はじめての声優学入門*1時限目「声優さんはマルチプレイヤーだ!」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
さあ待ちに待った(待っててくれた人いるのか?)
声優学入門の1時限目の開講です!
声優を目指す皆さん、もしくはすでにプロとして活動しているけどもう一度初心に帰り改めて声優学を学んでみたいと思ってくれた向上心の塊の皆さん、来てくれてありがとうございます!
これから声優技術を音声学や発声生理学などの科学的知見に基づき紐解いていきます。
僕なりになるべくわかりやすく解説して行きますので
一緒に楽しみ学んでいきましょー!
そして時間を割いて読んでもらっているからには
実際の声優人生に繋がるような実りある講義内容にしたいと思います!
※音声学や発声生理学などの科学的知見が本格的に登場するのは3時限目からになると思います。
さて「声優さん」、「声優さんの技術」と言っても
声優さんってバッターとピッチャーの二刀流どころか
芸能の世界の中で最も守備範囲の広いマルチプレイヤーなんじゃないかって思います。思いませんか?
一体何刀流までされているんだろう!?
まず簡単に考えても「芝居」と「歌」があるわけです。
「芝居」と言ってもその種類は
アニメのアフレコ、外画の吹き替え、朗読劇、舞台、
TVドラマや映画に出演される方もいらっしゃるように多岐に渡っています。
さらにこれらの中でも役によって色々と声の表現が変わります。
そしてそれぞれの作品を担当する監督の演出手法も違いますから
その演出にも対応をしていくわけですね。
「芝居」と分類して良いかわかりませんがナレーションのお仕事も
声優さんのお仕事の代表的な1つですよね。
ナレーションも美術番組とバラエティー番組、CMなどでもアプローチは変わるわけです。
いやー本当にマルチ。
そして歌を歌う事も多いわけですよね
歌に関してもキャラクターソング(略してキャラソン)は
そのキャラクターごとの声で歌い分けますし
楽曲のジャンルもPOP、ロック、R&B、EDM、RAP、
時に演歌など多岐に渡り
キャラソンだけではなくアーティストとしても活動されて歌う方も多いです。
いわゆる音楽の方のミュージシャン、ボーカリストと言われる方は
自分の音楽ジャンルや歌声と言うものがある程度決まっています。
その上で、様々な表現をしています。
楽曲も色々なジャンルに挑戦する方もいますが
声優さんほど声を全く別人に変えて歌ったりする事はほぼ無いのです。
声優さんは声を変えジャンルも様々な上で表現を更に乗せるのです。
1つを極めその上で表現するだけでもとても大変だと言うのに
声優さんは何刀流もプロレベルにできる方もいらっしゃるのです。
当たり前ですが僕には到底できません!(声優さんすごい、ミュージシャンもすごい、プロはすごい!!)
そんな「芝居」と「音楽」に共通し、
どちらでも巧みにできた方が良いのが【感情表現】です。
感情表現とは「感情を演じてみせる事」と言っても良いのではないかと思います。(人の感情表現の理論的仕組みも後々に講義します!)
もしかするとミュージシャンの方の中には音楽はありのままの自分の心をさらけ出しているから「演じてはいない」「演技ではない」と思う方もいらっしゃるかも知れません。
誤解なきよう申し上げたいのは「演じる事=嘘」ではないと言う事です。
僕自身、昔は「演じる」と言う事を何やら「嘘をつく事」と浅はかに思っていた時期があります(恥らい)。
しかし当時演技を指導して頂いた俳優の方から
「演じる」とは必要な際に自分のリアルな感情にアクセスし引き出し、見せる事と学びました。
この学びは歌を歌う時の「感情を込める」と言った理解にも繋がったのを今でも鮮明に覚えています。
素晴らしい俳優、ミュージシャンの方々はそのような技術があると思いますし
故に心を打つのだと思います。
さて今、「演じる事」「演技」と言うワードが出てきました。
この「演技」とは何者なのか?
「演じる技」とはどんな技なのか、について
もう少し「演技」と言う言葉とコミュニケーションを
取って行きたいと思います。
次の講義はこの話からスタートしますね。
1時限目の授業はここまで。
2時限目の授業まで、各自休憩です!