元SKE・川嶋美晴が麻雀を選んだ理由
2024年11月現在、AKBグループに在籍していた過去を持つ麻雀プロは一人しかいない。
最高位戦の川嶋美晴。
少女は何に魅せられ、麻雀の道を選んだのか。
鮮烈のドリンキングスルー
私はどうしても川嶋を記事にしたかった。
次に紹介する1局に胸を打たれたからである。
あれは10月に行われた対局でのこと。
オーラス、まずは点棒状況をみてもらいたい。
川嶋は23200点の3着目。
トップは33100点なので満貫ツモによってきっちり逆転できる。
とはいえ2着目が24400点で僅差。
夕刊フジ杯は25000点持ちのオカアリルールでウマが10-20。
まとめると上の順位から+40+10-10-20となる。
たしかにトップの価値は大きいのだが、3着→2着の価値も高い。(+20)
それをふまえて、川嶋の手牌をもう一度見てほしい。
もしこの白が出たとしたらポンするだろうか。
見逃して満貫ツモが目指せなくもないが、ポンすればドラ・三色・ツモアガリのいずれかの条件で1200点差の2着目をまくることができる。
解説席で見ていた私はポンだな…と思っていた矢先に白が打たれた。
その時川嶋は…
お茶を飲んでいた。
全く鳴く気がない。ドリンキングスルーである。
次巡、2枚目の白が打たれる。
さすがにこれは…
ノールックスルー!
その時の手牌がこちら。
2枚目は鳴いたほうが良いだろう。
鳴いた場合と鳴かなかった場合の速度差が激しい。
567の三色にもなりづらい。
若気のイタリアンってやつだな…そう思いながら見ていた川嶋の手元にやってきたのは…
ーーー5sだった。
ファーストインプレッションは
取材中の川嶋は常に明るく、たくさん話してくれた。
正直お通夜みたいになったらどうしようと不安だったので拍子抜けした。
「顔も声も私の1/2」それが私の印象だったからだ。
ーー2023年、私は最高位戦プロテストの面接官をやっており、そこにプロを目指す川嶋がいた。
プロテストには取材が入っていた。密着動画らしい。
おいおいプロテストは見世物じゃねーぞ、と思わなくもない。
川嶋は極度の緊張もあり、テストも面接も実技も力を発揮できず「研修合格」という結果に終わった。
合格という名前がついているものの「研修合格」は「研修を重ねて次のテストで合格を目指しましょうね」という内容で、何の対局にも参加できず、プロを名乗ることもできない。
にも関わらず、あとから密着動画を見たら「合格」という文字をクローズアップし、テストもできた部分だけが紹介されていた。
芸能業界の闇を見た感じで、私の川嶋に対するファーストインプレッションは決してよいものとは言えなかった。
中田花奈に自分を重ねて
「人と話すのは好きなんですよ」
と明るく語る川嶋。
小学校3年生のときに岐阜の高山から名古屋に転校してきた少女は、その日に友だちができるほど快活で明るかった。
当時はAKB48の全盛期で、友達と一緒にヘビーローテーションを踊って遊んだりしていたという。
名古屋にSKE48というグループがあることを知ると「みんなでSKE48になろう」と話すように。
「プロ野球選手になりたい」
「パイロットになりたい」
「アイドルになりたい」
小学生の夢は、夢でしかない。
生活に追われ、成長し、現実を知るごとに、その夢は薄まっていき、いつの間にか忘れてしまう。
部活や恋愛、友達が新しい刺激に興味が移行していく中、川嶋だけがアイドルの夢を捨てきれずにいた。
こうしてSKE48の応募資格が得られる小学6年生になった時にすぐさまオーディションを受けるも書類審査で不合格。
以降も定期的にオーディションを受けることになるがことごとく落ちた。
中学生になっても川嶋はアイドルへの情熱は途絶えない。
「小遣いの全てを推し活に捧げていました」
推し活というと?
「ライブや握手会のために関西に行ったり、グッズを買ったりですね」
ずっとアイドルに憧れ続けていたんですね。
その推し活の中で、川嶋は運命的な出会いを果たす。
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