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映画感想『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

原題「BOOKSMART」

◆あらすじ◆
卒業式を翌日に控えた大親友の女子高生モリーとエイミー。高校生活の全てを勉学に捧げてきたモリーは、苦労の甲斐あってみごと一流大学の切符を手にし、遊んでばかりの同級生たちを見返してやったと思ったのも束の間、パーティー三昧だった彼らも一流の大学に進むと知りショックを受ける。高校生活でやり残したものの大きさを痛感し、何としてでも取り戻さねばとエイミーを説得、呼ばれてもいない卒業パーティーに2人で乗り込もうとするのだったが…。

※book smart(ブック・スマート)とは『賢いけど世間知らず』『実践に乏しい人』みたいな意味らしい。




楽しかったぁ!ポップでキュートな卒業前夜の学園ムービー。

この手の映画にありがちなスクール・カーストの固定概念を打ち破る出来。

主人公の1人はレズビアンでクローゼットでは無いものの片思いの子にはなかなか告白できない。
もう一人はちょっとぽっちゃりな優等生。
良い大学に入る為に楽しい事を我慢しお勉強一筋でここまで来た。適当に遊んで楽しくやってる奴等を或る意味下に見てた感あり。

そんな2人がやっと卒業前夜に自分を解放するんだけどそこには立った一夜にして大きな挫折が大口を開けて待ち構えていた・・・。

もうね、ポップでキュートな筈なのに凄く凄く切ない場面が幾つも出て来て「あぁ、青春はやっぱり甘酸っぱいのね」なんて初老の女もおセンチになっちゃう物語。

でも若さって立ち直りも早いのよ!
目まぐるしさが、ホントは【大きく傷ついたココロ】を【ほんのかすり傷】にすり替えてくれる。

勇気を出して好きな子に声を掛けて現実を見せられても、お楽しみを我慢して受かった名門大学に自分がバカにしてた奴等が合格しててもそんな事関係ないのさ!
自分が【全力で頑張った】って事に意味があって、それがぶっといバックボーンになってこれからの人生の自信に繋がるんだよ。

若い時に何かを乗り越えた経験て絶対その後の人生の壁を乗り越える時に後押ししてくれる。これ間違いない。

彼女達の嘘の無い感情が溢れる時に後悔や悲しみが生まれるけどそれを乗り越えられるのは二人が歩んで来た道のりの中で本当はお互いを好きで理解し信頼してるからだよね。

それに、自分達が相手にしなかったクラスメイト達も視点を変えて話してみればみんなイイ奴で自分達の視線の方が凝り固まってたってね。

あぁ、なんて素直でエネルギーに満ちた作品なんだろうってずっと思いながら観てた。

彼等の日常のスピードに乗せて【現代】を生きるティーン達の恋愛、友情、SEX、セクシャリティに関する水面下の悩みを映し出す、ホントに泣き笑いの秀作だね。
アクセントの下ネタも笑えるからこれがまたイイ。

後半で全て持ってく小気味良いプロットもお見事! 
オリヴィア・ワイルドにこんな才能があったなんて驚きだ!


超個性的なクラスメイト達・・・の一部ww

このコンビは何?
コイツ、イイ奴。
チャラそうで実は堅実?


登場人物の多様な個性にまさしく【今】を感じる作品。

2020/09/05


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