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映画感想『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
◆解説◆
片渕須直監督がこうの史代の同名漫画をアニメーション映画化して異例のロングランヒットを記録し、国内外で高い評価を得た「この世界の片隅に」に、新たなシーンを追加した長尺版。
原作を読んだ時、一番惹かれたのがすずさんとリンさんの関係だったからこのバージョンをずっと待ってた。
2016年版に比べ、すずさんの女性としての描写が色濃く描かれているので更に人間の営みの艶めかしさが加わってこの作品の演出の素晴らしさが倍増してる。
より人同士の【想い】や【嫉妬】それに準ずる【気遣い】が読み取れて深い感動があったなぁ。
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そして改めて【戦争】と言うものの無益さを痛感。
2016年版は4回も観てるのにまるで新作の様な感覚で観られたのが凄い。
それこそが今作の艶っぽさにある。
すずさんと周作の関係性が前作には無い感情で表されてる。
同じ台詞、同じ状況も【周作と関わりがあったリンさん】の存在によって明らかに変化するのだ。
そこに重なっていくそれぞれの想い。
水原哲が訪ねてくるシークエンスにも微妙な意味合いの違いがあるし、唯一の味方に見えた周作の存在が少し違う方向に向くあの微妙なココロの機微…
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思わず「巧い!」と唸ってしまった。
でも、リンさんの存在があったからこそすずさんと周作夫婦の関係は深さを増したんだよな。
そして168分の長尺は全く気にならない素晴らしさ!!
やはりこの作品は不朽の名作だわ。
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