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ケイテンの価値が低くなっている?朝倉康心が放った衝撃の一言
【連続note 2日目】
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第一人者がトレンドの変化を語る
先日配信された、YouTube上で行われている最高位戦のライブ配信「タチアイニーン」にて、我らがあさぴんこと朝倉康心が「ケイテンの価値が低くなっている」と衝撃の一言を放った。
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あさぴんといえば十年前に著書「新次元麻雀」にて、ケイテン(形式テンパイの略。なんか響きがかわいいよね。)の重要性をとつとつと語り、これまでの「ケーテンで押すなんてリスクが高すぎる」「ケイテンで勝負は決まらない」といった常識をくつがえした、いわばケイテンの第一人者でもあるのだ。
なぜケイテンの価値が下がったのか?
いつだって1人テンパイは3000点もらえ、2人テンパイは1500点もらえる。
その価値は変わらないのではないか?
それはトレンドの変化による、複数の要素からなるとあさぴんは続ける。
① 高打点傾向
あさぴんの著書が発行された十年前は、いわゆるテンパイ優先のデジタルキッズが世を賑わしていた。
(著書では「量産化デジタル」という言葉で表現されている)
古くは山崎一夫氏の「棒テン即リー全ツッパ」という言葉に始まり、堀内正人、小倉孝、渋川難波…(敬称略)といった近代麻雀誌上で麒麟児と言われた3人が速度至上の考えを麻雀界に浸透させたのだ。
役牌は全部ポン、カンチャンでもリーチにドラが1個でもあれば上等、といった考え方だ。
この戦略はラス回避偏重ルールである「オンライン麻雀天鳳」と相性が良かった。
リーチで相手の手牌をクラッシュさせればいい。
相手のアガリの前に自分がアガってしまえばいい。
先制されたらベタオリすればいい。
ところがいつからか、打点も大事だよねという考え方に変わっていった。
もはや誰の記憶にも残っていないかもしれないが、私もその考えの一翼を担ったと思っている。(一例↓)
10年前と比較して、リーチの平均打点が高いのであれば、当然ケイテンプッシュにおけるハードルも高くなっていると言える。
② 押し返しの精度向上
鳳南で戦っていると、ふとっしー(渡辺太)の活躍、そしてふとっしーもモデルになっている「NAGA」をはじめとする麻雀AIの解析結果に影響され「これくらいならガッツで押せるよね」
とやたら押し返されることが増えてきた。
(前述の通り、10年前は「先制されたらベタオリ」という風潮だった)
押し返しが増えるということは、押し返した人がアガるにせよ放銃するにせよ、流局するパターンが減る。
イコール「頑張って形を維持してケイテンに向かう価値は低くなる」と言える。
③ 見直された6ブロック打法
8月より連日投稿している「#朝の何切るZERO」をやっていて思うのが、6ブロックの逆襲である。
ちょっと前までの戦術書には「迷ったら5ブロックに受けとけば間違いない。6ブロックが有利とされるのは稀だし、その場合も微差」というのが必ず書いてあり、それが一般的だった。
それを受けて私は5ブロックおじさんになった。
㊹
— 沖中祐也@ZERO (@zero_0801) October 1, 2024
一時期、東海支部のプロ間で話題になった牌姿です
最高位戦ルール(赤なし)
東1局・東家・配牌#朝の何切るZERO pic.twitter.com/QBdvdwb6dW
牌図部分だけ再掲。↓
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これなんかも東を切らないとすれば、迷わず連打できる1s2sを払っていくんだけど、NAGAは1pを推してくるんだよな。
むしろ最近は、「迷ったら6ブロック」くらいになるまで風潮が変わりつつあるのを感じる。
これもAIの解析や強者たちの見解によって6ブロックの良さが再認識されてきたのだと思う。
わかりやすいのがこういう牌姿。↓
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8mを切って6ブロックに構えるか、ペンチャンを払って5ブロックに構えるかという問題。
ちょっと前までは、変化という観点でペンチャン>カンチャンと差は明白なので、打1mとするのが主流だった。
・1m2mと連打できて余剰牌を持てる
・イーシャンテンの時に広くなる
というのが5ブロックの主なメリットだ。
愚形部分の差が五分で、ようやく6ブロックが拮抗してくる…というイメージだったが、今は明確に8mを切ったほうが良いと感じる。
その理由は縦引きの存在。
1mを切った時のツモ1m2m、1pを切った時のツモ1p3pで差がつく。
6ブロックに受けておけば、愚形部分をフォローする縦引きでも嬉しいというわけ。(変化例↓)
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こうなってからピンズのカンチャンを落としていける。
6ブロック打法には他にも
・ズバリ(3m)が激痛
・愚形選択を保留できる
・先切りした部分(78m)が残ったら強い
といったメリットを持つ。
6ブロック隆盛の他にも、スリムに構えることの重要性も広まってきたように感じる。
結果何が起こるか。
先切りマタギの信頼度の減少である。
先切りマタギならケイテンで余裕で押せたのが、今はそうでもなくなったというわけだ。
まとめ
あさぴんは「トレンドを見抜いて戦略を立てるのが得意」と自己分析をしていた。
なるほど、ぬぼーっと惰性で打っているだけの自分とは違う。
自分は人が言っていたことをこうやってまとめるのが得意かもしれない。
① リーチの平均打点上昇!
② 押し返されちゃう!
③ 5ブロックおじさん瀕死!
の3つの観点から、ケイテンの価値は減少していると言える。
リーチを受けたとき、形の維持による価値は減るので、気持ちよく中抜きするケースを増やそう!
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