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Vol.39 骨盤回旋が改善されない原因と対策
「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。
前回は「P(PSIS=上後腸骨棘)で地面を踏む」感触を身につけるために「骨盤歩き」ドリルをやってみました。
このドリルによってPの前後方向への「出し引き」のコツが掴めると、適切な骨盤回旋(回転)が促されます。
この適切な骨盤回転は、推進力に影響する「ストライド」や「真下着地」を改善することにつながります。
骨盤回旋の程度は、もちろん感覚的(主観的)にも把握することは可能ですが、ランメトリックスを使うと数値(客観的)で、かつリアルタイムに把握することができるので、すごくオススメだったりするわけです。
ただ…この骨盤回旋がなかなか改善されない問題が、全国各地、いや、世界各地で多発しています。
今日も朝からコミュニケーションとった5人の方が、この問題によって「ドリルの時は大丈夫なんだけど、いざ走り出すと脚の痛みが出てしまう」というカベにぶつかってらっしゃいました。
では、この「骨盤回旋が改善されない問題」は、何が原因で、どうすれば改善するんでしょうか?
今日はそのあたりについてお話ししていきます。
それでははじめましょう。
胸骨を正面でキープ
それではまず、こちらの動画をご覧ください(約1分)。
こちらの方も、骨盤回旋の問題を抱えてらっしゃいます。
この動画では「腕を振らない」ことによって骨盤回旋が改善していることを説明してますが、腕を振らないことによって「胸郭が正面を向くこと」を誘導しています。ここがポイントです。
骨盤回旋の問題を抱えている方は、胸郭、特に胸骨を正面でキープできていません。
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その証拠にほとんどの方は、トレッドミルで手を手すりに置いて走ることで、骨盤回旋が改善します。手を手すりに置くことで、胸骨を正面でキープできるんですね。
ちなみに、前回ご紹介した「骨盤歩き」でも、胸骨は正面キープです。
https://youtu.be/HI0CKMcDQXs
骨盤歩きのときに胸骨が右に左に向きを変えると、Pの出し引きが制限されるのがおわかりいただけると思います。胸骨を正面向けておいた方が骨盤歩きしやすい。
胸骨が正面向いてない。
骨盤回旋問題の原因の大半は、ここにあります。
では、これをどうすれば改善できるのか?
その対策は、こちらの動画をご覧ください。
ここから先は
¥ 150
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員