自由に組み、理で押し引きする【麻雀】★★★
パーフェクトな1000打
まさか読んだことない人はいないと思うけど、片山まさゆき先生の名著の1つに、牌賊!オカルティという作品がある。
(キンドルアンリミテッドで無料で読めるのでぜひ)
今作は、デジタルを極めた最強のライバル・梨積 港(りつみ みなと)の次のセリフで始まる。
「我々は目指そう、パーフェクトな1000打を」
痺れる…痺れるぜ…!
作中の主人公・朧 夏月(おぼろ なつき)もこのセリフに体が熱くなり、今すぐ麻雀を打ちたい気分になってしまう。
パーフェクトな1000打とは、東南戦1半荘の打牌が平均して150回、チーポンリーチの判断を合わせると200回、リーグ戦や決定戦で5半荘を打つとしたら1日1000打。
この1000打を全て正着で埋めることで優勝確率は8割以上になると推測されるのでそれを目指していこうということ。
「麻雀には理論的な正解があり、それを選び続けることで勝利確率をアップさせる」
という、今となってはごくごく当たり前の考え方だ。
この考え方は正しい。
特に初・中級者は、正解というよりも大きなエラー(A級ミス)を避けることが大切である。
エラーを減らせば自然と成績は上がっていく。
ただ、上級者に関してはこの「正解を選び続けること」という固定観念は足かせになりかねない。
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実戦例
昨日、こんな牌姿になった。↓
牌図①
イッツーで仕掛けて、今5pをツモった場面。
36pを残すか25sを残すか。
ちょっとだけ何切るか考えてみて。
ZEROの選択…
の前に、あなたはこの牌姿、打5pと打3sだけで比較しなかっただろうか?
5pか3sを切ると、ポン材を残すことができて、全ての牌が機能している「完全イーシャンテン」に構えることができる。
基本だ。
その「基本」というやつが柔軟な発想を邪魔している。
パーフェクトな1000打に固執するがあまりに、自分の選択肢を狭めてしまっているのだ。
私が切ったのは
4pである。誰も選ばなかったのではないか。
まず意識したのは下家の仕掛けよりも、親の捨て牌である。
親はダブ東の切り出しから中張牌が余っていて、今すぐにでもリーチが飛んできそう。そして親は3p8pと切っていて47pの筋はいかにも危ない。
だから4pが出ていく形のイーシャンテンは良くないと感じ、打5pが真っ先に思い浮かんだ。
しかし待てよ、と。親からリーチが入ると仮定するならば、親の現物の3pで待つのが得策ではないか…と。
・後に4pが出ていかない形
・親の現物で待つ
この両方を満たすのは打4pしかない。
完全イーシャンテンにはならないが、もとからポン材は中張牌で速度上昇は限定的。その上危険度が高いので、安牌をツモったらどうせ入れ替えるだろう。
実際に…
親からリーチが入り、自分は構想通り36pで待てている。
今たまたま手を開けたら本当に47p待ちだったので「うぉ!」と興奮して紹介するに至ったが、別に打4pが正解と言いたいわけではない。
4pを固める打5pの方が良かったかもと思っている。
麻雀ってある程度打てるメンツが集まると
「相手の待ちをいかに先に処理しておくか」
が勝負の分かれ目になることが多い。
かといって先切りしまくると、ただの「うまぶり昭和野郎」になるので中級者まではエラーを減らすことに専念すべきでその匙加減が難しい。
今回の例も
・親が速そう
・4p超危険
・3p現物
という複数の要素が合わさったからこそ打4pという判断に至ったわけだ。
次の例
見るのは手牌とドラだけでいいよ。↓
牌図②
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