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Vol.28 足で地面を蹴らない走りを身につけるコツ

「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。

さて今回は、「回旋」することによる「足へのダメージを低減する着地」について考えていきます。

胴体を回旋して走ると、「足」特にここでは「前足部」のことを指しますが、ここで地面を蹴らずとも、走ることができるんです。

このコツが掴めることで、足(脚)への過度な負担を低減させることができます。

では、そのコツについてお話ししていきましょう。

「摺り足」がポイント

「足」で地面を蹴って走っちゃダメよ。

これは僕だけでなく、多くのランニングコーチが使ってるフレーズなんじゃないかなーと。

もしかしたらあなたも、そんな指摘を受けたことがあるかもしれませんね。

ではなぜ、「足」で地面を蹴って走ってはいけないんでしょうか?

その理由の一つは、代謝エネルギーを無駄遣いしてしまうから。

「足」で地面をグッと踏み込むことによって、ふくらはぎの筋肉は短縮性収縮することになります。この収縮は多くの代謝エネルギーを必要としますから、結果的に代謝エネルギーを消耗してしまいます。

それが結果的に、ふくらはぎのエネルギー不足や脳の低血糖に繋がり、筋出力はガタ落ちになります。これがまず一つ目の理由。

脳の低血糖についてはこちらのVoicyでお話ししてますので、お手隙でぜひ!

そして二つ目の理由として挙げられるのが、推進力の低下です。

「足」で地面を踏み込むことによって、身体を上方向に持ち上げてしまいます。

ランニングとは前方向に進む運動ですから、身体を上方向に持ち上げてしまうと推進力が低下してしまいます。

主にこのようなことから、足で地面を蹴らない走り方を身につける必要があるわけですね。

しかし・・・

実は、ほとんどのランナーが「『足』で地面を蹴っている」自覚はないわけです。コーチに「『足』で地面蹴ってるよ!」と言われても、ほとんどのランナーは意図的に「足」で地面を蹴ってるわけではないので、「そんなこと言われましても・・・」みたいなことになってしまいます。

ただ、スロー動画などで客観的に確認すると、やはり「足」で地面を踏み込んで、身体を上方向に持ち上げる動きが出てたりする…

それだけじゃなくて、足音もパタパタと大きく出てしまう。これも「足」で地面を蹴っているサインです。

僕から偉そうに言わせていただくと、おそらくほとんどのランナーが「足」で地面を蹴りすぎてます。

なんなら、胴体回旋スキルを積極的に取り入れる前の僕も、無自覚にまだまだ足で地面を蹴っていました。

なぜそんなことが言えるかというと、まだまだ未熟ながらも、胴体回旋スキルのコツが掴みはじめてきた今、「『足』を地面に置くだけ感」がさらに深まったからです。

「あ、オレ、まだまだ『足』で地面、蹴ってたわ」と気づくことができたんですね。

少し話は変わって・・・

先日、ZBRB.にてゼロベースランニングDojoのレッスンやってた時のこと。

このときも胴体回旋スキルの練習をしてたんですけど、そのとき「あること」に気がついたんです。

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員