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『ナチュラルウーマン』

原題「Una mujer fantástica」

◆あらすじ◆
ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーとして歌うトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていた。しかし、オランドは自身の誕生日の夜、自宅のベッドで意識が薄れたまま亡くなってしまう。最愛のオルランドの死により思いがけないトラブルに巻き込まれ、容赦ない差別や偏見を受けるマリーナは、女性として生きていく権利を胸に前を向いて歩くことを決意する。 



ここまで偏見の目で見られ罵声を浴びせられるのか⁈と思う程にトランスジェンダーの女性マリーナへの侮辱の描き方が痛烈だがその一方で感情をひたすらに押し殺し対峙する彼女の姿に同じ土俵に立ってはイケナイと言う真理も見える。

彼女の持つ中性さを見事に活かした演出に目が離せなくなる。

或る一つのアイテムがサスペンス性も齎すがそのアイテムの意味をどう捉えるかでこの作品の印象は変わる。

愛に導かれる様子と喪失からの自分再生と言うテーマは充分に感じられる演出だった。

でも冒頭に映るイグアスの滝の映像とそのアイテムの繋がりがちょっと物足りなさを感じさせるな。

偏見に裏付けされる興味本位の視線や偽善のリベラル性には吐き気がするがこの作品を観ると自然に彼、彼女等を受け入れてる人達も居ることに光が見える。

何故、その人の人柄で判断しないのか?
いつも思う疑問がまた頭を擡げた。

人生に於る偏見の風当たりは想像以上に強く激しい。




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