大徳寺で出会った「自休」という言葉。
※この記事は2023年4月にブログに書いたものを移行しています。
今回はロンドンのお話ではなく日本で考えたことですが、ワーホリを決断する過程で出会った大切な言葉についてシェアさせてください。
私は人生でトータル1年だけ茶道を習っていました。お茶をされる方ならよく分かると思いますが、お稽古の中では何度も大徳寺のお話が出てきます。
大徳寺には千利休をはじめ茶道会のリーダーたちが参禅し、修行のために大徳寺で茶を習ったそうです。(あまり詳しく勉強してません、すみません)
私も非常に興味を持ち、いつか行ってみたいと思っていました。そしてタイミング良く2年前に京都を訪れる機会があり、大徳寺に行くことができました。
大徳寺の中にはたくさんの塔頭(たっちゅう)がありますが、ひときわ美しい庭で有名な黄梅院を見学しました。
利休のデザインした庭はもちろん、建物の中は非常に古くて美しく、茶室を見ることができたのは貴重な経験でした。
庭を眺めている時にお寺の方に声をかけられ、すぐ頭上に掛けられた額について説明してくださいました。
そこには『休自』と書かれていました。これは「自休」と読むそうです。
意味は「自ら立ち止まって真剣に物事に対すること。一考すること。」
この言葉が非常に心に響き、京都の旅行中何度も噛み締めていました。
その当時体調を崩したり仕事の方向性を迷って、休職届を出していたのですが、説明が不十分だということで数ヶ月受理を先延ばしにされていました。
しかし「自休」という言葉に出会い、自ら意図的に休んだり自分に時間を与えることは自分の為になることであり、賢い選択なのだと気付かされたのでした。
例え誰かに馬鹿にされても、人の目を気にせず、休みが必要な時は自分自身のために堂々と休もう。
「自休」という言葉のお陰で、諦めず自分のために休職を選択し、そしてロンドンにやってくることができました。
疲れ果てて、どこに行くのかも分からないまま動き続けている。それは本当に賢いことなのか?
まずは一歩立ち止まって自分がどんな状態なのか、自分の心がどこにいるのか、わかるまで落ち着いて考えてみる。感じてみる。
黄梅院のしんとした中庭はまさにその意味を教えてくれているようでした。
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話をロンドンに戻します。
写真はロンドンのバッタシー公園で今年見た桜です。
ヨーロッパの方に日本の話をすると、多くの人が日本の桜を見に行きたいと言うので驚きました。
日本ではどこでも桜が見られますが、世界的には珍しいことなんだなぁと、お花見ができる喜びを知りました。