【感想】『ナニワ金融道』ー借金した人間の末路が学べる漫画ー
今日もご覧いただきありがとうございます!
何か漫画が見たい。しかもKindle Unlimitedで全巻見れる漫画が見たいとそう思い立った。そこでKindle unlimitedで全巻見れる漫画で有名で興味があるジャンルを選んでいたら『ナニワ金融道』が見つかったので、読んでみたら、まあ面白い。全19巻を一気に読み終えてしまった。
この漫画は一言で言うと、「借金した人間の末路が学べる漫画」である。
借金した人間は、どのようにして、金融屋から追い詰められ、最終的にどうなっていくのかを細部までリアルに描いた漫画である。面白いだけではなく、学ぶことができるので今後の人生の失敗を減らすことができる良書だと思う。
借金で自己破産した身として、一度他の人がどのような形で破産や夜逃げまで追い込まれるのかを知りたかったのでいい勉強になった。
あらすじ
大阪を舞台に、街金(消費者金融)会社「帝国金融」の営業マン灰原と、借金にまつわる人間模様を描いた作品である。連帯保証人になった彼氏の借金の肩代わりをしてソープ嬢になる女、ご祝儀を盗まれてしまい帝国金融から借金をした挙句取り込み詐欺に手を出して逮捕される男、詐欺的先物取引で多額の借金をして家も仕事も家族も全てを失う小学校教頭など様々なキャラとの攻防がある。
作品の魅力
作品の魅力としては、大阪を舞台にしているので多くの人が関西弁な中、主人公の灰原だけは標準語を話しているのが逆にいい。また他の金融屋の多くは、正直ヤクザ?と間違うほどの、ドスの聞いた声と目つきの悪い外見をしているが、灰原は、普通の好青年であるところに、読者として置いていかれずに済む。
そして「金が絡むと人は変わる」とは、漫画の世界だけではなく、現実世界でも真実だなと感じる場面が多くあり、「借金をするとどうなってしまうのか?」「借金で失敗しないためにはどうすればいいのか?」などが学べる漫画となっており、社会人になり、借金をする前に一度知っておくべき漫画と言える。
一番記憶に残ったシーン
一番記憶に残ったシーンは、小学校の教頭が、商品先物取引で、家も仕事も家族も失い、40代〜50代になって、深夜の交通整理のアルバイトをすることになったシーンである。商品先物取引については、以下で詳しく紹介するが、一度手を出すとやめられない怖さがある。
ギャンブルで105億円ものお金を不正融資した元大王製紙の井高会長のように結局は、その人が最後ギリギリまでお金を出させて破綻させるというのが商品先物取引・金融屋の仕事だと思った。
身震いがするほど怖く、もし自分に子供ができたら、
・借金は未分不相応なこと
・先物取引には絶対に手を出さないこと
・自分の理解できないものには契約をしないこと
を徹底して教えようと思う。
知らないと怖い仕組み
『ナニワ金融道』の中では、知らないと何百万円も生涯で損をする話も載っていたので、その一部を紹介したい。
①手形への裏書
手形へ裏書をすると、借主がお金を返せなかった時に、裏書した人が返
さないといけないという決まりになっているとのこと。だから、手形を
「受け取った」「これを借主が借りた」というサインを書いてもらうだけ
という名目で、何も知らない部下がサインしてしまった。
今の時代でも役立つかは分からないが、自分が100%理解できないものには絶対にサインしてはいけない。わたしも、手形への裏書きではないが、市場価値も理解していなかった不動産への売買契約書に不動産屋に乗せられて、サインと押印をしてしまった。
今となっては、本当に反省していて、今後同じようなことがあった場合は、サインをせずに冷静な場所でじっくり考えて、利益に関係のない専門家に頼むようになった。
②商品先物取引
商品先物取引は、まず仕組みがよく分からない。
一般的には、例えば「南京豆」などの商品を10枚分で証拠金を50万円支払って、後々南京豆の価値が上がっていった時に売ったら、儲かると言う仕組み。
ただ南京豆なんていう商品が、世の中にほとんど流通していない以上、情報はほとんど流れて来ず、先物業者だけが情報操作ができる可能性がある。
また今後南京豆が上がるかどうかなんて、運否天賦でしかなく、売買した際の手数料も先物業者が持っていくので、結局は投資家にとっては、分が悪い勝負にしかならない。
ちなみに自分が以前読んだ本『借金の底なし沼で知ったお金の味』は、同じように商品先物取引が元で、25歳フリーターにして借金1億2千万円、利息24%の生活を経験しており、いかに商品先物取引が怖いかを物語っている。
先物業者の怖いところは、商品先物取引に証拠金が必要なことを吹き込み、一気に100万〜1000万円単位でお金を出させるところにある。
またそのお金を自分で用意できるわけもないので、結局金融会社にお金を借りさせることになる。
その人が、自宅を担保にしてお金を借り、質屋に売れそうなものを持っていて、お金を借り、それでもさらに搾り取る。そのやり方は、知人や友人、家族からお金を借りさせるということである。
さらに最悪の場合、家族などの家も担保にしてしまい、家族全員が莫大な借金を抱え、仕事も家も失い、路頭に迷わせる。
そうして儲けているのが商品先物取引業者である。
商品先物取引だけには、絶対に手を出してはいけない。金融界では麻薬と一緒である。
③交通事故で詐欺
『ナニワ金融道』の作品の中では、車内で運転中に彼女といかがわしい行為をしていた青年が、前にいたベンツにぶつけてしまい、相手から入院費やベンツの新品への弁償を求められるシーンがある。
自動車保険に入っているから、大丈夫と腹をくくっていたが、病院の差額 ベッド代などは対象外。ベンツの全塗装も対象外などとなり、思っていたより保険代が下りなかった。
また当人や親も「何があっても全額弁償します」というような念書を取らされてしまい、どんどん相手につけ込まれてしまうことになる。
もしこんなことがあったら、絶対に弁護士や消費者センターにすぐに相談しに行った方がいい。
④マルチ商法
マルチ商法は、以下4つの定義がある。
ナニワ金融道の中では、「ヒビワレックス」というタイヤを売って会員を増やすマルチ商法が取られていた。
ただ、勧誘が強引だったことや末端の人はお金を稼げないことから、人の信頼をお金に変えているとも言えるので、日本ではやめておくべき、商売のやり方だ。
日本でも、健康食品や日用品などを売る「アムウェイ」「ニュースキン」などが有名である。
正直こういう商売をすると、自分の人間関係がこれで固まってしまうため、人間性は広がらないため、本当におすすめしない。
⑤人がいい人は相手につけ込まれる
③の話でもそうだし、保証人になってしまう人もそうだが、人がいい人はあくどい人につけ込まれる。
あくどい人は、あたかもそれが正当な権利かのように主張してくる。
例えば、交通事故を理由に入院費やベンツの弁償など様々な損害賠償を言ってきたりする。
人がいいだけでは、この世の中は渡っていけない。特に地方では大丈夫かもしれないが、東京だと、悪どい人はすぐ見つかるので、自分で自分を守る力が大切になる。
まとめ
『ナニワ金融道』は昭和から平成に書かれており、借金の怖さ、取り立ての方法、人のお金を巡っての喜怒哀楽が描かれている。
これらのことを知りたい人にとってはおすすめできる漫画である。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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