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千葉東天紅

千葉東天紅

千葉の
駅前に
センシティタワー
って
ビルが
立ってた

1000シティ
その
センス
は置いとき

高級な
飲食店は
まもなく撤退していって

東天紅

居酒屋が
上層階に
残った

会合の後の
会食
お呼ばれも
よく
東天紅に行った

円卓料理と
紹興酒
蒸し鶏の前菜
から始まり
最後
チャーハンか
焼きそばで
しめ

紹興酒で
目のまわりが
熱くなって

フラフラと
トイレに立つと

その景色見事
千葉港
全体が
見渡せる

公園のタワーが
夕焼けに
反射する
かくかくした
港岸の図形
巨大製鉄所の
紅白煙突

商工の
一大パノラマ

見渡せた

ひとつ
上か下
居酒屋の方は
個室からそれが見えた

まだ陽の
高いうちから
飲酒が始まり
窓の外は
だんだんに暮れていく
騒がしい席で
すくなからず
その様子に
気を取られていた
できるだけ
苦くも
アルコール臭くもない
やわらかい酒を
飲みながら

義父は
あの製鉄所に
義祖父と
二代にわたって
働いた
直接の
製鉄ではない
電気設備の
畑の人だった

製銑
という言葉をそこで
知った
冷延
熱延
高炉と電炉

ときどき
海が
エメラルドブルー
の染料に
染まった

外国の
同じ新車が
何百台と
同じ屋根を
見せていた

見事だったな
ネクタイを緩めて
首のあたりに
蒸れるものを
感じとりながら

上着を脱いだり
着たりしながら

ろくに話も
聞いてなかった
聞くと
酔いが回ってしまう

あれは
タワーマンションの
上層階と
同じ景色
だったのだろう

改めて書くと
何か
意味を含むように
見える
特にない

東天紅には
こぶしより少し小さい
丸のままの
ザーサイが
いくつも入った
ビニールパックが
売っていた
400円とか
そのくらいで

買ってみたが
塩抜きが
わからなくて
上手く食べこなせなかった
持て余した

中華料理
食べたい

もう味を
忘れかけてる




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