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雉鳩の鳴き声

うちのあたりにも頻々と顔を出す、あの鳴き声の主、あいつはヤマバトなのかキジバトなのか。どちらが正式名称なんだろうなと気になった。暇を生業とする人の考えることはおよそ世の役に立つところに向かわないものです。して、検索したところ、キジバトがオフィシャルだということを知る(wikipediaで)。ふむふむ。だからなんだってことではあるけれども。
んで、まあ、ついでにつらつらと読んでいったところ、鳴き声を採譜したものが載っているのをみつけた。えらい人がいるもんだ、と一瞬は思った。なんだけれども、これ、私が思っているのと全然ちがうじゃん。1mmも納得できないぜ。
9/8拍子、つまり、三拍子系で書かれているところからして違和感の塊なんだけれども、カタカナで振られているのが「クーク グッグ グー」となっている。その「ク」や「グ」という表現にもちいとも馴染めない。私の中では「ポ」であります。「はとぽっぽ」を思い出してくださいませ。まあ、しかし、50歩ほど譲って、それは良しとしよう。それより何より問題なのは数じゃよ。君にはあれが5音に聞こえとるんか。まじか。わしゃ、4音だと思って生きてきたし、いま狭い庭に出て腰に手を当て仁王立ちで連中の囀りにしばし耳を傾けて確認したが、やはり4音にしか聞こえない。どういうこっちゃ。
まあ、まあ、何事も人それぞれですよ、そんな些細なことに拘らなくもよろしいじゃないですか、ははは、みたいに思う広量な人柄の御仁が登場して穏やかにまとめようとしてくれるかもしれないけれども、これに引っ掛かるのには訳ありなんでござんす。お控えなすって、お控えなすって。
ミヤザキナオコの1stアルバム、アレンジに関してはむらたつとむと私とで概ね半々ってな感じで分担したんですが、私が担当した中に「鳩」って曲があるんですよ。これもいい曲なんで聴いてみてください。というか、『雪に埋もれた空港で宇宙船を待っていた』というアルバム自体名作なんで、アルバムごとよろしくです。できれば、CDでお買い上げくださいませ。
なんて、宣伝をぶちこんでいますが、その「鳩」の冒頭、私は当時住んでいたセカンド地元のキジバトの声をフィールド・レコーディングして使っているんです。当時、TASCAMのハンディレコーダを持ってあちこちうろついていて、怪しいやつだと思われていたんだろうなあ。最近、越してきたあそこのお宅、ございますでしょ。そうそう、あの階段を上がって入るお宅よ。あちらのご主人、お仕事してらっしゃらないんでしょうね、昼間から黒い器械を手に持ってうろうろにやにやしているのよ。いやあね、ちょっとねじが緩んでいる方なんじゃないかしら。奥様、通報する方がよろしくありませんこと?……などと久我山の上流マダムの間で話題になっていないといいのだが……。
なんて、またとっちらかりましたが、私が録音した鳴き声は三拍子系などではなく8/8、エイトビートのイメージで、それをループさせて、鳩の鳴き声からそのままイントロのピアノに繋がっていく仕掛け。
……というのをやっていたからなんです。なので、すんごくひっかかるの。

わぁわぁ言うとるだけではナニなので、私の耳にはこんなふうに聞こえておるんじゃよというのを、譜面にしてみました。ご笑納ください。自然界のサウンドを12音階で完全に表現するのは不可能なのでそこそこの精度止まりなのはご了承くださいませ。トップの画像に貼ってあります。

ちなみに、往々にしてドバトと呼ばれている、一般的にそこらで見かけるオーソドクスな鳩の正式名称はカワラバトだそうですよ。漢字でいくと瓦じゃなくて河原ね。屋根の上にいるっていうより河原にいるイメージなんでしょうかね。

そんなこんなで、本日は敬称略でお送りしました。

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