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Vol.44 胴体回旋スキルのルーティンワーク
「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。
胴体回旋スキルは、「胸郭の回旋スキル」と「骨盤の回旋スキル」で構成されていて、それぞれを「螺旋」状にしならせることによって、推進力を生み出します。
ここで「螺旋状にしならせる」と表現しましたが、これをもう少し砕いて説明すると、胸郭と骨盤の回旋にタイムラグを発生させるということ。
ここが胴体回旋スキルの要点であり、かつ、最も習得を難しくしている点です。
おそらくトップパフォーマーは、この動きをどこかのタイミングで偶発的に身につけているのだろうと、僕は推察しています。
ただ、偶発的であるが故に、その再現はある意味「その時の運」という側面があります。
もちろん、トップパフォーマーはその感覚の乱れを感じると、すぐさま修正することができるからこそそのパフォーマンスを発揮し続けることができるわけですが、とはいえそれって、僕たちにはできないんでしたっけ?と思うわけで。
トップパフォーマーほどのボディやハートを持ってるわけではないので、彼ら彼女らと同じパフォーマンスは出せないのはもちろんですが、とはいえ自分自身の出せるパフォーマンスの再現性は高めたいじゃないですか?
その日その日であまりにも「努力感あたりの走速度に乱高下がある」って、やっぱり嫌ですし。
そこで今日は、胴体回旋スキル習得の難易度を下げる、あるいはそのスキルの再現性を高めるための「ルーティンワーク」をお伝えしていきます。
それでははじめましょう。
4つの段階で「型」を覚える
それでは、今日はまずそのルーティンワークのご紹介だけしておきます。こちらの動画をご覧ください。
このルーティンワークは、4段階に分けています。まずはそれぞれの段階の動きを、一つずつ丁寧にやっていくことが重要です。詳細は次回以降、段階ごとに説明していきますが、まずは見よう見まねで実際にやってみましょう。
このワーク、現場では大好評でして。というのも、これまでランメトリックスの「骨盤回転スコア」がなかなか改善しなかった方も、このワークを丁寧に実践することで、「胸郭と骨盤のしなり」の感触が掴め、実際の走動作に落とし込みやすいようです。
このワークは、僕自身の感覚をコマ切りにしたものなので、もちろんフィットする方しない方、やっぱりいらっしゃいますけれども、フィットしない方を見ていると、どうしても胸郭の硬さ、特に回旋可動域の硬さが影響しているようです。
胸郭の柔軟性には個人差がありますから、動画を見て同じように動かしているつもりでも、主観と客観にギャップが生まれてしまうのは致し方ないところがあります。
しかも個人の中でも日によって胸郭の硬さは変わります。忙しい日、ストレスフルな日、ずっと座っている日なんかは、胸郭もやっぱり硬くなります。
そうなると、自分ではいつも通り動かしてるつもりでも、思ってるようには動いていないということが起きます。
だからこそ、このルーティンワークを走る前にやるわけです。ルーティンワークという「型」と「今の自分の状態」を照らし合わせ、調整する。
トップパフォーマーも、やっぱり人の子です。みんながみんな優れた身体感覚を持ってるわけでもありませんので、その日その日で胸郭の硬さに違いが出ることもあるでしょうし、それに気づかないことだってあるでしょう。不調や故障は、そのような「ボヤ」から始まります。
そういうことを踏まえて、彼らは彼らのルーティンワークがあるはずで、それを持っていないと「ボヤ」が「大火事」に拡がってしまうわけです。
それはファンランナーである僕たちだって同じ。動きを整えるルーティンワークがあると、パフォーマンスに安定感が出てきます。
ということで、次回以降は今日ご紹介したワークを段階ごとに説明していきます。
それでは。
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