ミックスボイスとか言う流行りもの
好きだから演る、好きだから唄う、それをモットーにしてる
楽しくなければ音楽じゃないしさ
好きだと言ってくれる人だけ聞いてくれたらそれでいい…そう思うようになったのは二十代後半の頃。
評価されずに苦しんでいたからこそ、その答えに辿りついた。
二十代でまだ若かったし、名声だって金だって欲しかった。
だけど、そればかり追いかけると、本当にやりたい自分の音楽ができなくなるって事に気がついた。
だからこそ『聞きたい人だけ聞いてくれたらいい』と思った時、どんなに楽になったか。
そもそも、流行りというものに便乗したいタイプじゃなかったから、当時だって自分のスタイルは貫き通した。
でも、流行りに乗らないということはだいぶリスクが高い。
評価なんてされるわけがなかった。
俺が20代の頃と、全然違う音楽が、今この令和の時代にあふれてる。
今更こんな事を、こんな所に書いてどうかと思うんだけど、この話はそれを話さないと続きが書けない。
音楽は半分引退してるし、公のステージに立つこともなくなったから、もういいかなって思ってるんだけど、俺にはバツがついていて倅が二人いる。
連中はもう高校生だ。
紆余曲折あって一緒に住んでない時もあったけど、今は、いろんな事情があって二人とも俺が面倒を見てる。
そんなある日、倅2号(次男)が、唐突に俺に聞いてきた。
『ねぇねぇ、ミックスボイスってどうやって出すの?』
『え?』
俺は思わず目が点になった。
R & B でも歌いたいのかと思った…
よくよく聞いてみると、最近若者に人気の楽曲は、たとえ男性シンガーでもキーが高く、ミックスボイスがもてはやされているらしい。
こう言ったらなんだけど、ミックスボイスは出そうと思ってすぐ出る音ではない。
ミックスボイスというのは、簡単に言うと、ファルセットと地声のちょうど中間地点の音域のことを言う。
R & B やソウルのシンガーが多様したりする。
俺たちの世代で有名なのは、宇多田ヒカルだ。
彼女はデビュー当時、このミックスボイスが使えるということでめちゃくちゃもてはやされた。
簡単に『どうやって出すの?』と言われても正直答えに困ったが、俺は答えた。
『出そうと思って簡単に出せる音域じゃないんだよ、だからひたすら歌え』
俺にそう言われて、倅2号はちょっと不満そうな顔をしていたが、その辺りから、俺のアコースティックギターをぶんどって必死になって歌を練習していた。
先日、彼が歌ってるの聞いていたけど、そのミックスボイスとやら、使えるようになったっぽい。
若いってすごいなーって、思っちゃったりなんかして…
最近俺が気に入っている『Overdose』を唄うなとりも、このミックスボイスを上手く使う。
その使い方が、さらに洋楽のテイストを深めているから、洋楽を好きな俺としては、聞きやすいしメロディーはすんなり脳みそに入ってくる。
ただし、先の日記にも書いた通り、なぜか歌詞は入ってこない笑
YouTube で流行ってる楽曲なんかを聞いてみると、特に男性シンガーはこのミックスボイスを多用している気がする。
男性シンガーが高いキーでミックスボイスを多用して歌う。
多分これが、今時の流行りなんだと思う。
流行ってるということは、これを真似する人間も増えてくるということだ。
楽曲のテイストも歌い方もテンプレート。
それがいいのか悪いのかは別として、それが流行る時代なんだから、仕方ないのかなとも思う。
俺が若い頃と同じように、実は強烈な個性なんて音楽にはあまり必要ないのかもしれない…
特に日本は、音楽シーンに限らず、漫画もアニメも小説も、何か一つヒットするとそれに追随して、似たような作品がどんどん上がってくる。
そういう文化なんだから仕方がない。
それでも個性ってやっぱり大事だと俺個人は思ってるしね。
そんな俺は、歌ってみたをあげると、何故か絶対に叩かれるwwww
未だに、何故だかわからないww
再生数は上がるけど、全然知らない人になぜか叩かれるww
そのあたりは20代の頃と全く変わらないんだよな…
だけどやっぱり歌は好きだよ。
音楽もね。
歌も音楽も楽しくやらないと意味がないから、俺は楽しく細々とでも歌っていけたらそれでいいと思ってる。
評価なんて、欲しがった所で、簡単にもらえるもんじゃないし、それに押しつぶされて楽しくなくなるのだって嫌だから。
この考えはもうずっと変わってないなあ