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映画感想『ストーンウォール』

原題「STONEWALL」

◆あらすじ◆
インディアナの田舎街に暮らす若者ダニーはゲイであることが周囲や家族に知られてしまい、故郷を追われるようにニューヨークのグリニッジ・ビレッジへとやって来る。そしてゲイのギャングを率いるレイと出会い、ゲイ・コミュニティに迎え入れられる。故郷とは比べものにならない明るく自由な雰囲気に希望を見出すダニーだったが…。



主人公ダニーが田舎を追われ行き着くNYのクリストファー通り。
セクシャルマイノリティが集う混沌とした場所。

私が初めて訪れたこの15年後には既にレインボーフラッグが立ち並ぶゲイ・カルチャーの発信地として存在してた。

劇中のクリストファー・ストリートが目に入った瞬間、この時代に行ってみたかったなぁと思わされた。
それ程のインパクトで通りに存在したジョニー・ボーシャン演じるレイがホントに凄かったんだよ。

1969年、同性愛が犯罪であるかの様に扱われ、今でも続く彼等の市民権運動"ゲイ・パレード(今はゲイ・プライド)"に繋がる暴動"ストーンウォールの反乱"が起こる。


映画は事件までの経緯とパレード発端を描く実話。

自分の性に違和感を持つ事自体苦しいのに何故世間から蔑まれなくてはならないのか?

この手の作品にはいつも社会への憤りを覚えるが今作は自分を否定しないアイデンティティへの熱量を感じてラストは彼等の行進に加わっている自分が居た。 

あの時自分がNYへ行ったのも歩道でもイイからゲイパレードで一緒に歩きたかったからだったと思い出した。

1960年代は黒人差別撤廃を訴える公民権運動や女性の権利と地位向上を掲げた女性解放運動などもあり白人男性至上主義だったアメリカが大きく変動しようとした時代。
でもそれは過去の事でもアメリカだけのものでも無く現在進行形だと言う事。

この映画でダニーの変化描写がとても素晴らしかったのだが、そうした小さくても一人一人の変化が大きな変動に繋がる事に意味があると思わせてくれる。

息子を受け入れる母親に対してダニーの父親が最後まで息子の性を受け入れられないと言う結末。
自分の息子が路頭に迷い男娼を生業にしてもいいのか?っつー話よ!💢

せめて親は子供の味方で在って欲しいと願うばかりだ。

妹フィービーの存在はダニーにとって大きかったね。
理解者が近くに居るってだけで少し違うと思うんだよね。妹ちゃんナイスだよ!


とにかく役者が良かったよ~。
その妹役のジョーイ・キングは最近『ブレット・トレイン』で殺し屋やってて可愛かった。

何より女装(?)のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが目に飛び込んで来た日にゃ椅子から飛びあがりそうだったよ。もうホント好き!!彼って特徴あるけどどんな役の色にもなっちゃうの凄い。『スリー・ビルボード』も『ニトラム』も良かったもんなぁ・・・。

その上ジョナサン・リース=マイヤーズがお色気ムンムンのゲイ役って・・・好物過ぎる(笑)


観たくて観たくて見逃してた作品やっと観られたな( ✧Д✧) キラーン





◆余談◆

自身もゲイをカミングアウトしているローランド・エメリッヒ監督は、劇中にも台詞として描いてるが「ホームレスの40%がセクシャル・マイノリティの若者である」という統計に衝撃を受けこの映画の製作を始めたらしい。監督は自分がゲイだから様々な疑問に自分が答えを出せると思ったのだそうだ

舞台となったゲイバー【THE STONEWALL INN】は現在も営業していて今では "ゲイプライド発祥の地"として全世界から観光客が訪れるスポットになってる。

2022/12/03


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