今と違う人生
あの選択を間違ったからといって、今、彼と幸せになっていたとか、付き合えたとかは思わないけど、あの時違う選択をしていれば…ってたまに思い返すことがある。
私は、小学生や中学校の頃は男子と話したり、遊んだりするのが好きだった。女子とは狭く、深く、男子とは広く、浅くというように、友達で考えると男子の方が多かった気がする。
小学校高学年の頃から、周りの女子は言い始める。
「私、彼が好き。ねぇ、応援して」
私は仲の良い女子と男子がくっつくのは賛成だった。だから、人の恋なら応援するし、努力も出来た。
でも、私はどうだろう。男子とそういう仲になりたくない。元からおじさんとか年上が好きというのも関係しているのかもしれないが、私は男子とは仲良く、友達のままでいたかった。
男女の友情はあると思うし、友情を壊すより、このままで何も考えず楽しく生きていたいと思っていた。
…だから、私はあの時、自分の気持ちに気付いていなかった。
中学校に入ってから、初めて出来た男子の友達。小学校の頃から仲の良い男子に紹介された。
すぐに仲良くなった。面白かったし、話が合った。席も4回くらい隣になった。
私たちは、係が一緒で、部活をサボりたいって気持ちもあって、ある日、2人で教室に残って、一緒に仕事をしていた。
部活が終わるまで、だらだら喋って楽しんでいた。
外は暗くなって、部活も終わる時間、私たちは帰ることになった。
彼は、遅いから送っていくよと言ってくれた。でも、私はなんだか申し訳なさとか、謎の恥ずかしさとかがあって、いいよって凄い断ってしまった。
その恥ずかしさは恋だったんじゃないかなって、数年後に気付いた。
彼とは、1年間仲は良かったものの、たぶん縁というか、そういう恋に発展する運命ではなくなったんだと思う。
席が隣になることはこの後無かったし、クラスももう一緒にはならなかった。
私は自分に自信が無いのも原因だと思う。自分は可愛くないから、彼らの恋愛対象ではないから。そういう安心のもとで接しているから、私は彼らに恋愛感情を抱いていても気づかないし、逆に何とも思っていなかった友達から恋愛感情を向けられると気持ち悪いと思ってしまう。
その後、もっと仲の良い男子に会うこともあった。趣味もあって、その人とも毎日のように授業中ずっと喋っていて、席が何度も隣になって。でも、彼には彼女がいた。恋愛感情を向けず、仲良くしてくれる彼が友達として好きで、離れてから恋愛の好きだったのかもと気づく。
彼に一度、好きな人いるのと聞かれたことがあった。でも、その時は仲の良かった20以上も離れているお店の人が好きだった。数年後、そのお店の人と会わなくなってから気づいた。私は絶対に恋愛感情を向けて来ない安心感を好きと思っていたんだってことに。
私は、後悔している。いくつもあった選択肢を間違え続けている気がするから。たまにふとしたときに思い返す、寂しくなった時に思う、あの時違う選択肢を選んでいればと。
今も、恋愛は怖い。友達なのに、恋愛感情を向けられ、その友情が壊れてしまうのが怖い。
あの選択を選ばなかった過去が心のこりではある。でも、もっと私に合う人が現れた時、選択肢を間違わないための経験だったのかなと思うようにしている。
その時は、心のこりにならないように、恥ずかしがらず、その人と向き合いたいな。