救えなかった後悔の話
<おじさんDX Vol 16>
単身赴任による二重生活からの金銭問題の記事です。
✅きっかけは単身赴任
「転勤は大丈夫か?」と聞かれて、安易に「大丈夫です!」と言った事が災いの始まりでした。
そんな軽い気持ちで「単身赴任」してきた従業員。
私は、当初から転勤してくると聞いて懸念していたのです。
転勤の福利厚生は、お世辞でも良いとは言えません。
✅転勤の一時金は、10万円~15万円程度
✅単身赴任手当の支給なし
✅帰省手当の支給なし
✅家賃補助の支給なし
✅給与や賞与のベースアップなし
転居を伴う転勤→単身赴任→二重生活
毎月「実質収入がダウン」するのと同じです。
増して、子供が来年には、遠方の大学へ進学するのが、決まっているのです。
これからさらにお金が、かかる予定です。
進学した子供が、学生寮を利用出来ればまだしもですが...。
住む場所を借りて、生活費を捻出、学費を捻出
いくら夫婦共働きとは言え、金銭面で確実に厳しい状況になると予測していました。しかし、当の本人は「楽観的」です。
✅口約束
それは、こうした約束が交わされていたからなのです。
✅1年で元の支店に戻れると口約束。
✅家賃補助として特別に4万円支給。
ちなみに彼は「転勤の経験は今回が初!」なのです。
私の心配の1つは、家賃補助が4万円支給されても二重生活。
✅毎月の家賃
✅毎月の食費
✅毎月の水道光熱費
✅引越し代
✅賃貸住宅の敷金、礼金、前家賃
✅毎月の帰省時の交通費
✅家財道具など
✅その他諸々の費用
「どうやって支払うの?」という感想でした。
私も単身赴任の経験がありますので、よく分かるのですよ。手当の支給額が妥当とは言えない単身赴任は、確実に金銭面でこまります。
私は、彼が少しでも負担かがからないように、賃貸物件にかかる初期費用を抑えるべく、取引先が管理する物件を紹介します。
「これで敷金、礼金、前家賃はとりあえず0円」
単身赴任には、最低限の生活用品も必要。
一部は自宅から運んで来た様子です。
それでも支給された手当では、「自己負担が発生」します。(経験者談)
✅金銭問題で仕事に集中出来なくなる
やがて私の嫌な予感は確実になりました。
物件を斡旋してくれた取引先から、
今月の家賃の支払いが無いという連絡を受けます。
それでも彼は「1年で戻れるので、何とかします!」
と、言いますので、その時はそれ以上、介入しませんでした。
✅そうして1年を迎え。
✅子供が大学へ進学。
✅彼は元の支店に戻る予定。
口約束はいつの間にか無かった事にされ、
生活に困った彼は、家賃をはじめ支払いを滞納しだすのです。
✅苦しくなる生活
✅日に日に表情が暗くなり
✅仕事でもミスが目立ち始めます。
仕事ですから、私はそんな彼に注意をし相談に乗るのですが、
「本人もどうしていいか分からない状況です」
私は、直属の上司に彼の置かれているであろう背景を相談します。
上司は、『そうなんだねぇ~』と言うだけ。
問題を解決しようとしません。
その後会社から
✅子供の進学は、予定があった事だが、個別の事情は関係がない。
✅奥さんを赴任地に呼ぶか子供と一緒に暮らす工夫すべき。
✅社員なのだから良く考えるように!
そのように回答が、直接彼にあったとの事でした。
私も「単身赴任」による金銭面で困った経験者です。
かなり強めに 何度も何度も上司に詰め寄りました。
✅既に仕事にも影響が出ている。
✅いい仕事をするには、生活の安定が必要。
✅社員が困っているのに、見捨ててしまうのか?
✅いくら節約と言っても限界があるのでは?
彼は、元の支店に戻されることはありませんでした。
✅退職に至る
彼はその後に体調不良を訴え一ヵ月ほど有給休暇を取ります。
精神的にも疲れ切った様子で有給休暇が終わって次の日。
『もう働けません』
と、退職届を出してきたのです。
私に残された仕事は、彼をストレスなく今の状況から解放する手伝いをするだけでした。
私にもっと力があれば、彼の人生は狂わなかったはず。
「自分は無力だな」と思ったのです。
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