『ハスラーズ』
原題「Hustlers」
◆あらすじ◆
年老いた祖母を養うため、ストリップクラブで働くデスティニー。トップダンサーとして活躍するラモーナからストリッパーの基本を学び、稼げるようになった彼女は安定した生活を送っていた。しかし、国際金融危機による大不況が押し寄せる。
実話がモデル。
魅せるショーの技術を磨き身体ひとつで稼ぎまくるストリッパー達が2008年、リーマン・ショック後に大打撃を受け、チームを組んで何とか持ち直そうとウォール街の男達を手玉に取る話。
金を操ってるなんて勘違いしたアメリカ資本主義の只中に居る男達から大金を巻き上げ性の不平等から抜け出そうとする女達。
身体ひとつで勝ち取る地位ならこんな事にはならなかった。
何時の間にか善悪の境が見えなくなる野心の世界。
それでも彼女達の中に残る感情に最後はホロッとなる。
真面目だけじゃ生活は楽にならないが身の丈以上を求めるなら割の合わない結果も覚悟しなきゃだな。
金が全てじゃない。
幸福を勘違いしちゃダメ。
昨今の日本も離婚率はかなり高くなって来たがこのストーリーに出て来る女性達もこぞってシングルマザーだ。
ジェニファー・ロペスを女優として認めて無かったが今作に関しては【姉御肌】のストリッパーとしてかなりの存在感とゴージャスな演技を見せている。今作ではプロデュースも兼ねてる。
BARに登場するシーンが、何度かあるんだが、すんごい迫力!💥💥💥
↓↓↓ このポールダンスを教えるシーン好き
面白かったのはリーダーとしてカリスマ性に突出したラモーナ(ジェニファー・ロペス)に対して主人公デスティニーは東洋人(コンスタンス・ウー)。
この二人のコントラストが良かった。
お互いに無いものを補いながら共通点に共感するソウルメイト感がラストの涙を誘うんだな。
この事件を取材しそのラストに関わる女性ジャーナリストをジュリア・スタイルズが演じてるんだが…やっぱり彼女大好き!
あのクールな声と冷静さ!堪らん(笑
(若い?)日本人がその一見した煌びやかさに憧れる国の内情はジェンダーの不平等(男尊女卑)、夫(彼氏)からのDVの多さによる女性の生き難さなど沢山の問題を抱えている。
女性を金さえ払えば手に入る「性」の対象にしか見ない男達の体たらく振りには言葉が無い。
そんな不満や不安を抱えながら何とか自分の地位を掴もうとする女性達。
男どもからガンガン金を巻き上げで行く彼女たちの手腕には爽快感さえ覚える。
生き生きとした姿に生命力が漲ってる。
段々美しく魅力的に変化して行く様子も楽しい。
最終的な彼女達の遣り方を勿論肯定はしないが、そうせざるを得なかった人権の背景や様々な偏見や差別が蔓延る現状を訴える良作。
自粛で「見逃したー(´༎ຶД༎ຶ`)」と思ってたけど観られて良かったぁ!
2020/06/04