和久津晶の麻雀観【Mリーグ】
月曜日(11/23)のMリーグ1回戦を振り返っていく。対局メンバーはこちら。
放送開始直後に、解説の渋川がこの半荘の見どころを語った。
「王道対覇道の戦いになる」
と。
渋川はさらに詳しく
和久津・岡田
ツイている時にしっかり勝つ→王道
VS
たろう・石橋
ツイてなくても勝とうとする→覇道
と解説する。
これが予言になろうとは思ってもいなかった。
東1局 たろうの彗眼
この日は最高位戦A1リーグの最終節で、園田・村上の両名が戦っていた。そこでたろうの出番である。
もし最高位戦に移籍したたろうがA1に昇級したら、3人が戦えなくなり1人(丸山)に負担がかかってしまう。そういう意味で団体を散らしておくことも大事なのかもしれない。
そのたろうが魅せる。
ここから4pを切ったのだ。↓
スリムに構えたわけだが、浮いている1mを切らなかったのは上家の筋であることと、イッツーを見据えたのだろう。
狙い通り残した1mが活きてイッツーのイーシャンテンにこぎ着けた。
結果は石橋の400700のツモアガリとなったが、たろうの「全ツッパできる手を作る」という信念が垣間見える一局だった。
たろうが最高位戦に移籍したことに対し「降級直後でカッコ悪い」「自分勝手」などとも言われた。その後の登板だけに結果を残したいところではないだろうか。
参考記事→鈴木たろう電撃移籍について&スーパープレイ集
東2局 王道をいく和久津
和久津はこの北をポンした。↓
ポンテンの3900。すぐにアガれそうである。
ただあまりに早すぎて、門前テンパイ(チートイツのイーシャンテンである)やチンイツまで見たくなってしまう人も多いのではないか。
打点厨の揃うMリーガーならなおさらである。
それでも和久津がポンした理由としては、親の石橋(下家)が白→ダブ東と切ってきて臨戦態勢なのと、待ちになる2sがその親の現物だったから。
80%アガれる3900
40%アガれる8000
20%アガれる12000
という選択で、アガれなかった時の親のアガリによるダメージを鑑みて、一番上(3900)を選んだということだろう。
親の現物って超偉い。
特に北家の場合は、親からリーチが入った際に危険牌をツモるまでに南家・西家からの現物抽選を受けることができる。
そういう意味では北家がとる親の現物待ちは「親のリーチ=自分のアガリ」に近いものがあると言っても過言ではない。
この仕掛けに機敏に対応したのがたろうである。
2sが今にでも出そうだった。↓
なんだありゃ?と思考を駆け巡らせるたろう。
和久津は4m4m8m9mを全部手出ししていて、普通の手とは思えない。
かといっていきなりのトイツ落としなのでトイトイはない。
ホンイツか?たろうの目からピンズが結構見えている。
ピンズは1枚も切っていないが、最終手出しが8sだしソウズが本命か。
たろうはそう考え、上の手牌から2sを切らずに4pを切ったのだ。
すぐに石橋(上家)からリーチが入る。↓
2sが怪しいと思っていても、親の現物はそれ以上に強い。
たろうでさえも2sを切ったのだ。
北を加カンしているので5200+リーチ棒付きのアガリとなった。
このように1鳴きすることで加槓の可能性もある。または赤5sで満貫になることもあるだろう。決して打点は3900止まりじゃない。
親の速度、そしてその親の現物待ち。
それを考えると、尚早にみえた和久津の北1鳴きも合理的と言えるのではないか。
派手な大物手を狙わずに、状況に応じてポンテンを入れる。
まさに王道の麻雀だ。
この日の和久津は朝倉のトキスタイルを対抗してシルバーの髪で戦いに臨んでいた。これは魅せる領域では私が一番という自負と、奇抜な髪型でエラーしてしまった朝倉に対する優しさでもあると感じた。
参考記事→どんまいアサピン
東3局 覇道のたろう
放銃して親を迎えたたろうはここから東を切った。↓
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