも睡眠に関するこだわりはたくさんある。
おかげで今は布団に入ってから30分以内に寝ることができるし、日中眠くなることもない。
脳も体も100%の状態で麻雀に挑むことができるようになったのだ。
眠れなかったことによって頭が回らずに100%の力を発揮できない…では麻雀以前の問題。
大事な対局であればあるほど、普段の生活が大切になってくる。
戦いはもう始まっている。
私はこの日、頭が疲れてモヤがかかるようなことはなく、5半荘連続で打ち切ることができたのだ。
心得③ 勝負どころを見極める
半荘数に制限があり、何かしらのルールによって勝者を決めるような戦いでは、どこかでリスクをとって前に出ないと勝てない。
心得① 普段以上のものは出ない
で普段の麻雀を心がけ
心得② 麻雀以前の問題
で心身ともに100のパフォーマンスが出せるようになる。
この2つが満ちた上で、ようやく勝負の舞台に立つことができる。
3半荘目。
私は上家から打たれた3mをスルーした。↓
この日、私は本当によく鳴いた。
「トイトイダッシュ」「ホンイツスキップ」「食い延ばし」など、最近記事で書いたことのオンパレードだ。
しかし、さきほどの2枚目の3mはスルーした。
この手はタンヤオチートイドラドラのイーシャンテンであり、浮いている2pと8mがほどほどに良い。
仕掛けたときとメンゼンで仕上がったときの差が大きいと判断したのだ。
すぐテンパイ抽選に当選。
ドラの2sタンキに受けるとしてリーチを打つか。
私は…
ヤミテンに構えた。
「ドラはどうせ出ないのだからリーチしてツモ抽選を増やしたほうがいい」
という考えもあるが、ここは「勝負のダマテン」だ。
ポロリに期待しつつ、相手の手を自由に進めさせ、リーチがかかろうものなら追っかけリーチで襲いかかる。
マンガンダマ→先制が入ったら追っかけ
は赤なしルールにおける1つの有効なセオリーである。
その1回のアガリが勝負の趨勢を決める可能性が高い。
結果は
他家から最後のドラが溢れ、8000の出アガリ。
リーチを打っていたらアガれていたか怪しい。
こうして決勝まで進むことができた。
決勝戦の決め手はコレ。
ドラポンなど、仕掛けが入り乱れている中でリーチ。↓
ポイント状況には多少ゆとりがあるが、優勝しか意味がない戦いなので、オーラスは親との一騎打ちが想定される。
点棒はあればあるほど、オーラス押すことができる。
普段の戦いとは違うのだ。
これを一発ツモ。
オーラス。
想定通り条件の厳しくなった2者は戦いに参加することなく、親との一騎打ちになって2本場までもつれた。
自分がアガるしか優勝はない。
私はこの8mポンから入った。↓
かなり強引だし、タンヤオ仕掛けはかなり危険である。
しかしここで強く前に出るために、メンホンリーチを打ったのだ。
親満一発くらい打てる余裕はある。
最後のツモで優勝を決めた。
結果的に余裕の優勝に見えるかもしれないが、勝負は常に紙一重である。
あらゆる要素・関門をくぐり抜けて勝ち切ることができた。
この戦いには勝ち切るためのエッセンスが詰まっていた。
そして普段からベストパフォーマンスを出すために睡眠にこだわってきた結果が出て嬉しい。
もしも来年も最強戦をはじめとする大きな大会に出ることがあれば、ベストパフォーマンスを出せる自信はある。
まとめ
心得① 普段以上のものは出ない
心得② 麻雀以前の問題
心得③ 勝負どころを見極める
心得①は心、普段の研鑽が大切ということ。
心得②は体、打ち切る体力、全力を出し切れる体調管理が大切。
心得③は技、勝利条件の定められている戦いでは戦略が変わってくるということ。
あなたが大切な対局に臨む前に、1つでも参考になることがあれば幸いである。
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