高打点は世界を救う【天鳳戦記①】
八段という文字が張り付いたように動かない。
調べてみたら2023年の8月から約1年半、私は八段に在位しているようだ。
1年半と言うと長く感じるが、その間に打った半荘数は420。
月26.25回のペースである。
…少ない。あまりに少ないっ。
どれだけ忙しくなろうとも、この愛すべきクソゲーをクリアする情熱だけは失ってはいけないのではなかったか。
年明け、月50回ペースで打つことを目標に掲げ、俺は静かに予約ボタンを押した。
5ブロック+価値のある牌という意識
いきなりの選択が訪れる。
問題1
何切る?
・打発
・打3mor7m
・打3s
私は7mを切った。
すでに6ブロックある。
発という重なるだけでシカマン(仕掛けてマンガン)のルートが見える牌を残し、どこかのブロックを外していくべきだろう。
ちなみにNAGAは
3s。
同様に発を重ねてのホンイツを意識するも、南をポンしたときはドラ受けの残るソウズカンチャンよりもマンズのリャンカンのほうがいいよね、という判断だろう。1000点も2000点の差よりも形の差ということか。
すぐに打たれる1pをチー。
二度受けかつ2枚目とあらば2巡目にしてここは「ネック」だ。
そして切る牌は5m。
強引なホンイツに見えるかもしれないが、6ブロックある手牌の1つのブロックを削るだけなので受け入れ減は少なく、その余剰スペースで打点が見えるなら積極的に狙うべきなのだ。
NAGAに聞いてみると…
序盤のたった1牌のスペース。
それだけで
運命は大きく変わるものよ!
きたきたきた!復活の狼煙を上げる一局!
今年はうざいZEROさんが帰ってくるぜ!
ベタオリタイム
浮かれていると、上家からリーチが入った。
問題2
何切ってしのぐ?
・2枚ある7p
・字牌の東or発
・その他
私は7pを切った。
2枚あることと、8p切りリーチに7pは通りやすいの複合技だ。
ちなみに◯切りリーチに隣が通りやすい、は
・宣言牌が端であればあるほど信憑性が高く
・周りの牌が切れていればいるほど例外が少ない
と言える。
今回の例だと気持ち程度にしかならないが、2枚あることと当たるときはリャンメン濃厚ということで、この選択には自信があったのだが…
NAGAは打東。
瞬間の放銃率を重視している。(下に伸びている水色のバーが放銃率を示しています)
ちなみに発よりは東がいい。
東は東家が引っ張りやすく、他家は真っ先に切る牌なので、後重なりトイツ率に差があるからである。
この局は、下家が追っかけてきてマンガンツモ。
2着目となった南一局、仕掛けが入り乱れる。
親(上家)がホンイツ模様。
ピンズやソウズの真ん中あたりを持っていてもおかしくないが、あとから字牌が出てくるのはホンイツ寄りになるサインである。
自分もメンタンピンのイーシャンテンで2mを切りたいところだが、身を捩るように5sを切った。そこにツモってきたのが
問題3
テンパイとなる8mだ。
上家はさらに3mをツモ切っており2mの危険度はアップしている。
また2mは下家にも通っていない。
あなたはどうする?
・2m切りリーチ
・打34pで回る
・打6sで回る
私は…
危険を承知でリーチを選択。
ホンイツ濃厚とはいえホンイツじゃないケースもあること、放銃しても3着目に留まれることを重視した。
NAGAは…
リーチで許された。
そうだよな、この手でオリてたら何もいけなくなっちまう。
ただ、前巡切った5sに一考の余地があるという。
親がホンイツじゃなかったとしたら5sは危険牌。
浮いている2mとセットで考えると、イーシャンテンで勝負するには見合わないということだろう。
東と発が重なったらホンイツにするつもりだったけどならなかった、という手牌も出てくるもんね。
高打点は世界を救う
放銃したときに大切なのは意識的に忘れることだ。
2mはさすがに無かったかな、とか
切れている字牌はチェックしたっけ?とか
そういう反省はあとからNAGAとゆっくりやればいい。
どれだけ酷い放銃をしようとも、過去や未来に思いを巡らせることは目の前の局に対して悪影響しか及ぼさない。
ここが分水嶺…!
ラス争いとなった一本場、ここで何を切る?
問題4
そもそもこんな2p仕掛けません!という人もいるかもしれないが、シンプルな3トイツ形かつドラを使えば中~高打点も望めるので、私の中ではギリギリポンだ。(NAGAも同様にギリギリポンらしい)
で、7pをツモって何を切る?
・打6pでドラ周りの変化を望む
・ドラの6sを切って速度重視
・打3sでドラを絶対に使う
私は
3sを切った。
変化を見るなら目一杯だ。
ツモ4sは裏目だけどドラ周りを引いたとも言えるし、58pを先にツモったときはペン4sのテンパイよりも形が良くなる。
そう思っていると、考えうる最上のツモが我が手元に舞い降りる。
う…気持ちいい。
このツモのために麻雀を打っているようなものかもしれない。
無事ツモってラス回避へ前進。
またNAGAに怒られるんかなと思ったけど
許された。
ラスが近くなると焦って速度を重視してしまうかもしれない。
そもそも天鳳は速度重視だと思っている人も未だにいるだろう。
だが、競っているからこそ打点だ。
不安定な仕掛けだからこそ打点だ。
高打点は世界を救う。
ルールやシステムに応じて、速度を調整こそするものの、打点への意識だけは忘れてはいけない。
最後の選択
ラス前、ここから何を切るか。
最後の問題だ。
問題5
789の三色のイーシャンテンだったが、6sをツモってきてリャンメン2つのイーシャンテンにも取れるようになった。
7mは4枚、14pは6枚見えていない。
・打8m
・打3p
私は…
8mを切った。
2枚差なら三色もあると思ったけど、基本は好形だ。
自分の捨て牌に2pが落ちていることと、誰もマンズの上を切っていないことも後押しした。
打点打点言っといて、安定択とってんじゃねーかというツッコミが聞こえてきそうだが、リャンメン確定に受けることにより、リーチにいきやすくなったりツモ率がアップする一方で、三色の方は仕掛けることもあるので、一概に三色残しが打点派、とは言い切れないのだ。
数巡後…
4pを引く。
47sは場況絶好!
…とはいえ、4枚見えているのか。
ドラの5pやドラそばの6pはスライドできるな…
ここで豆ダマ発動。
打点はどうした打点は。世界を救うんじゃなかったのか。
ごめん、やっぱりリーチ!
(NAGAも微差リーチ寄り判断)
こうして迎えたオーラスは下家がアガり、2着で復帰戦を終えた。
最後にひよりを見せちまったが、道中は悪くなかったように感じる。
こうしてNAGAの意見を聞いて反省したりしなかったりして打っている。
今回で言うと、オリの打7pだけは悪くないと思っているけど、他はNAGAの指摘通りだなと思った。
いや、最後の豆ダマも47sみんな切りそうだし、どっちもあるか。
その後も実戦と反省を繰り返し…
25戦をまーまーの成績で消化。
今日も左手に高打点を、右手にNAGAを握りしめながら鳳南へと向かう。
・好評であればこのシリーズ【天鳳戦記】を定期的にアップします
・今回の牌譜とNAGAレポートはこちら