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麻雀AI・NAGAの使い方と注意点

【連続note 8日目】

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8月より、X上にて毎朝何切る問題を出している。
(Mリーグ開催日は除く)

その解答をポストするときに、解説の信憑性を持たせるために麻雀AIであるNAGA解析を用いることが多いのだが、使っているうちにNAGAの使い方のコツのようなものが見えてきたので共有したい。

NAGAとは?

ニコニコチャンネル上に存在する麻雀AI。



課金することによって一般のユーザーでも牌譜解析を利用できる。

550円で500NP(NAGAポイント)もらえる。
このNPを使い、天鳳の牌譜を読み込ませて解析を見ることができるのだ。
(東南戦は50NP、東風戦は30NP)

また自分で牌譜を作ったカスタム牌譜を読み込ませることが可能。
(1局につき10NP)

他にもNAGAを個室や大会に呼び出して一緒に打ったり、一打目シミュレータなんてのもある。

↓はシミュレータを走らせたもの。


現状は東一局・東家しか設定できない

これは画像の牌姿から、4mと2pを打たせた画面だが、局収支に570点ほどの差がついていることがわかる。(どれだけブレるかも)

面白いのがシミュレーションの項目の2000を押すと、2000局の牌譜を閲覧することができることだ。

いや、いちいち牌譜を開くことはないんだけど、こういうのを見ると「本当に2000回試行しているんだな」と実感できる。
「ふふふ…今俺はAIを走らせてるんだ」と一端の研究者になった気分になる。とつげき東海って名前に変えるか。いや、やめとこう。

右のバーをスクロールさせることで…

和了率や放銃率の各種数字や…

手役分布などもみることができる。
ちなみに打4mが1回、打2pが2回緑一色をアガっていた。

もちろんそれぞれの数字を押すと牌譜を見ることができる。

こんな話をしたかったわけではない。
メインの牌譜解析について語ろう。

NAGAの使い方

NAGAの使い方に関しては、最近天鳳位になった小江戸緑さんが私なんかよりも、詳しくて良い記事を書いてくれている。

有料記事なので、ここにあることとなるべく被らないように書いていこう。

では、私はNAGAの解析をどう使っているか。
まず一番ありがたいのは、疑問手の抽出である。

半荘を終え、牌譜を読み込ませると、ものの数十秒で解析結果が出てくる。

解析結果を開くと、こんな画面が開かれる。
まずは下のグラフのような部分を見てほしい。
このグラフは一局における和了率やなんやらを示したものだが、これは全く気にしなくていい。

ポイントはところどころに入っている縦線である。
この縦線はNAGAと意見が食い違ったところを示している。

この縦線のところまで巡目を進めると…

こうやって間違えた部分を確認することができる。
ドラ3を確定させるために8pを切ったけど、なるほどたしかにソウズが伸びても嬉しくないな…と振り返るのだ。

この疑問手の抽出がNAGAのメイン機能と言っても過言ではない。

自分で牌譜を振り返ろうと思ったら、1巡1巡進めていくよりない。
時間もかかるし、効率が悪い。

NAGAにピンポイントで疑問手を抽出してもらうことで、効率よく振り返ることができるというわけ。さっと確認するだけなら1半荘10分もかからない。

もちろん縦線の無い部分でも微妙な選択があったり、学びになる部分はあるとは思うのだが、それはもうコストだと思って切り捨てていく。

さらに抽出にもコツがある。
参考にすべき場面とそうではない場面に分かれるのだ。

具体的に言うと

・点棒状況が絡む全ての判断
・字牌の切り順
・ベタオリ手順

は、あまりアテにしないほうがいい。

・点棒状況が絡むすべての判断

先日上げたこの記事の中でも紹介した通り、NAGAは点棒状況が絡むと押し引きもリーチ判断もフーロ判断も、途端に怪しくなる。

・字牌の切り順

相変わらずNAGAは白・発の切り順で怒ってくるし(緑一色の影響)一枚切れの役牌を残して生牌の役牌を切っても怒られる。
役牌を重ねることに価値のある局面でない限り、お好みのレベルと言えるので、気にしなくていいと思っている。

・ベタオリ手順

瞬間の安全度を比較するのはAIの得意分野だが、手牌を維持して押し返したり、二軒目のリーチに備えたり、といった立体的判断は苦手なようだ。
ベタオリすると縦線まみれになるが、これも気にしないこと。

逆に言うと、上記以外の部分の
・平面何切る
・立体何切る
・押し引き

あたりは、一定の信頼がおける。

抽出した部分をさらに分類し、効率よく自分の弱点を見つけていこう。

NAGAの注意点

NAGAといえば、よくこう勘違いしている人がいるので、どうしても伝えたいことがある。

たとえば、こちらの解析結果を見てもらいたい。↓

打2mにバーが伸びている。
打5sにもバーが伸びているが、長さは2mの1/3程度しか伸びていない。

そこで(なるほど、打2mは打5sの3倍良い打牌なんだな)と考えてしまう人が多いが、それは間違いである。

バーの長さは期待値の大きさを示しているわけではなく、正着打である可能性を示しているのだ。

どっちもいっしょに感じるかもしれないが、何が言いたいかというと、ちょっとでもバーが伸びていれば正着打の可能性があるということ。
1/3も伸びていれば、ほぼ五分と考えていいくらい。

実際に、上の牌姿をさきほどのシミュレータにかけたら

各選択2000半荘でのもの

打2mより打5sの方が局収支は上だった。試行回数2000半荘程度では信憑性は低いものの、そこそこの差がついている。
それよりもほんの少しバーが伸びているだけの打6mや打4pも、打2mより局収支は高い。

これを見ての通り、ちょっとでも伸びているバーが選べているのであれば気にしなくていい。

さきほど紹介した

これのように、カケラも伸びていないやつはぐうの音も出ないからしっかり反省すべきなのだ。

まとめ

結局は「なぜNAGAは選択Aを選ぶのか」「本当に選択Aでよいのか」といった本質を自分で考えることが重要なのは間違いない。

自分で考えて結論を出さないことには、次似たような手牌がきたときに何を考えて選択すればよいかわからず、再現性がない。

疑問手を抽出し、NAGAの言いなりにならず、自分で考える。

効率的に学習し飛躍的に雀力を伸ばすためには、やはり最後は自分の脳を働かせるしかないのだ。

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沖中祐也・zeRo
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