マガジンのカバー画像

映画感想2023

78
観た映画の羅列場
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

映画感想『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

原題「MISSION: IMPOSSIBLE - DEAD RECKONING - PART ONE」 ※タイトルの「デッドレコニング(Dead Reckoning)」は「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。 トムのコミカル面で結構笑える所あって、まぁまだ前半だけど“掴みはOK”って感じ。 しかし、この年(トムと同学年)でワンカットでトムが走る距離ぜってー走れねーし!とか

映画感想『CLOSE/クロース』

原題「CLOSE」 ※『Girl/ガール』のルーカス・ドン監督による第75回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。主演はともに本作が俳優デビューとなるエデン・ダンブリンとグスタフ・ドゥ・ヴァール。   ティーンのトランスジェンダーを主人公に衝撃的なラストを描いた『Girl/ガール』とは異なり、こちらはセクシャリティ自体を描くのでは無くそれに関係する或る出来事から大切な人を失った気持ちを登場人物それぞれの立場で静かに起伏を抑え描かれる叙情的な作品。   失ってしまった要因に苦し

映画感想『1秒先の彼』

オリジナル台湾版は未鑑賞。 楽しかったわ! とにかく全キャラ設定が絶妙に良い! 人生のちょっとした行き違いをクドカンの脚本がドラマチックなラブコメ的に描いてる。言葉も含め京都と言う土地の趣も合ってたと思う。 オリジナルとは違い男女逆転と言う設定らしいが脚本でかなりいじってるんだろうね違和感は全く無かった。 【消えた昨日】と言う謎解きを2方向視点で要点を炙り出す展開&テンポの小気味良さにどんどん引き込まれて何が起こるか読めない楽しさがあった。 とにかく岡田将

映画感想『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』

原作未読。 1作目も今シリーズ前編もこの『東卍vs芭流覇羅の決戦』の為だったと納得できる大迫力の群闘。 その他大勢ではなくオーディションで選ばれた不良共の見せ場として惜しみなく縦横無尽に動くカメラが多角的にシーンを捉え全殴り合いにワクワクが止まらなかった。 最終的に”ただのやんちゃ少年”の或る決断を踏まえた成長譚と言う締め括りはちょっと胸が熱くなったぜ! 元々ロマンス部分は要らない派なので別の道に走るタケミッチにGJマークをあげよう。        (๑•ㅂ•)و ク

映画感想『青いカフタンの仕立て屋』

原題「仏LE BLEU DU CAFTAN / 英THE BLUE CAFTAN」 叙情的で美しい作品だった。 主人公3人が織りなす感情の交錯を飾り立てず純朴さを携えながら描く手法がとても好み。 モロッコと言う国の背景と夫婦間の暗黙の秘密を軸に古びた戒律、不寛容の上に成り立つ不条理な常識、想いの表現に映る世代の差、セクシャリティへの言及などを過多な台詞に頼らず描いていく研磨ぶりが良い。 制約された日常に映し出される人間の感情のぶつかり合いが丁寧に仕立てられるカフタンの