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「レーザー技術で世界に挑戦する品格あるベンチャー企業」後編 株式会社NISHIHARA 代表取締役 中山 孝良さん

本記事は2017年に対談したものです。情報はその当時のものですので、ご了承ください。

▶前編から続く

●enmonoとの出会いについて

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宇都宮:はい、前半色々とレーザー技術に関して話を深めてきましたけれども、後半はなぜ我々がここに収録に来ていて中山さんと気軽にお話しができるのかなというあたりをちょっとお伺いできればなと思います。enmonoに知り合ったのは千葉のセミナーでしたよね?

中山:そうです。

宇都宮:2013年ぐらいですよね?たぶん。

中山:ぐらいですかね。三木さんが講習に来てましてクラウドファインディングを行われて…

宇都宮:それは見に来れられてたんですか?

中山:はい。

宇都宮:それは何か関心があって行かれたんですか?

中山:千葉県産業振興センターというセンターの方が「非常におもしろい内容の講習があるので見に来て参加してください」と言うので見に行きました。

三木:おもしろかったですか?

宇都宮:おもしろい?だまされたって感じじゃなかったですか?つまんなかったんじゃないかって(笑)

中山:いえいえ(笑)、もしつまらなかったらその後関わらないと思いますけど(笑)これだけ関わってるということは非常におもしろかったということで。

宇都宮:どの辺が中山さんのつぼにはまったんですか?

中山:やっぱりつぼっていうのはモノづくりの原点を見た感じがします。実際に(zenschool3期生の)秋山さんの商品(くるくるパンプアップ)とかを見て、何でこの商品ができたのかというコンセプトみたいなものを聞いた時に、またそれに合わせてこういう手法がある、その時にクラウドファンディングという手法があるというのをお聞きして、「あ、こういうことができるんだ」ということを思いまして、非常に興味を持ちました。

三木:ありがとうございます。

宇都宮:その後銀座でお会いしましたよね?

中山:そうですね。はい。

宇都宮:銀座のコワーキングスペースで。よろず支援拠点の方に連れて来られて。

中山:はい。そうです。「ぜひ発表会が近くであるので来てください」ということで見に行って、その後第10期生になりました(笑)

宇都宮:(笑)ありがとうございます。発表会はどんな感じでした?見に来られて。

中山:色んなジャンルの方が色んな角度から商品化をするにあたって真剣に討議をしているというものに関しては非常に感銘を受けました。

宇都宮:でも色んなところでやってるはずじゃないですか?そういう新商品開発とか新製品を生み出そうみたいな集まりは結構色んなところであったりする気がするんですけど。

中山:ただ、私が知ってる範囲であれだけ色んな技術屋さんとかジャンルの違う方が集まる集まりで、なおかつフリートークのような形で色んな…

宇都宮:(笑)雑談とも言いますけど(笑)

中山:やっぱり話せるっていうのがすごく大切だなと。そういった意味では非常に良かったと思います。

宇都宮:自分も関わりたいなっていう感じが。

中山:そうですね。

●zenschoolの受講とそこで得られたこと

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宇都宮:zenschool自体はどうでしたか?1日12時間っていう…

中山:奇抜というか、こういうことをこういう角度で考えるっていうのは、今までたぶん自分の中ではそういうふうに思ったことは1回もなかったですね。

宇都宮:そうなんですか?でも中山さんの中から出てきたアイデアであり言葉であり、僕らが何か植え付けたわけじゃないですもんね?

中山:そうですね。その通りだと思います。

宇都宮:そういう人だったわけじゃないですか?ご自分で出てきた言葉は?

中山:そうですね。だから自分で見る自分って思った以上に違うんだなっていうのを感じました。

宇都宮:普段あんまり見ないですかね?そういうのって。自分自身の…

中山:たぶん勝手に自分で自分を決めつけてしまうっていうのがあったり、そのほうが楽というのもあるので(笑)こうだからと思うんですけど、特に自分の深層心理というか底の中にあったものが何なのかというのは意外と考えてるようで考えてないっていうのがあって非常に勉強になりました。

宇都宮:自分の中を見つめて底から出てきたものと向き合うとどんな感じがしました?

中山:とても恥ずかしいですけど、今でもあんまり言えないですけどね。自分の出た結論がこういうのって(笑)

宇都宮:でもそれってエネルギー源だったりするわけじゃないですか。本来は。

中山:間違いなくそうだと思ってます。

宇都宮:それがあって今の自分っていうのが…表に出てる部分が対になってると思うんですよね。そこがやっぱり元気じゃないと外に出る部分もたぶん元気なくなると思うんですけど。

中山:一般的に言われている会社がダメになるっていう一番の理由が、社長さんが病気になるということ。元気じゃなくなっていくということが周りに対する影響がすごく強くなるという意味では、やっぱり社長さんが元気じゃなきゃいけないというのだけは確かだなと思ってます。

宇都宮:中山さんも元気にされてますし(笑)

中山:たぶんそのschoolに参加するといった時に、自分の中に結構迷いがあったっていうのは確かだなと思うんですね。

宇都宮:迷いっていうのはどういう?

中山:自分が本当に何を作りたいのか、どういうことを目指していきたいのか、会社をどういうふうにしていきたいのか、そういうことに対しての悩みだと思いますね。

宇都宮:zenschool受講するあたりはそういう迷いがあったんですか?でも自社製品も作られてたし。

中山:ただ、zenschoolに行って卒業してから業績が伸びてますから。

三木:不思議なことに。

宇都宮:(笑)気が出てるんですね(笑)

三木:オーラが(笑)

中山:たぶんそこの中で、自分で気がつかない何かが動いたというのがあったかなと。

宇都宮:僕らも合理的に説明できないんですけど、卒業生さんとフォローアップとかしてお話してると本業忙しいっていう会社が多いんですよね。なぜか。

三木:ほとんどが業績上がってますよ。

宇都宮:やっぱり社長が元気になると変わるんですかね?雰囲気が。

中山:そうですね。一緒にやった仲間もそうですけども、病気になるって一カ所に焦点が定まってきて「いや、これだともうどうしようもない」っていう…

宇都宮:選択肢がないっていう?

中山:そうです。「えっ?こういう考え方もあるんだ」「ああいう考え方もあるんだ」「今まで自分は何を考えてたんだろう」っていうのは…

宇都宮:あり過ぎますけどね(笑)色んな方向性が。それがまた期を追うごとに広がり方も輪をかけて広がってきてる(笑)

中山:でも本当にそんなふうに思います。だから自分で何か迷った時に、「あー、schoolでは○○だったな」って思って、あんまりここで考え過ぎないようにしようということは思ってますね。

宇都宮:じゃあzenschoolはお役に立ってたわけですね?

中山:個人差はあると思うんですけど、私自身は非常にためになったというふうに思ってます。

宇都宮:これは別に言わせてるわけじゃないので。中山さんの本心ですので。個人差はありますけど、僕らもありがたいです。その言葉を聞けて。

中山:そうですね。色んな方と関わる、色々な考え方があるということを知るというのはすごく大切だなということと、あと自分のやりたいものがこれだとはっきり分かった時に、その時間を作るために仕事を一生懸命先に終わらせようとかそういうふうに考えていくと、目標は自分なりに持っているにしても、1日の使い方とか1ヵ月の使い方の中で自分の時間を作ろうというのはすごくいいことだと思っています。

宇都宮:時間は有限ですからね。やりたいことが明確になるとその時間を作らなきゃいけなくなるじゃないですか。

中山:そういうふうに思いますし、集中した時間に…

宇都宮:12時間っていう(笑)…

中山:というふうに考えると、たかだか1時間2時間何かに束縛されたとしても、忍耐という意味では…

宇都宮:これをやりたいから今これを頑張ってるんだっていう何か自分の中で折り合いがつくんですかね?

中山:そうですね。私自身はそうです。

三木:あと同期とのつながりはどうでした?

中山:第10期がそうなのか、非常に個性が強い方が第10期は集まったと思っております。

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三木:毎回個性はすごいです。みんなそれぞれ違うということで。

中山:他の企業とお会いしたのがないので分かんないですけども、第10期は非常にユニークな方が多かったです。もっとサポートしたいとか一緒にやりたいというのは思うんですけど、非常に自分自身を持ってる方なので、それを見ながら自分も頑張りたいって思います。

三木:お互いに頑張るといいですよね。

中山:はい。そう思ってます。

宇都宮:また発表会にも来ていただくと他の期ともまた色々つながれますし。

中山:そうですね。色んな方ともっともっと本当は交流したいところがあるんですけれども、今本業のほうがちょっと…

宇都宮:新生NISHIHARAとなって今年はいく年なんですね?

中山:そうですね。売り上げがzenschoolに入った時の2.5倍…

三木:すごい。それはもう成果として。

宇都宮:すばらしいですね。じゃあ責任も2.5倍になってますよね(笑)?お客さんがそれだけいるってことですか?

中山:はい。そうですね。

三木:何で2.5倍になったんですかね?謎ですか?

中山:不思議ですね。でも今年もおかげさまで順調で、前期は間違いなく上回るというところまできました。

宇都宮:資金繰りもやりやすくなるじゃないですか?事業計画作っても。そうすると別に銀行さんを頼らなくても直接投資もあり得ますし、事業会社ともっとがっつり組んでくってやり方もあるでしょうし、夢は広がりますね。

中山:広がりますし、どんどん仲間を増やしていきたいと思いますね。

●株式会社NISHIHARAの未来像

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宇都宮:中山さんとかNISHIHARAとか今思い描いている未来像って何かありますか?

中山:あります。東京オリンピックまでに自分のやりたいものをちゃんと形として出していくということと、今の売り上げの同じく2.5倍ぐらいに持っていきたい。

三木:2.5×2.5は何倍ですか?7倍ぐらいですか?

宇都宮:それは目標ですけど、もう少し抽象的な部分でいうと何か想いはあります?それを達成した上でどうなってるといいなみたいな。

中山:具体的な計画はあるんですけども、最終的に自分が持っていきたいっていうのは生涯現役というか、最後までエンジニアとして自分でこういうモノを作りたい、もしくはここの部分のこういう部分に対してしたい…

宇都宮:じゃあ隠居はしない(笑)?

中山:しないですね。会社は経営するかもしれないですけど、エンジニアとしてはずっと現役を続けたいと思います。

宇都宮:でも技術どんどん進化するから楽しいじゃないですか。しかも電子だけじゃなくてメカもそうだし、あとウェブみたいなほうもテクノロジーもどんどん進化するし、通信系とかも。そうするとますます足りなくなるじゃないですか。色んなやりたいことが増えて。

中山:そうなんですけど、自分はここをやってここの部分はこっちにお願いするとか、仲間が増えてくれば十分できることだと思っておりますので。

宇都宮:デザインが必要だったら西村(西村拓紀デザイン)さんっていう(笑)

三木:超かっこいいデザインが。

中山:そうですね。そういうところとやってモノを作り続けたいというのはありますね。

三木:すばらしい。

●マイクロモノづくりについて

宇都宮:僕達の考え方でマイクロモノづくりって言ってるんですけども、企画、製造、販売までのモノづくりって楽しい部分と大変な部分ってあるじゃないですか?その辺はどうバランスを取られてます?

中山:結局自分で思うモノづくりは登山のようで、苦しむけど一回頂上に登った人は登山をもう一回やってみようというのと同じで、作るのは大変なんだけどできあがった時の喜びを…

宇都宮:お客さんがちゃんと喜んでくれて。

中山:そうですね。特にお客さんに喜んでもらうということを味わうと、また次作ってみようと思う。

宇都宮:一度はちょっと辞めようと思う時もあるじゃないですか(笑)?またちょっと元気になったら次やろうみたいな感じなんですかね?

中山:そうだと思いますね。体調とか色々ありますけど、でも結局最後には好きだからっていうことになるんじゃないですかね?器用であればこれがダメならこれってなるんですけども、自分の場合はもうこれがなかったら終わっちゃうというイメージがあるので、もうそれにしがみついていくしかないかなという考え方でモノを作ってきた。

宇都宮:でもネガティブな意味じゃなくてですよね?それはそこに専念することによって何か得られるものがあって、そこをやることが楽しいからやってるのもあるじゃないですか?たぶん奥さんから何してるか分かられてないと思うんですけど、ご自身は楽しくてやってるのもあるじゃないですか?

中山:よく言われます。

宇都宮:そうですか(笑)?よく言われるんですか?

中山:社員からも「それ社長の趣味ですよね」って(笑)

一同:(笑)

中山:何度か言われました(笑)

宇都宮:そうなんですか?結構シビアですね。「いずれそれをビジネスにする」って言い訳をしておけばいいんじゃないですか?

三木:あと業績も上がっているわけだから。

中山:自分のやりたいことはまだ結果が出てないですけど、新しいのがどんどん出てきますし、そういうものをどんどん吸収しながら入れていくということをやっていければなと思います。

●enmonoに望むこと

宇都宮:せっかくこうやって知り合えた我々に何か望むことってありますか?enmonoさんこうだったらいいなとか。

中山:私も卒業生として発表会っていうのが1つの区切りになるかなというのはあるんですけど、それとはまた別にぜひ企画して1回集められるだけを集めて本当にフリートークで楽しい時間で色んな人と何周年記念パーティーみたいなものをやって、そこで交流をやってまた名刺交換をして…

三木:ちなみに同窓会を今企画してるので。zenschool友の会っていう…

中山:そうですね。

宇都宮:水天宮前の白い部屋に詰め込もうかなと思ってるんですけど(笑)貴重なご意見をありがとうございます。それはぜひやりたいと思います。

中山:卒業生というかzenschoolを出た方ともっと交流をしたいという意思はあるんですけど、なかなかきっかけがなかったりとかそういう場がなかったりというのがちょっとあるので。

三木:大丈夫です。作りますので。企画中です。

宇都宮:中山さんが10期生になると、今17期生の発表会をやるぐらいまできてますので、また濃い感じがするので毎回楽しみに…

中山:そうですね。溶接関係を色々とご相談いただければ。うちは精密しかやってないんですけども。

●中山様の考える「日本の○○の未来」に対する想い

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宇都宮:最後に今までのゲストの方にお聞きしている質問があって、中山さんの「日本の○○の未来」、○○は中山さんの関心事でいいんですけど、もしあれば大放談という形で放っていただければなと。

中山:私自身溶接の最前線を色々な形で見させてもらっています。やはりすごい技術がどんどん出てきてどんどん洗練されてるというイメージがあって、モノづくりがどんどん進化していると感じています。個人的に何かをやっていくっていうのは、ファッションとかよほどの何かのモノを持ってる人は違うのかもしれないですけど、自分達みたいなコツコツやるような技術屋さんってなかなか日の目を見なくなってきつつあるので、やはりもっと仲間を大切にして自分たちのグループで何かを作っていくということはより大切なんじゃないかなというのはすごく感じますし、2020年というのを一つの区切りとして、その景気に乗れるか乗れないかをここ2、3年で頑張らないといけないかなと。その先はたぶん逆に落ち込む時期が来た時に、その自分達の仲間とかの大切さが非常に身に染みて分かるような時が来ると思ってますので、景気が良いから仲が良い、景気が悪いからじゃなくて、今ある人達と良い時も悪い時も乗り切れるような…

宇都宮:目的を共有できてとか?

中山:そうですね。そういう仲間を今から見つけたいなと思ってます。

宇都宮:zenschoolも一つのコミュニティみたいなものですし、中山さんもHYEP(ヒュープ)とか運営されてますし。

中山:そうですね。どっちの会社、どこの役職の人とかそういうことではなくて、この商品に興味があるねっていう人達が集まってくるような場があれば、自然とそういう仲間って出てくるんじゃないかなと思ってます。

宇都宮:ありがとうございます。

三木:ありがとうございます。

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