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順位点という魔物

プロアマで泣くべからず

先日行われたプロアマClassicグラチャンでは圧倒的に負けました。
3人に対して丁寧に降りていたら…

9sトイツ落とし

国士に放銃。丁寧とは。
9sトイツ落としを見てたので、筋で4枚目の1mなんてノーケアですよ。
(西坂さんは4mを切っています)

ただ、よく見ると2人に対してドギツイ8pを切っているんですよね。
変則的な捨て牌であるのにチートイツではない(9sトイツ落としなので)…とすると、読み切ることは難しくても国士のケアはすべきだったのでしょう。
自分が甘いです。

負けるのは自業自得だし、ヒリつく戦いをしっかり楽しんだんですけど、試合の合間にスマホを触ったのが良くなかった。
3ラスを引いたのにも関わらず、YouTubeのコメントやXの通知欄には私を応援してくれるコメントがたんさんありました。

「応援の声が力になって」

なんて、もう使い古されすぎた定型文だとは思っているのですが、この身を持って実感ですよ。あったけぇ。
負ければ負けるほど身に沁みました。

インタビュー時に込み上げてしまったのですが、プロアマで泣くプロなんてそうそういないでしょう。

ちょっと情けない気持ちもあるんですが、それだけ一戦一戦大切にしていること、そしてみなさんの気持ちが染みわたっている証左でもあるため、多目に見てやってください。

本当にありがとうございました。

さてさて、また1つずつ麻雀のお勉強をしていきましょう。

リードしているときの立ち回り

まずはグラチャンの1つ前、九州で行われた決勝でのこと。

全5回戦・優勝だけが価値のある戦いです。

大きいトップを取った後、2半荘目の私の手牌。
白をポンして何を切るか。↓

東2局・西家・3巡目・Classicルール

私は4s5sを払って高打点を目論んだ。

1回戦結構大きなトップを取ったので、局消化にも価値はある。
だからドラや字牌を切る人もいるのではないか。

普段からそう打っているというのであれば問題ないが、普段は4s5sを打つのに、リードがあるからという理由でかわしも視野に入れるというのは間違えている。

「1回戦トップだから」
の他にも
「トップ目だから」
「リーチ棒を出すとラスになるから」

など、順位点を過剰に気にしている人が多い。

たとえばこの手。

東3局・西家・6巡目・一発裏ドラアリ

「ピンフドラ1はリーチ」とは教科書の1ページ目に書いてあることだが、これが41000点のトップ目(他3人は20000点台)、さらに3mと6mは場に1枚ずつ走っているとしよう。

この条件になると、ダマにする打ち手が出てくる。

誤解を恐れずに言うと、特に女性は点棒を持った途端に消極的になる傾向がある。(夕刊フジを解説していてよく感じる)
これは人間の本能が関係していると見ている。
大切なもの(子孫)ができると、それを守らねば、という防衛反応が働くのだ。

そういう傾向があるという話だし、全く当てはまらない女性もいる。
さらに男性は男性で本能的に苦手な部分があるはずなので、過敏に反応しないでもらいたい。(やっぱり誤解を恐れてる)

統計的な観点で見ると

ピンフドラ1の手をダマテンにしたときの局収支は約1000点、リーチをしたときの局収支は約2600点、とこの本に書かれている。

局収支とは、アガったり横移動したり放銃したり流局したり…など全てのパターンをひっくるめた平均値である。

ダマとリーチで1600点差ついており、これは統計的な観点でいうと大差。

さきほどの手牌をダマテンに構えることは、1600点払って和了率を高める行為といえる。
和了率はダマ73%からリーチ57%に落ちるわけだが、その差は16%。
リーチしたおかげで追っかけられて放銃したり親に高い手をツモられるのはその16%の中の半分にも満たないだろう。

16%の内訳には安手でかわされたり、横移動や流局する局も含まれるからだ。

ようは数%の不幸を気にして、局収支を大幅に落としてはいけないということ。
親が高そうな仕掛けを入れていて、そこの現物待ち、みたいなケースはリーチとダマで和了率の差が広がるのでダマの選択肢も浮上するが、そうでない限りは東場のうちは点棒表示なんて見るべからず、ガンガンリーチを打っていこう。

単純に素点に差が出てしまうし、4万点あるより5万点あったほうがアシストなどの選択肢が広がるとも言える。

点棒なんてなんぼあっても構いませんからね。

リードされたときの立ち回り

再びClassicに戻るが、3ラスを引いたあとの私の選択。
優勝するためには、最低でも6万点のトップが欲しい状況。

ここからカン3pのテンパイを取らず、9mを切った。↓

この局に至るまでもずっと手役・高打点にこだわって打ち進めていたのだが、それはポイント状況に関係なく、Classicはそう打つべきだと思っているからだ。
この打9mも自然でしょう。

そして次に打たれた3pをチー。↓

これもClassicルールなら鳴く牌だから自然に鳴いた。
ただ、さすがにこれはスルーしてメンタンピンを目指すべきだったな、と反省している。

さすがに、というのはやはりポイント状況だ。
4回戦は私にとっての最終局面。局収支で打っている場合ではないのだ。

2p4p重なりのメンタンピンツモ2600は2800オールが狙えるし、変化もある。
子ならいざしらず、親だからこそ連チャンでなく打点を狙うべきだろう。

まとめ

順位点やポイント状況を気にするのは終盤。
(半荘単位なら南2局から、リーグ戦なら最終節手前、5半荘の決定戦なら4半荘目以降)
手にならないときは、Aに辛く打とう、Bに甘く打とう、などの択が出てくるが、自分の手牌に関しては局収支に従って打つべきである。

局収支に従って打つことが、ポイント効率が最大化される唯一の道。

ただ、終盤はその頭を切り替えることも大事。
反省したぜ。

今日は関西でヴェストワンの予選。
もうすぐリーグ戦もはじまってプロにとってはオンシーズンになるけど、1つ1つの対局に対して惰性にならないよう、感謝の気持ちと勝つ意思を持って臨んでいきたい。

応援してくださった方、本当にありがとうございました。

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沖中祐也・zeRo
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