053的散歩のすゝめ

あっちへフラフラ、こっちへフラフラしていたらこんな年齢になってました。
どうも、あなたの勇者ぜろ子でございます。

 新年あけましておめでとうございます。2021年初noteは何を書こうかと悩んでいたが特に書くことがないので僕の趣味を書いていくことにする。
 僕の趣味とは、散歩である。老人臭い?暇人?そう思う人こそ散歩をしてほしい。今回は散歩の楽しさや仕方を書いて、あの手この手でみんなをこちら側に引きずり込むというものである。

爺や、お散歩をしますわよ!

 みんなは散歩を老人の運動や暇人の暇つぶしだと思ってませんか?日々、学業や仕事に追われ、どんどんうつ向きがちになると考えが練り固まってしまう。そうなるとネガティブの渦から抜け出せなくなる。そんなのやじゃない?僕はネガティブ人間だけど、そんなのはイヤだ。暗さの中に明るさを持てるのが真の根暗なのである。知らんが。
 とにかく毎日が忙しい、大変だ、心が擦り切れる、満員電車。そんなときは少し頑張って電車の窓から外を眺めてほしい。空には雲がある。雲は風によって流れていく。いつだって風は吹いている。そう、あなたの心の中にも散歩という名の風が・・・・・

散歩と僕

 散歩の方法とかを書く前に散歩と僕の出会いを書いていこう。僕の家庭は両親と姉と僕の四人家族。両親は仕事で忙しく、姉は学校から家に帰ったとたん友達と遊びに行く。残された友達のあまりいない僕は一人遊びをするというのが日常だった。少ない友達と遊べばいいじゃんと思うだろうけど、僕の家はみんなの家とかなり離れていたので門限内で遊ぶとなると(他に何かしらの方法はあったのだろうけど)ほとんで何もできなかったのである。家の中で遊ぶのも飽きたし、少しだけ家の周りを散歩しよう。それが散歩との出会いだったと思う。
 外は新鮮で、テレビで見るような奇妙な建物や生き物はいないけど、幼き僕にとっては全てが新しく、面白いものだった。どぶ川にできた謎の滝、変な形をした木、ビックリするぐらい小さい車、高速で走り回る電車、全てが僕の好奇心を掻き立てた。
 小中学生ではあまり遠くに行けないということで地元をフラフラしているだけだったが(部活や塾もあり時間がなかなか取れなかった)、高校生になると定期券でいける範囲内をフラフラするようになってしまった。
 地元から少し離れるだけでこんなにも街の空気は変わるのか!とガキながらに感動した。道行く人の服装、歩くスピード、店、楽しいなぁ・・・
なんとも奇妙な青年の完成である。
 そこから今までとりあえず歩くかという思想になっていった。無職期間は金をかけずに行ける範囲を歩き回った。こうしてアヘアヘお散歩お嬢様が生成されたのである。

散歩はいいぞ!

 体にもよくてお金もかからない散歩の良さを伝えるために、まずは僕が散歩をしていて楽しいなと思うことをつらつら書いていく。
 散歩はその街の歴史を感じれる!最もポピュラーな楽しみ方だと思うけど、「いやいや、僕私の街には歴史なんてないよ」と思われる人も多いと思う。歴史が全くない街はない。どんな新興の土地にだって、無から突然現れたわけがなく、それまでの積み重ねがある。少し頑張ってキョロキョロしてみよう。おや?あんなところに謎の階段があるぞ!そう、それが街の歴史です。今見ると本当に無意味な建造物や謎のものにも、意味を持って生まれてきた歴史がある。それが何なのか、目的は何だったのか、正しい答えなんて出さなくていいから、思いを馳せてみよう。その時点であなたは散歩の楽しみ方を心得ている。
 散歩とは、謎の情報から様々な想像をする連想ゲームだと僕は考えている。さっき上げた例の謎の階段、これはもしかして昔そこに入り口があったのかもしれない、じゃあ、その入り口が付いていた建物は何だったんだ?街や周辺の雰囲気的に・・・もしかして、最初から悪ふざけで階段を作ってみただけかもしれない・・・書き出してみると悲しい一人遊びだ。だけれども、連想ゲームで終わらない。気になりすぎる。なんなんだあの謎の階段は・・・好奇心旺盛なあなたはきっとGoogleで「謎の階段 何」と検索するだろう。いくつかブログを読んでいるうちにあなたは「トマソン」という共通の謎ワードに出会い、きっとWikipediaを開いているだろう。トマソンが何なのかわかると、じゃあ、なんでトマソンはトマソンって名前なんだ?となる。これもWikipediaを見ればわかるけどプロ野球の巨人にいた助っ人外国人のゲーリー・トマソンから来ていることがわかる。なんで野球選手からと思うそこのあなた!ぜひ、トマソンで検索していただきたい!なかなか酷い理由なので。
 こうやって、散歩をしていたのに気が付いたら野球選手のこと調べていたという珍事が起こる。僕は散歩の醍醐味は、このどんどん脇道に逸れて全く関係ないところに行きついてしまうだと思っている。
 色々検索しているうちに地形や古い街道などの知識が勝手についていき、地図が読めなくても、なんとなくで歩けてしまうのである。人間の適応能力の高さに恐れ戦いてしまう。

 ちゃんと歴史の話をすると、銀座駅の鳩居堂というお店付近の道路には、他と比べて不自然な窪みがある。何の窪みなんだろと調べているうちに、それはアジア・太平洋戦争時の空爆によってできたクレーターということを知れる。空爆の威力や今はこんなシャレオツタウンの銀座が焼け野原になったこと、未だに傷跡があることを知るきっかけになった。この空爆跡は今もあるはずなので興味のある方はぜひ見に行ってください。
 ほかにも遊歩道が暗渠化された川だったり廃線跡だったりよく見ると歴史はそこら中に転がっていて飽きが来ない。

まだまだあるぞ!散歩はいいぞ!

 歴史なんてくだらねーよ!散歩はカス!と思うあなた、安心してください!歴史以外にも楽しいことはまだまだありますよ。
 それは、意味不明な空間です。歴史の話で出した謎の階段に似ている部分もあるけれど、こちらは今も意味をもって生きている謎ということで分けて書いていきたい。
 意味不明な空間とはそもそも何なのか。散歩をしているとたまに「なんだこの店は?」という瞬間はありませんか?意味不明な空間とは、それです。
 看板だけでは食べ物屋なのか雑貨屋なのか、はたまた悪ふざけで看板を出している民家なのか、判別できない空間がこの世にはたくさん存在する。最近、僕が目撃した謎の空間でいい例があるので紹介する。

 新宿をフラフラしているときにたまたま見つけた「無頓着」とだけ書かれた白い看板。なんなんだよ!まさに何を行っている店なのか不明な看板である。気になって調べてみたら、どうやら隠れ家バーらしい。それを知った瞬間のあまりにも正しすぎる看板だな・・・と愉快な気持ちになった。
 「無頓着」は意味不明の好例すぎたが、看板以外にも意味不明はたくさんある。それはその土地の空気と合っていない建築物だ。僕が思うに、人間は自分が信じ込んでいた認識とズレが生じると不安とともに面白さを感じてしまう。この違和感を探すのである。違和感っていうけどなんなのよ!というあなた、僕は優しいので手取り足取り教えちゃいます。
 簡単な例えを出すと、閑静な住宅街の中に昔ながらの定食屋があるとする。その定食屋は老朽化で建て替えをして、ついに新・定食屋のお披露目会!ベールが脱がされたその建物は近代建築のようなシンボリックすぎる定食屋だった。これがその土地の空気と合っていない建築物である。もし、僕が普通の住宅街でいきなり近代建築の定食屋を見つけたら爆笑して写真を撮るだろう。そういう明らかにおかしいものや、なんか違和感があるものを探してみるのも散歩の楽しみ方である。

 違和感を楽しむだけもいいけど、そこから近代建築や建築家などを調べても面白くなる。去年あたりから新宿紀伊国屋ビルの両側のビルが建て替え工事のため解体された。そうすると50年近く日に当たらなかった紀伊国屋ビルの側面が目撃できるというイベントが発生した。きったねぇ~という感情とこのビルは誰が作ったんだろという疑問が浮かんでくる。あのビルは前川國男という建築家が設計したもので、調べてみると他の近代建築家はかなり力強い作品が多いのに、この前川氏はすごく穏やかで利用者が使いやすい雰囲気がある。確かに前衛的だったり街のシンボルになるような建築物も好きだけど、前川氏のそこまで主張はないけど日本建築の温かみ的なものを感じ取れる建築物に心が惹かれた。

僕と散歩

 このように散歩はいろいろな興味を刺激し、ボケ予防になる。ボケることが怖い!というオスのあなたにも、メスのあなたにも散歩を強くオススメします。日常生活では使わないであろうくだらない知識が増えていき、そこからユーモアは生まれてくると僕は信じています。うまくインプットできてもうまくアウトプットできないともどかしくなるけど。
 話は変わって『ユーモアがない人』とよく言うけど、ユーモアがないとはボケが全くないツッコミだけのお笑いだと思っている。散歩はいろんなものにツッコミを入れつつ、見てきた変なものや知識を自分のボケとして吸収するのに結構向いていると僕は考えている。そのためには好奇心を忘れないこと。人は好奇心を失ったらおしまいだと過激なことを考えています。
 ユーモアがない僕による散歩指南はいかがでしたか?外に出たくなりましたよね?今からでも遅くはありません。寒さや暑さ対策をして散歩にでかけよう!

良い夜を

アルクアラウンド / サカナクション

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