ポンジ・スキーム『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』での紹介
※一部ネタバレを含みますので、本編を読んでからにしたいという方は、ここで読むのをやめてください。
『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』という漫画を読みましたので、その感想について語ってみます。この本は、一言で言うと、世の中でいかにお金を搾取されているか、その仕組みについて、行動経済学の観点から読み解いた本です。
作画は、『LIAR GAME』や『ONE OUTS』を生み出した「甲斐谷 忍」先生です。原作は、『正直不動産』『任侠転生ー異世界ヤクザ姫一』の「夏原武」先生です。
わたしは、大の行動経済学好きなので、見た瞬間に「これ、絶対面白いやん!」と思いました。
自分は甲斐谷忍先生の作品は特に好きで、ONE OUTSは、何回読んでも飽きません。それくらい大好きです。
前回は、本全体のあらすじや「加茂教授の考え方」を紹介しましたので、今回は本書の中で語られている「ポンジ・スキーム」という詐欺手法について、紹介していきます。
ポンジ・スキームとは
ポンジ・スキームとは、Wikipediaによると、
と載っています。このポンジ・スキームは、1920年代のアメリカでチャールズ・ポンジという詐欺師が考え出した手法であることから、その名前で呼ばれています。
多くの場合は、高配当を謳い、出資者を集めるだけ集めて、最後はトンズラするような投資詐欺手法です。現在は、銀行の普通預金金利が0.001%ほどで増えないため、年利20%や月利20%などの巧みな言葉で出資者を募ります。
途中までは、多くのお金を集めるために、「配当」という名前で一定期間にお金を返済します。ただ、お金が集まりきった際に、詐欺師とは連絡が取れなくなります。
『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』の中でのポンジ・スキーム紹介
この漫画の中では、主人公の実家が旅館を営んでおり、コロナ禍で経営難ということで主人公は両親から聞かされていました。ただ、実家に帰って様子を聞いてみると、なんと蓄えた全額のお金を「共済」に預けたということでした。
共済では、3ヶ月ごとに2%の配当を出すということでしたが、前々回からコロナが理由で配当が止まっているということでした。しかも預けたお金は、4000万円。
主人公とその両親は事態の深刻さに気づき、もしかしたらポンジ・スキームかもしれないと思い、相手がトンズラする前にお金を返してもらおうとします。
ただ、そのお金を預けたファンドに向かうと、なんと「3年間解約できない契約になっていて、今解約すると80%の違約金がかかる」と言われてしまいます。4000万円の80%だと、3200万円が違約金です。
こういう形で、すぐに解約できないようにして、お金を徐々に集めて、トンズラの準備をし始めるのがポンジ・スキーム業者です。
漫画では、さらにこのポンジ・スキームについて解決へと向かっていきますが、この続きは是非本書を読んでみてください。
筆者ゼロの実例
実はわたしもポンジ・スキームに引っ掛かりました。「ブロックエコトークン」という仮想通貨ウォレットの投資会社で、配当は、元金の月利8%から30%ほどもらえるという案件でした。
しかも誰かを紹介するたびに、その人へアフィリエイト収入が入るという案件で、みんな色々な人を紹介していきました。
2019年4月にインターネット上で知り合った知人から、教えてもらい、始ました。最初7万円ほど入金し、8月頃までは順調に配当がありました。
そこで9月から3月間のロックをしました。このロックというのが、定期預金のようなイメージで一定の期間引き出せない代わりに、その間の配当額を上げてもらえるシステムです。
そして9月終わり頃までは、配当がしっかりと出ていたと思います。
ただ10月初めになって、雲行きが怪しくなってきます。まず仮想通貨ウォレットからの出金が今まではスムーズに出来ていたのに、少し時間がかかるようになります。
そして10月25日には、スマホアプリが開けない状態となります。11月21日公式サイトが削除され、ついにお金が返ってくる可能性は非常に低くなってしまいました。
わたしは9月から3ヶ月間のロックをしたので、12月まではお金を引き出せなかったわけです。
その間に、運営側が飛び、資金が全て回収不可能になりました。わたしは、この件で10万円ほど損をしてしまいました。
もちろんめちゃくちゃ悔しかったです。
自分の1ヶ月分の手取り収入の半分がなくなってしまったわけですから。
10万円と言えば、豪華な国内旅行もできますし、近場であれば、海外旅行も行けます。好きな服や靴も買えます。ただその10万円を投資で擦ってしまったわけです。
その時、自分はポンジ・スキームという言葉は知らず、「誰も見つけていない超お宝案件がある」とウキウキしていました。
完全にカモですね。まさにカモリズム社会でのカモられる人になっていました。
まとめ
世の中は、すっかりカモる者とカモられる者の経済 「カモリズム社会」になってしまいました。そこから抜け出るには、人間の行動心理や脳科学、カモる人がどのようにカモるのかを知らなければなりません。
本書では、本当に細かく行動経済学について、騙される事例をテーマに紹介していたので、「勉強できて面白い」おすすめの漫画です。
今回は、「ポンジ・スキーム」について詳細に紹介したので、また今度は、この漫画の中で語られている多くの行動経済学を活かしたカモられている方法や詐欺手法についての記事を書いてみようと思います。
今後も面白くて役に立つ記事を書いていきますので、良ければフォロー、スキお願いします。サポートもお待ちしています。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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