FC今治vsY.S.C.C.をマッチリプレイするJサポのAとB
B「あのさあ」
A「お、どした?」
B「俺ももうちょっとサッカー詳しくなりたいんだけど、どうしたらいいと思う?」
A「え、どしたの?急に」
B「前々から少しくらいはわかるようになりたいって思ってたけどさ。何試合見ても全然わかんねえなこれって思って」
A「ああ」
B「もうこれは他人に聞いて教えてもらったほうが早いな!って思ってさ」
A「確かにそうかも」
B「Aはサッカー詳しいじゃん?」
A「うーん、詳しいかどうかはわかんないけど長く観てきてるから多少は」
B「だから、俺にいろいろ教えてほしいんだよ」
A「わかった。じゃあ、ちょっとやってみよっか。Bがサッカーに興味持ってくれるのはうれしいし」
B「ありがとう!いやー、近場に相談できる人がいて助かった」
A「さて、どういうやり方がいいかなあ。自分はまだ見てないんだけど、FC今治vsY.S.C.C.の試合は見た?」
B「あ、DAZNで見た」
A「よし、じゃあこの試合をDAZNでリプレイしてそれを一緒に観るとするか」
B「あ、試合を一回見るの?」
A「そうそう。この場面ではこう考えたとか、この場面はこう解釈した、みたいなことを挟みながら見直してみるのが1番いいかなと思って」
B「Aがそのとき何を考えてたのかがわかるってことだね?」
A「そういうこと。実は自分も大学生のころサッカー部のやつに解説してもらいながらサッカー見たのがすごくおもしろかったんだよ」
B「へえ」
A「自分より詳しい人が、何を考えててどこ見てどう受け止めてるのか?その過程を知るのってこんなに勉強になるんだなってその時思ってさ」
B「そうなんだ」
A「やっぱり自分より詳しいひとに適時解説してもらうのが1番だよ」
B「でも、俺さっぱりサッカーわからんけど大丈夫?」
A「大丈夫。ポイントと試合の流れを中心に話していくし、気になることがあればその都度聞いてくれたらいいから」
B「よし、じゃあお願いします」
試合前
A「サッカーはどっちかに肩入れして観たほうがおもしろいから、せっかくだしホームのFC今治びいきで見てみようか。今治の順位とか勝点ってどうなってるの?」
B「今治は勝点57で2位。3位と富山との勝点差は3」
A「自動昇格圏内をめぐってリードはしているけど、下手すると1試合で並ばれてしまう勝点ってことか」
B「得失点差でいくと、富山が18、今治が17だから僅差だね」
A「この試合含めて残り試合7か。なるべくリードを広げて富山を引き離しておきたいところだね」
B「ちなみに、4位の北九州とは勝点差が9あるみたい」
A「9差を7試合で詰めるのは相当難しいから、J2への自動昇格争いは今治と富山の一騎打ちって感じになりそうだね」
B「YS横浜は勝点31で18位。19位だとJFLとの入れ替え戦もあるみたいだし、こちらもがけっぷちだね」
A「JFLの昇格候補の資格もからみそうだなあ」
B「こんな風に試合前ってお互いどんな順位にいるのか知っておくのって大事なの?」
A「うん。中継でも冒頭にお知らせしてくれるけど、それぞれがこの試合どういう立場で戦うことになるのかがわかるでしょ?」
B「うんうん」
A「昇格も降格も絡まないいわゆる消化試合みたいな位置づけなのか、それともここは絶対勝たなきゃ!って試合なのかで見る方の緊張感も変わってくる」
B「たしかにそうだな」
A「実際に試合でも絶対に勝たないとダメなのか、それとも最低限ドローでもいいのか、チームがどう思ってそうか推測する材料になるからね」
B「今治はここ勝たなきゃだよね?」
A「もう富山との一騎打ちっぽい展開だからね。しかもこの試合は下位の横浜でしょ?なら、ここで落とすわけにはいかないってところじゃないかな」
B「Aは今治とか横浜のこと、なんか知ってるの?」
A「いや、ほとんど知らない(笑)」
B「なんかこう、どんな選手がいるのかとか、フォーメーションはどうとかそういうの調べとかないでいいの?」
A「ああ、そんなのは試合が始まってからでいいよ」
B「あ、そうなの?もっと調べたりするのかと思ってた」
A「すごく気合入れてみたい試合は前の試合とかチェックして、展開予想とかもするけどさ。競馬の予想みたいに」
B「うん」
A「でも、ほとんどぶっつけ本番だよ。予習はなし」
B「そんな感じでいいんだ?」
A「まあ、遊びだからね。むしろ試合をじっくり見直すのがおススメ。真剣に見るなら見直しをやったほうがいい」
B「予習よりむしろ復習ってことか」
A「今回はそれをいっしょにやってく、ってことになるね」
B「おお、そりゃ楽しみだ」
試合開始~15分まで
A「ほお、YS横浜の監督は倉貫さんか。そして今治は服部さん」
B「有名な人?」
A「どっちも選手として活躍したひとたちだね。現役時代が懐かしい。J3で実績を上げて上のカテゴリでも指揮をとってほしいな」
B「これさ、よく注目選手ってあるじゃん?そういうのってどうなの?」
A「うん、まあ選手に注目して観るのもありだけど、個人的にはチームがどうしたいのか?を探りながら観るのがいいと思うよ」
B「そこが難しいんだよな」
A「そうだよね。その辺は試合見ながらちょくちょく言っていくから慣れてもらえば」
B「わかった。そろそろはじまりそう。キックオフ前で選手が並んでる」
A「ここでストップ」
B「え?ここ?」
A「キックオフの前はフォーメーションが読み取りやすいから、ここから情報を読み取っていく」
B「ほお」
A「といっても、今治はまだどういう並びなのかわからないな。でも横浜見てみて?」
B「センターラインにめっちゃ人がいて、後ろに3人いるね」
A「センターラインにひとがいるのはキックオフ直後にバーーってあがっていきたいってことだろうね。後ろに3人いるからもしかしたら横浜は3バックかも」
B「ふむ」
A「この時点で442だな、とかはっきりわかる場合もあればそうでない場合もある。そうでない場合は試合中に手がかりを探してチェックしていくって感じ」
B「へえ、そんな作業やってたのか」
A「そうそう。サッカーは試合の中からヒントをみつけていく謎解きみたいなところがおもしろいんだよ」
B「そんなんしたことない(笑)」
1:06
A「お、ここは」
B「横浜のFKのシーンだな。今治のコートにボールが飛んでった」
A「ここで今治の並びを見てみよう。最終ラインに何人いる?」
B「ええと、5人?」
A「そう5人。だから今治は3バックのチームなのかもなってここでわかる」
B「ああ、こうやって手がかりを探していくのか」
A「中盤はおそらく3人」
B「するとFWは2人ってことか」
A「うん。まだ確定とは言えないけどおそらく今治は3142のフォーメーションを採用しているみたいな感じがするな」
B「試合前の実況さんの紹介どうりってことだな」
A「そうだね。でも、実際の試合では選手の位置が違っていたり、そもそもフォーメーションが違います!ってこともあるから。なるべく、こうやってヒントを探しながら試合から読んでいくほうがいいね」
B「ああ、でも、こうやって自分でヒント見つけて理解出来たら楽しいな」
A「サッカーはそういうのいっぱいあるよ(笑)」
4:38
B「今度は今治のゴールキックが横浜コートに飛ぶ」
A「ここでは横浜の並びをチェックしよう。最終ラインは5枚」
B「ヴィニシウスと競ってる中盤の選手がいるな」
A「この選手がアンカーかもね。するとこちらも中盤は3人」
B「前に2人ってことか」
A「だから、予想フォーメーションどおりこちらも3142かもしれない」
B「こんな風にフォーメーション読むのって毎回やってるの?」
A「うん、まあ、ちゃんと観るときはね。でも、やらなくても全然大丈夫だよ。やったほうがよりヒントをみつけやすいって感じかな」
B「こんなのリアルタイムでできるかな・・・」
A「そこは慣れだね。自分でもよくわかんないままもういいや、ってなるときもあるから。できれば、って感じでいいよ(笑)」
B「そっか、安心した。この試合始まってすぐくらいに気をつけておくことってある?」
A「試合開始直後は選手も緊張してるので、まずは尋常にゲームにはいることだね。ロングボールが増えてバタバタした展開になりがちじゃない?」
B「たしかに」
A「いずれ落ち着いてくるから、それまでに下手に失点とかしないことが大事かな。緊張が解けて冷静に戦えるようにチームがゲームに馴染んでいくまで、無事に過ごす。もちろんあわよくばゴールを獲れたら最高」
B「おお、なるほど!そういう気持ちで見たらいいのね」
A「とかいってたら、横浜にいいシーンが出たな(4:46)」
B「浮いたボールを収めたね」
A「ここで横浜が前向きをつくってる」
B「前向き?」
A「前向きにプレーできる状態になってるでしょ?」
B「うんうん」
A「サッカーは前にボールを運ぶスポーツだけど、前に運ぶためにはこうやって選手を前向きにプレーさせなきゃいけないんだ」
B「ああ、後ろ向きだったらドリブルもパスもできないもんね」
A「そういうこと。前向きを作ることができなければさっぱりボールは運べない。これはめちゃくちゃ大事なことだからよく覚えておいて」
B「わかった」
A「このシーンだと、中盤のセカンドボール争いに勝って横浜が前向きを作った」
B「作った」
A「しかも、場所がいい。ボールを持ってる選手の前には今治の最終ラインしかいないでしょ?」
B「うん、4人残ってるね」
A「今治は532の3つのラインで横浜のボール運びを防ぐわけだけど、この瞬間、最後のラインが対応しないといけなくなってる」
B「中盤が抜かれちゃってる」
A「その最終ラインを突破したらもうGKしか残ってないから、横浜は最後の守備の砦にチャレンジするチャンスを得た格好になってる」
B「なるほどなあ」
6:32~6:48
A「横浜はサイドにかなり人数をかけて密集しているね」
B「うん6人もいるな」
A「密集で細かいパスをつないでいくんだけど、ここで逆サイド見てみ?」
B「ええと、横浜の左サイドの選手が一人いて今治の選手が3人くらいいるね」
A「本来は左にいる選手も右に持ってきてるから横浜は右に密集が作れてる。その密集で細かいパスを使いながら、ふわっと上げたボールがラストパス(6:43)」
B「ふむ」
A「こういう攻撃の仕方は横浜の特徴なのかもしれないね」
7:13~7:24
B「横浜がバックパスして今治の阪野が追いかける」
A「うん、ここは前プレに出てるな」
B「前プレ?」
A「前からプレッシャーをかける守り方だね。横浜はボールをつなぐ意思があるチームなのかもしれない。ここでグラウンダーのパスをつなごうとしてるでしょ?(7:15)」
B「うん。そこに今治の選手が近づいてきてる」
A「ボールの受け手にこうやって前から継続的にプレッシャーをかけていくのが前プレ」
B「横浜はGKに戻して今度は蹴りだした」
A「それを跳ね返して阪野がボールを収める(7:24)これで今治はボールを奪うことに成功してる」
B「うんうん、なるほど」
A「横浜は”運ぶ”をやりたいけど、そこをうまく”防ぐ”ことができたので、”奪う”ができた」
B「だけど、またとられちゃった」
A「うん、そして横浜はスペースにボールを流して運んでいく。今治は前に人数をかけて前プレしてるから後ろにスペースができるんだよね」
B「これパスが通ってたら危ないよね?」
A「そうだね。2対2の状況になりかねないから際どいシーンではある。けど、大事なのはやっぱりセカンドボール・ルーズボールをいかに抑えるか?だな」
B「というと?」
A「今のも阪野が収めて味方に渡せていたら今治がそのまま攻めてたはず。でもそこで奪い返されたから横浜が前に運ぶチャンスになったわけでしょ?」
B「ああ」
A「分かれ目になってるのは、どっちがボールを抑えるかってことだよね」
B「セカンドボールってそんな大事なことなんだな」
7:58
A「おお、少しゲームが落ち着いてきたね」
B「今治がボールを持って横浜コートをうかがうシーン」
A「今治の選手の立ち位置を見てみると、後ろが3枚その前にアンカーがいるから、やっぱり3142で間違いなさそう」
B「このシーンは自分でもわかるなあ」
A「わかりやすいよね。こういうシーンなんかで推測が正しいか確認するって感じだな」
B「横浜の方はどう?」
A「YS横浜は守備のときはそのまま532で守ってるね」
11:56
B「今治が前線にロングボールを蹴る」
A「この時間帯2本くらいこういうシーンが続いているけど、まだ今治がショートパスを使って運んでいきたいチームなのかはわからないな」
B「ほお」
A「このシーン、阪野のリアクションを見てみ?(12:02)」
B「なんか手をコーナフラッグの方に向けてるね」
A「たぶん、ロングボールをサイドに流してくれ!ってアピールだろうな」
B「ほうほう」
A「このヒントから今治の狙いを推理することもできる」
B「え、うそだろ?いまので?」
A「今治はFWをサイドに走らせて、横浜の3バックの脇でボールを受けて前向きを作りたいんじゃないかなと思うね」
B「へええ」
A「そこで阪野が前向きを作ってキープすれば味方が上がる時間が作れる。そういう意図を感じるプレーでもある」
B「まじかよ」
13:16~13:28
A「うーん、今治がロングボールじゃない形で運ぼうとするシーンだけど」
B「はね返されちゃったね」
A「しかも、セカンドボールを触られて」
B「あ、また」
A「そう!オニエに前向きを作られたよね(13:24)」
B「これって最終ラインにチャレンジされちゃうから・・・」
A「あんまよくないシーンだね」
B「さっきと同じようなシーンだったなあ」
A「最終的にはシュートまで打たれてしまった。これで横浜は攻撃を完了」
B「攻撃を完了?」
A「サッカーには攻撃に3つのSTEPがあるんだよ」
B「ほお」
A「1.相手コートに入る 2.チャンスを作る(シュート・クロス・ラストパス)3.ゴールを決める」
B「うん」
A「シュート打つか、クロス上げるか、ラストパスが上がれば攻撃は完成したと見なしてOK」
B「じゃあ、横浜はいまのでシュート打ったから」
A「攻撃のSTEP2を完了してるよね。ボクシングで言えばパンチは出せた、みたいな感じかな」
B「横浜は殴れてるってことか」
A「このシーンも事なきを得ているけど、クリーンヒットしちゃうと」
B「失点、ってことね」
A「だから、サッカー観るときは前向きを作ること、攻撃の3STEPを意識しておくといいよ。正直この2つだけでも十分なくらい」
B「わかった」
A「今治は自分たちが殴ろうとして、逆に殴り返されちゃったってのが今のシーンだね。そういう意味では」
B「わかりやすいな(笑)」
14:11~14:18
A「さっきから目立つ動きを見せているなこの選手」
B「ええと、横山夢樹。U19日本代表だって。しかも、お兄さんは横山歩夢」
A「ああ、松本とか鳥栖にいた横山の弟さんか!」
B「なんかスピードあってドリブル上手くていいよね彼」
A「めっちゃ人気でそうな選手だな。彼は多分左のインサイドハーフなんだけど、サイドに抜け出して1対1になるシーンがこれで2度目だね」
B「さっきもクロスをあげたシーンあったね」
A「こういうドリブルを持ってる選手をサイドで1対1で勝負させるパターンはよくあるから、そういう選手がいるときは使われ方を見ておくといいね」
15分~30分
15:04~15:11
B「今治の左のCK」
A「ファーサイドで折り返して阪野が触れたらって感じだったね。惜しかった、まあ決定機のひとつにカウントしてもいいかも」
B「ファーサイド?」
A「ああ、遠いサイドのことね」
B「CKがはね返されたとき、ってまたマイボールにするでしょ?」
A「うん」
B「こうやってまた放り込んでいくのはなんでなの?(15:14)」
A「CKでCBとかが上がっていくでしょ?だからターゲットがいるって理由もある」
B「うんうん」
A「あと、ボール蹴ってる選手の手前見ると背の低い選手がいるでしょ?」
B「ああ、いるね」
A「彼はCBじゃない。つまりポジションが崩れてるんだねCKに備えるから」
B「ほう」
A「ポジションが崩れた状態でボールを奪われるとヤベーことになりやすいから」
B「ああ、蹴ってしまったほうが安全なのか」
A「そうそう、クリアしたボールがタッチライン割るでしょ?(15:25)」
B「うん」
A「ここで一旦プレーが切れるから、こういう時間を使って並びを整えるんだよ。見ときな」
B「ほんとだ。何本かパス回してる間にだいぶそろってきたね(15:38)」
A「これで後ろからまたじっくり運ぼうって構えになる、と」
B「なるほどなあ」
15:40~15:44
A「ああ、このシーン。よく見てて今治の攻撃の狙い」
B「ほお!」
A「右のCBにボールが渡って、そこに横浜の選手が寄せる(15:40)」
B「うん」
A「そして右のWBにボールが出るんだけどそこにも横浜の選手が食いつく(15:41)」
B「プレッシャーをかけに出てるね」
A「ちょっと視線をずらして阪野を見てみ」
B「あ!」
A「また右サイドの奥へアピールしてるでしょ?」
B「ほんとだ」
A「やっぱり横浜の左のWBの後ろのスペース、つまり3バックの脇にFWを抜けさせて前向きを作りたいんだろうなって感じさせるね。まあパスは合わなかったんだけども」
B「こんな風にパターンっていうか、繰り返されることあるんだね?」
A「あるある。それをみつけるとおもしろいよ」
17:53~18:07
B「今治のスローインから」
A「横浜がポーンと蹴り上げてボールが落ちてくる。ここちょっと見てみ(18:00)」
B「うん」
A「ボール付近に横浜の選手が5人いるよね?」
B「ああ、ほんとだ!」
A「セカンドボールを拾うには素早く反応することの他に、人数をかけることが大事なんだよ」
B「集中と集合か」
A「うまいこというな(笑)そう、人が集まってるといわば球拾いの人数が増えるわけだから拾いやすくなる」
B「しかも、ここ前向き作ってるね?(18:01)」
A「その通り。ちょっと今治はセカンドボール争いで後手を踏んでいるね。前向き作ってからオニエに当てて、また前向き作って(18:04)」
B「パスが細かいな!」
A「これって、右サイドでもあったでしょ?」
B「ああ、6:32~のシーンであったね」
A「するとやはり、横浜はこういう密集から細かいパス交換でってやり方を特徴としてるんだろうなってわかる」
B「いやー、たしかにたしかに」
A「しかもこのミドルは枠に飛んですごくいいシュートだ(18:07)」
B「決定機だね」
A「ここまでのところ、どちらかといえばYS横浜ペースって感じかもしれないね」
B「そのさ、流れとかペースってどうやって判断したらいいの?」
A「原則的には得点の可能性が上がっているが、失点の可能性は抑えられている状態になっていると”ペースをつかんでる”って判断していいよ」
B「うん・・・ちょっとややこしいな(笑)」
A「簡単に言えば殴れてるけど殴られてない状態」
B「その例えがいいわ(笑)そうか、今治は確かにそんなに殴れてなさげだもんね」
A「うん、そして今みたいに殴り返されるシーンがチラホラ。さてどうするかねえ?というところだな」
19:53~20:12
B「また横浜が後ろから運ぼうとしてて、そこに今治が前プレをかけていくシーンだね」
A「ここちょっと右CBが近すぎるんだよなボールに(19:57)」
B「近いとマズいの?」
A「パスを受けるとき、味方にも近いけど、逆に今治の選手にも近いでしょ?」
B「ほんとだ、すぐに距離詰めれそうな感じだね(20:00)」
A「余裕があまりない状態で蹴ってミスパスになって奪われる(20:03)」
B「また、今治が高い位置で奪った」
A「そしてヴィニシウスを経由して前向きを作る(20:08)」
B「シュートはブロックされたけど、これで今治は殴れたことになるよね?」
A「その通り。前プレからうまく殴っていったね」
B「この後のシーンでも前プレがハマってた」
A「今治の攻勢が続く。すこしペースを握り返す時間帯だねこのあたりは」
24:40~25:02
B「今治のGKからの展開」
A「今度は横浜が前プレに出ていくな」
B「ボールを受けられる選手が見張られててなかなか運べないな」
A「出しどころなくてロングボールを蹴ることになったね(24:50)」
B「そして、横浜がボールを獲った(24:53)これも前プレ成功ってことだよね?」
A「そうだね、奪ってるからね」
B「そこからちょんちょんとつないで」
A「うーん、やっぱりここだな(24:56)」
B「ああ、前向き!」
A「この菊谷はいいプレーが目立つな。前向きからすぐにFWに預けて再び前向き(24:57)」
B「そしてシュートはセランテス!」
A「いい攻防だ」
B「だけど、今治は前向き作られること多くない?」
A「うん、とくにセカンドボールの後ちょっと横浜にうまく前向きを作られてしまってるね。さっきの左サイドからのミドルのシーンもそうだったし」
30分~45分(前半終了)
32:07
B「今治のFKだけどちょっと距離があるね」
A「うん、こういう場合直接狙うのか、味方に合わせてくるかになるけれど」
B「このシーンでは直接いったね」
A「横浜のGKの位置を見るとちょい左気味に立ってるでしょ?」
B「そうだね」
A「なので、早いボールで空けている方を狙ったってことだろうね。目の前でバウンドした(32:09)」
B「だから、GKが前に弾いたのか(32:10)」
A「そこを詰めてあわよくば!というシーンだったね。惜しかった」
33:34
B「横浜が真ん中あたりで倒されてファウルをもらったシーンだけど」
A「ここで今治ベンチから「切り替えろ!切り替えろ!」って声が飛んでるのわかる?」
B「あ、ほんとだ」
A「ここまでのところセカンドボール・カウンターに少し手を焼いている印象なので、切り替えて守備の構えをとれ!と檄が飛んでるんだろうな」
B「こういう指示の声もヒントになるんだなあ」
A「中継ならではだけどね。ベンチがどう思ってるか?を推理する手掛かりになることが多いね」
33:47~34:06
B「ファウルもらったリスタートの流れで横浜はやっぱり後ろからパスをつないでいく」
A「彼らのスタイルだろうね。ここでちょっと止めて横浜のボール持ってる選手、次にパスを受けられそうな選手を見てみ」
B「ええと、左CBがボール持ってる。そこに今治の選手が寄せてる」
A「そう。他の近場の横浜の選手は?」
B「CBの一個前にアンカーがいて、その斜め前にも一人いるけど・・」
A「どうした?」
B「みんな今治の選手が近くにいるな」
A「そうなんだよ。前プレは継続的にボールを受ける選手を潰してボールを奪うんだけど、相手の人数に対して同じ数のプレッシャーを用意するのが大事なんだ」
B「え、それじゃあ?」
A「この場合、横浜がショートパスをつなぐのに合わせて今治が継続的にプレスをかけやすい人数がそろってることになる。」
B「横浜がアンカーにパスしたら・・・またヴィニシウスが奪った(33:51)」
A「今治のプレッシャーがかかっているところをあえてつなごうとする。ちょっと難しい選択を横浜はしたわけだが、今治の前プレに狩り取られてしまった」
B「ヴィニシウスがそのまま前向きを作る(33:53)」
A「ここで止めて、ヴィニシウスからどういうプレーが出そうか?を推理してみ」
B「ええと、目の前にDFがいるからドリブルで抜いちゃうとか」
A「うんうん」
B「前にいる選手にパスを出す」
A「うんうん」
B「それと、後ろから上がってきた選手にパスを出す」
A「そうそう、こんな風にどういうプレーをしたらもっと前に運べそうか?って予想するのがサッカーは楽しいんだよね」
B「ヴィニシウスは右から上がってきた新井にパス(33:54)」
A「いい判断!」
B「そして新井からワンタッチでパスが出る(33:55)」
A「新井もいい選手だな!ここから阪野にラストパスだけど」
B「だけど?」
A「たぶん、これはオフサイド(笑)」
B「ええっ?(笑)」
A「阪野が倒されて笛が鳴る(33:56)」
B「いやー、これは現地で見てたらPKだ!!ってなるなあ」
A「ジャッジはやっぱりオフサイド(34:06)」
B「いやー、惜しかった」
A「オフサイドになってはいまったけど、この試合で一番ゴールに迫った形を作れたのは間違いないよね」
B「うんうん、めっちゃおしかった」
A「今治の前プレでここまでゴールを脅かされたら横浜だって脅威を感じるだろう」
B「ああ」
A「横浜はスタイルとしてショートパスをつないでいくだろうけど、こういうシーンが鈍い痛みとなって心理的な抵抗になるかもしれないね」
B「次ミスって獲られたらやだなってなるもんな」
35:43~36:14
A「再び横浜は後方からつないでいく」
B「さっそく試されるシーンが来たな」
A「パスを左へと展開していくんだけど(35:50)」
B「やっぱり今治の選手に警戒されてるね。また獲られるんじゃ?」
A「ここで今治の最終ラインを見てみよう(35:53)」
B「あれ?4人になってる」
A「横浜の左WBに対して今治の右WBが食いついてるから、ひとり飛び出た格好になってるわけだな」
B「なるほど」
A「ここで素晴らしいのが左IHの富士田。今治の右WBが空けたスペースに侵入していく(35:55)」
B「あ、逃げられた!」
A「そう。今治はハメて奪えそうだったけど、横浜がここは耐えきって切り抜けた。実にいい攻防だな」
B「そのまま横浜は左サイドを運んでいく」
A「ちょっと気になるのはここなんだよなあ(36:06)」
B「というと?」
A「今治は前プレに出ていて、そこを切り抜けられた」
B「うん」
A「すると前に選手を送ってる分後ろにスペースができる」
B「うん」
A「だから戻って守備の構えを取り直さないといけないんだけど、そこがちょっと遅い気がするんだな」
B「ほお」
A「しかも、横浜は選手を近い距離に固めてパス交換するのがうまいでしょ?」
B「ああ、そうだったね」
A「局所的に人が足りずに守備が後手後手になることもある。さらに言うと横浜の選手は球離れがいい」
B「球離れ?」
A「ずーっとボールを持ってるんじゃなくて、ポンポンパスを出して話していくじゃない?そうすると、今治は寄せてはパス出され寄せてはパス出されって格好になる」
B「ああ、それで捕まんない印象を受けるのか!まさにそんな感じでオニエからパスが出て前向きを作った(36:09)」
A「最終的にはペナルティエリア内で前向き作られるんだけど(36:12)、ほとんどワンタッチツータッチだよね横浜は」
B「いや、ほんとだわ・・・」
A「今治が先にリードを奪われる展開は予想してなかったけど、あわやPKってシーンを演じた後でのこの得点だからなぁ」
B「横浜うまかったねえ・・・」
A「今治の武器である前プレを自分たちのパスワークでねじ伏せてみせた。お見事というしかないね」
B「今治はこの後どうしたらいいの?」
A「失点した後は動揺したりするから、まずは落ち着いてもっかいプレーしなおすことかな。しょうもないドタバタから追加点をくらったらたまらない」
B「横浜は?」
A「リードを奪ったチームは勢いが出るんだよね今治としてはその勢いに押されないようにしておかないと。ただ、もう時間もあまりないし、今治はひとまず0-1で前半終える。あわよくば同点くらいの心構えでいいんじゃないかな」
B「ふーむ、しかし痛い一点だったな・・・」
A「両チームの持ち味が出ていて見ごたえある攻防だったな」
B「今治も2度ほどいい攻撃を見せていたけど前半終了」
A「さて、この45分をふりかえっておこう」
B「うん」
A「今治は前プレからのショートカウンターで横浜ゴールに迫っていた。横浜はセカンドボールや、奪ってからのカウンターでいい形をつくっていたね」
B「先制したのは横浜だったけど、今治も惜しかった」
A「うん。今治としてはやはり前プレで奪ってからの攻撃に可能性が感じられたね。ただ、攻撃の組み立てのところでミスるとカウンターを誘発していたので後半はその辺を注意したい」
B「横浜は?」
A「やっぱり今治のコート深くに入ると、選手の距離感を狭めて少ないタッチでボールをつないで運んでくる」
B「うんうん、あれはやっかいだった」
A「なので、なるべく今治コートに運ばせないようにしたいね」
B「今治はリードされてるけど」
A「次の1点の持つ意味が大きくなりそうだな。今治はなるべく早く追いついて逆転しなきゃだし」
B「横浜は1点リードしてるけど、どう考えたらいいのかな?」
A「サッカーでは1点リードはあってないようなものと考えておくといいよ。どんなに強いチームでもまさか!って失点があり得るスポーツがサッカーだから」
B「セーフティリードとはいえないってことか」
A「もちろん有利は有利だけどね。横浜が2点リードとなると今治はかなり苦しくなる。後半だけで3点取るのは相当難しいからね」
B「なるほど、だから次の1点が大事ってことか」
A「同点に追いついたら今治の方に自信と勢いがついて追い風ムードになるかもしれない。ただ、問題は時間帯だな。なるべく早い時間に追いついて、逆転したい」
45分~60分
B「お、今治は選手交代があるね?」
A「阪野に代えて三門か。阪野も悪くはなかったと思うけどどういう狙いだろうなあ」
B「選手が代わるときってどういうこと考えてるの?」
A「選手を入れたことでやりかたが変わるのかどうか?ってことと、あとはポジションだね。交代したことでポジションが変わる人もいるから」
B「その辺はフォーメーションのときみたいに、試合の中で確認していくの?」
A「そうだね。三門がどこに入るのか?今治の攻守の方針に変更はあるのか?を見ていくけど、まあ、わからんことも多いからだいたいでOK」
B「了解」
45:35~45:42
A「ええと、三門は・・・」
B「あっ!」
A「えっ?」
B「なんかすげえの決まった!!!」
A「すげえええ!」
B「後半開始してまだ40秒だよ!?」
A「いやあ、これは大きい!」
B「さっきなるべく早く追いつきたいって言ってたけど」
A「最高の結果だね、これは(笑)しかし、すげーシュートだな。これ見てみ(45:37)」
B「すごい浮き上がってる」
A「こっからズドーンと落ちて突き刺さってる!」
B「これで今治は追いついた。しかも時間はほとんど残ってる」
A「逆転を狙うのに最高の滑り出しになったな。でも、やっぱ思い切りよく足を振ってシュート打ってくって大事だなって思い知らされるな」
B「こういうゴールを見るとねえ」
A「一生懸命崩してとっても、こういうミドル突き刺しても1点は1点だからなあ」
B「理不尽(笑)」
A「そこがサッカーっぽさでもあるけど(笑)」
B「山田は今シーズン初ゴールだそうです」
A「シーズンを決めかねないゴラッソやん・・・」
48:15
B「ゴールがあまりにもびっくり過ぎて忘れてたけど、三門はどうなったんだろう」
A「このシーン見ると、三門がおそらく右のIHに入って、新井が左IH。横山が一列上がってヴィニシウスと2トップのように見えるね」
B「狙いはなんだんだろう?」
A「それはわからん」
B「わからんでいいの?」
A「全部が全部わかるわけじゃないから、わかるところだけ「こうかな?」って思えばいいさ」
B「ふむふむ」
A「サッカーはわかんないことだらけだけど、その中でヒント見つけてわかるところを増やしてくって感じでやるといいと思うよ。逆になんでもかんでも理解できないと気が済まない!みたいなしてると、わかんなすぎて疲れるよ(笑)」
B「あそびだもんね。リラックス大事ってことだな」
53:38~54:27
A「得点してから今治の攻勢が続くね」
B「ここも横山のクロスからヴィニシウスのヘッド」
A「先ほどもヴィニシウスのシュートシーンがあったけど、今治は得点してから攻撃のSTEP2を完了するシーンが続いてる」
B「なんだったっけ?それ」
A「シュート・クロス・ラストパスまでたどりついた攻撃」
B「ああ、そうだった。逆に今治が攻められるシーンはないね?」
A「そうそう、まさに殴れているが殴られていない状態だよね」
B「ああ、これがペースか!」
A「同点にしてからはずっと今治ペースだね。このいい流れのうちに今治としては逆転まで行きたいところ」
B「鉄は熱いうちに打てってやつだな」
A「つづく今治のCKだな」
B「ここでヴィニシウス!!(54:24)」
A「まじかよ!?まさに鉄は熱いうちに打てじゃないか!(笑)」
B「ペースつかんでCKから逆転!」
A「強いなあ。なかなかいい流れを得点に結びつけるのは難しいんだけど今治は地力がある」
B「後半開始10分で2点だもんね」
A「さっきからちょっと気になってはいたんだよな」
B「というと?」
A「ヴィニシウスをあまり抑えられていないなって感じるシーンがチラホラ見えてて」
B「ああ、シュート打ったシーンもあったよね」
A「ここでも高い打点のヘッドを許しちゃったし」
B「ふむ」
A「横浜は逆転されたので点を取りに行かないといけない。アウェイで2位相手だからドローなら悪くないからね」
B「今治はどうするべき?」
A「しょうもない失点をして横浜に活路を与えてはいけないね。リスクを抑えつつチャンスが来たら仕留める」
B「ああ、2-1だと1点リードだからセーフティリードじゃないんだったね?」
A「そういうこと。もう1点追加できれば今治としてはだいぶ楽になるだろうね。でも、欲をかいて失点するのが一番ダメ」
B「どうなるんだろうなこの後」
57:53~58:05
A「後半ようやく後ろから運ぶシーンを作った横浜だけど」
B「今治は前プレに行くね」
A「ここちょっと三門を見たいな。右のIHにいるんだけど」
B「ほうほう」
A「ここで三門は15番の富士田を見てるんだよね(57:55)」
B「ほんとだ」
A「横浜はアンカーの小島の隣に富士田が下りて来るけど、そこを三門に見させる。そして、左CBの藤原にパスが出た瞬間三門がダッシュを開始(57:58)」
B「うん」
A「センターサークル付近を見てみると、山田も近くの横浜の選手に向けてダッシュしてるでしょ?」
B「ああ、ほんとだ」
A「三門のダッシュをきっかけにプレスをハメに行ってるんだけど、こういうのを”プレスのスイッチを入れる”ってよく言うね」
B「ああ、聞いたことある!」
A「シーンを進めると、ここでもう横浜にはパスコースがない(58:00)」
B「ほんとだ!」
A「バックパスしてもあまりコースが持てない横浜はミスパスしてしまう」
B「そして三門が奪う(58:05)。ここで前向きか」
A「このあたりは三門を投入した意図があるのかもしれないね」
B「これはリアルタイムでわかるもんなの??」
A「わかるひとはわかるんじゃない?自分は録画見ないと無理(笑)」
B「いや、録画みてわかるのも十分すごいけどな・・・」
A「横浜は苦しいな。今治の前プレでボールが運べない。また後半セカンドボールに対する意識が強まって、今治コートでボールを拾えなくなってる」
B「なんか前半みたいにこぼれ球拾ってグワーって上がってくみたいなのないよね?」
A「うん。今治が前半の修正をうまくやっているってことだろうな」
B「今治が殴れてるけど殴らせないができているのも」
A「大きな理由になってるだろうな」
60分~75分
60:39~61:39
B「今治ペースのまま60分になったなあ」
A「このあたりからは交代策が増えてくるからそのへんも注意しておきたいね」
B「交代する理由ってなんなんだろう?さっきの三門のはわかったけどさ」
A「三門のケースみたいにチームの機能を改善するためってのもあるけど、一番覚えておいた方がいいのは疲労なんだよ」
B「疲労?ああ、バテてくるってこと?」
A「そうそう。この60分あたりの時間帯ってどうもプレーしてる人は結構しんどいらしい。このあたりから足が止まって動きが鈍ってくる選手も出てくる」
B「動きが鈍るとどのへんがまずいの?」
A「まず走れないと守備に戻れない。これが一番マズイね。それからここ!ってときに踏ん張れなかったり、競り合えなかったり出力が落ちてしまう」
B「パワーダウンか」
A「なので充電100パーの選手を入れてリフレッシュする、と」
B「なるほど。とかいってたら早速横浜が交代しそう(60:39)」
A「おお、デカい選手が入るな!」
B「今治のFK」
A「ちょっとヴィニシウスが止まんなくなってるな(60:45)」
B「ハイボールめっちゃ勝ちだしたね」
A「そして、左サイドで横山が仕掛ける(60:48)と、CKがもらえる」
B「手数をかけないでもヘッド、ドリブル、クロスで攻撃が完成してるなあ」
A「CKからの展開だけど、ボールがいいんだろうな横浜があまり競れてない(61:37)」
B「今治は得点の半分がセットプレーらしいよ」
A「キッカーもいいんだろうな」
B「そしてヴィニシウスが押し込んで3-1!(61:39)」
A「いやー、いい流れをそのまま維持して見事に3点もぎ取った。強い!」
B「ヴィニシウスはこれで15点。得点ランキングトップだそうだよ」
A「身長はあまりないけど、ハイボールで競り勝ててる。スピードもあるし、フィジカルも強そう。バランスがよさそうな選手だな」
B「ゴールが決まったタイミングで横浜は選手交代」
A「FWの萱沼とDFのショーンか。ショーンがさっきの長身選手かな。この交代で横浜はどう変化を起こせるか」
B「これ今治はどうしたらいいのかな?」
A「2点リードがあるし、ずっと今治ペースでボコボコにしてたよね後半は」
B「うんうん」
A「流れは譲ってあげる必要はないからキープしつつ、リスクを負いすぎてしっぺ返しを食らわないようにしたいな。特に横浜に失点して3-2になるのは絶対避けたい」
B「というと?」
A「向こうにもワンチャンドローいけるかも?って期待感が出てくるからね」
B「なるほど」
A「強いチームはつけ入るスキを丁寧につぶしていくもんだ。今治も自動昇格にふさわしいチームならそういう振る舞いで横浜を退けたいね」
65:09~66:20
B「横浜が後ろから運んでいくシーン」
A「ああ、ショーンが右CBに入ったみたいだな」
B「ほんとだデカいのが向こう側にいるわ」
A「やっぱり左の富士田が下りてくるのも変わらない(65:10)」
B「三門が警戒してた人だ」
A「ただ、ここちょっと横浜良いな」
B「へえ、なんで?」
A「さっきよりも明らかに選手間の距離が広がってるでしょ?」
B「ああ、ほんとだ!」
A「これだと近場でのパス交換はできないけど、前プレにくる今治の選手は長い距離を追わないといけない」
B「ふむ」
A「GKにバックパスして、ここ(65:20)」
B「あ、前向き作れた」
A「そうそう。今治の前プレに窒息しそうなシーンばっかだったけど、ようやく横浜もボールが持てるシーンが作れた」
B「前に運ぶ下準備ができ始めたってことか」
A「あれ?ここ変だな(65:28)」
B「うん?」
A「三門がプレスに行かないな」
B「ああ、ほんとだ」
A「これはケガかもな」
B「ふむ」
A「ここ「切れ!切れ!」って声が飛んでるのわかる?(65:34)」
B「うんうん、わかる」
A「そして、タッチラインにボール出した(65:39)」
B「これってやっぱり?」
A「うん、ケガ人が動けないからプレーを切って治療なり交代なりさせたいってことだろうな」
B「あ、でもなんかそのままやりそうじゃない?」
A「レフェリーが気づいてないんだろう。今治の選手がアピールして(65:47)気がついたみたいだ」
B「三門は佐藤と交代するみたい」
A「後半今治逆転の立役者だったな三門」
67:15~67:57
B「横浜のスローインのシーン」
A「後半ほぼ初めてくらい横浜が今治コートに侵入してるな。しかも見てみ」
B「ああ、やっぱり密集してるね?」
A「そういうこと。逆サイドにはあまり人がいない」
B「うわ、すげえ集まってる(67:30)」
A「このようにどこかにひとを密集させる攻撃を飽和攻撃、あるいはオーバーロードと言ったりする」
B「なんかかっこいいな言葉が(笑)」
A「そして少ないタッチでパスを回していくっていう。ようやく横浜の得意とする攻撃がここで見せられた」
B「最終的にはクロスで終われたからこれで横浜は攻撃が完成だね?(67:40)」
A「そういうことだね。あとはクオリティが伴えば。しかし、今治もしっかり構えて対応しているので慌ててはいないよね?」
B「ああ、前半はもうちょいバタバタしてたもんね」
A「クロスを跳ね返して、今度は今治のカウンターだ(67:43)」
B「ヘッドでかえしたボールをヴィニシウスがコントロール」
A「いやあ、ヴィニシウスはスピードもあるな」
B「全部ひとりでやってる!」
A「独力で前向きを作って(67:47)そのままボックスまでもっていけるもんな。これがあるから横浜は怖い」
B「これが決まっていればハットトリックだったけど」
A「十分横浜に恐怖は与えたプレーだったと思うよ。攻めたいけど、ワンチャンでヴィニシウスに独走されてしまうっていう。今治は落ち着いて構えて、うまくカウンターに点火することができればさらなる追加点もって展開だな」
B「なるほど」
A「リードを持つアドバンテージがよく出たシーンだったね」
69:51~70:01
B「横浜がだいぶボールを持てるようになってきた」
A「今治もそこまで前プレ行ってないしね。やはり横浜は密集を作って逆サイドがガラガラで攻める(69:51)」
B「ピッチの右半分に6人いるね」
A「しかし、こうやってサイドチェンジしてしまうと(70:01)」
B「人がいない!(笑)」
A「そうそう。右にたくさん配置すれば必然的に左は薄くなる。厚い方から薄い方にサイドチェンジすると、たぶん今治は守りやすいだろう」
B「警戒しなきゃいけない頭数が少ないもんね」
A「横浜にはそれでも運べる何かがあるのか?そうでないなら、密集からボールを逃がさない方がいいようにも思えるね」
B「なるほど、そう考えるのか」
71:00~71:18
A「横浜ボールのFKだけど」
B「うん」
A「今治はこのあたりの時間帯からミドルプレスに移行してるね」
B「ミドルプレス?」
A「センターサークルあたりに構えてそこからプレッシャーをかける守り方だね」
B「前プレとはどう違うの?」
A「シンプルに守る高さが違うのと、守備の陣形を維持しながらプレッシャーをかけていくのが大きな違いかな」
B「でもなんでミドルプレスに変えたのかな?」
A「2点リードあるからしっかり横浜の攻撃に備えたいのと、奪ってからカウンターで追加点が見込めそうだからじゃないかな」
B「さっきのヴィニシウスみたいなやつか」
A「そうそう。リードを持ってる側の特権だな」
B「と言ってたら、横浜のパスミスを今治が奪った(71:10)」
A「あ、ここストップ」
B「え?」
A「画面上に横浜の選手何人いる?」
B「ええと・・・10人かな?」
A「するとフィールドプレイヤー全員が今治コートに入ってるわけだ」
B「そうか、めっちゃ人を前に送っているのか」
A「しかし、その分リスクも高い。今治は奪ったボールをタテのスペースに流す(71:12)」
B「あっ!またヴィニシウスが!」
A「この場面はうまくいかなかったけど(71:18)、うまくいってたらまたGK1対1になりかねないシーンだったよね」
B「いや、ほんとに」
A「つまり、横浜が殴ろうとして逆に殴り返されてるわけだ」
B「あ、なんか前半と真逆のような(笑)」
A「そういう展開になってるね」
75分~90分(試合終了)
78:11
B「横浜はDFの大嶋とFWのハキムを投入」
A「少しづつ今治コート内でシュートやクロスにたどりつけてきているから、ここで1点取ってもりかえしたいところだな」
B「うんうん」
A「しかし、横浜の菊谷はいい選手だったな。ボールの出し受けですごく聴いていたと思う」
B「今治はここからどうしたらいい?」
A「引き続き相手の攻撃を受け止めつつ、時間を使っていきたいね。のこり10分とATだし、疲れも出てきて運ばれやすくなるけど、最後のところで体を寄せてやらせないようにしたい」
83:14
B「ここでヴィニシウスが交代かー」
A「大仕事をやってのけた。エースだね。リードを奪ってからは厄介極まりないカウンターの矢として機能していた」
B「他に今治で気になった選手はいる?」
A「IHの新井、横山と左WBの近藤。この横山と近藤はどっちもドリブルもってて、サイドから仕掛けられるからかなり厄介だったなと思うね」
B「ドリブルでしかけてCKもらうとかあったもんね」
A「セットプレーから半分点とってるチームだから、相手もCKとかやりたくないけど横山・近藤を抑えるためにはやむなくみたいな」
B「なるほどなるほど」
84:15~85:11
A「後半の今治のよさはセカンドボールの回収で後手を踏まなくなったところかなと思う」
B「スローインからの流れだけど、空中をポンポンボールが飛んでくね」
A「こういうところでひとつ前向き作られるとめんどうなんだけど、しっかり蹴りだして対応できてるので大ごとにならないよね。で、見てほしいのはここ(84:34)」
B「横浜がクリアしてセカンドボールになるところだね」
A「ここもやっぱ近藤が先に触る」
B「ああ、セカンドボールの回収」
A「横浜は前がかりになってて人が前にいるからその分戻るのが遅れるのはあるにせよ、こういうボールを今治が拾うとさらに時間を使われてしまう」
B「横浜からすると難しいな・・・」
A「リードを奪うってほんと大事なんだよね。近藤、横山で仕掛けてCKもらえたら、ねえ?」
B「今治にとってはまたおいしいシーンになる」
85:49~86:22
A「横浜は変わらず後ろからつないでいく。それに対して前線の選手をフレッシュな選手に代えたこともあって、今治が前プレにいく」
B「こういうときはボールを受けそうな選手をみていくんだったね?」
A「そうそう。横浜がプレッシャーをかいくぐれば前向きを作れる」
B「だけど今治も良く守ってるなあ」
A「なかなかいい形でボールを前向きで持たせないよね。最終的にはロングボールを右サイドに送る(86:19)んだけど、ここはパスの質とトラップの質が良かった」
B「ふむ」
A「今治も完全に防ぐのは難しい。いいプレーが出れば運ばれることはあるけど、守備はしっかり構えられているからね。慌てて守ってないでしょ?」
B「うんうん」
A「慌てて守るようなことになっていなければ大丈夫」
試合をふりかえって
B「その後も安定して守り切ったFC今治が3-1で勝利!」
A「いやー、後半の今治の逆襲はすごかったな!」
B「どこがキーだったんだろう?」
A「やっぱり開始直後の同点ゴールじゃないかな。あれで一気にいけるぞ!ってムードが高まったように思うな」
B「3点取るまでずっと今治ペースだったよね」
A「うん、というより後半はほとんどゲームを支配していたと思うね。横浜に有効な攻撃をさせてなかったでしょ?」
B「むしろ、殴ろうとする横浜を殴り返してた」
A「それで点が取れないと苦しむんだけど、セットプレーがらみで2点取れたのも大きい」
B「得失点差も2つ増やせたしね。しかも、富山が引き分けてるからこれで勝点差が5」
A「おお、めちゃめちゃ価値ある勝利になったな」
B「今治の今後の対戦は、大宮・岐阜・琉球・鳥取・讃岐・宮崎みたい」
A「大宮は昇格を決めた次の試合か。鳥取・讃岐・宮崎もなかなか調子がよさそうだ。ここまでなかなか思うようにJ3を突破できなかった今治だけど、今度こそJ2昇格を達成してほしいね」
B「しかし、これ、おもしろいね」
A「というと?」
B「隣で話してもらいながらサッカー観るの。こんなにおもしろいもんだと思わなかったよほんとに」
A「そう言ってくれたらうれしいね」
B「また、今度お願いしてもいい?」
A「もちろん」
B「じゃあ、お願いしまーす」
A「じゃあ、また今度別の試合で」