AIができること、超ざっくりまとめ:実行編【中学生にもわかるAIの話】
「中学生にもわかるAIの話」を読んでいただいてありがとうございます。
AIでできることを4つのジャンルに分けて紹介するこのシリーズもいよいよ最後の実行に辿り着きました。
ちなみに、AIでできることの4つのジャンルはこちらです。
・分類
・予測
・識別
・実行
前回、識別というジャンルの説明の中で、「コンピューターに目が発明された。」という趣旨の話と合わせて、以下のようなことを書かせていただきました。
リアル・オブ・リアルなAIそれが実行
実行は、物体の動きを制御するAIの活動全般を指すジャンルですので、実行こそまさに、屋外やリアル世界にAIが進出してきた分野でもあります。
では、具体的にはどのようなケースがあるのか実際の例で見て行きましょう。
ケース1:ドローンの自動制御
ドローンは通常、人間がコントローラーを使って操縦します。コントローラーに映るカメラで確認しながら安全に操作することが求められます。
しかし、ドローンが人間の操作ミスで落下したら危険ですし、強風に煽られて建物などにぶつかったりしたら損害が生まれてしまいます。
そうならないようにドローンには自動制御が働きます。建物に一定の距離以上に近づかないようにホバリングしながら上空に停止したり、強風時にも自らバランスを取って安定させます。
さらに、目的地を事前に入力することで、人間がコントローラーで操作せずとも離陸し、目的地に到達することも可能です。
ケース2:車の自動運転
先ほどは空のケースですが、今度は陸のケースに。
車の自動運転も実行というジャンルのAIの代表例です。
市街地には予期せぬ出来事がたくさん潜んでいます。
急に物陰から子供が飛び出してきたり、道路を塞ぐ停車中の車などあらゆるシーンが想定されます。
すでに紹介済みの予測や識別というAIの能力もフル活用しながら、自動運転が実行されているのです。
ケース3:ロボットによる工場作業やデータの入力代行
工場内では、今まで人間が作業していた工程をAIロボットに置き換えるシーンが増えてきています。
工場の生産ラインを流れてくる部品を、上手にロボットアームがつかみ、他の部品にはめ込んだり、組み合わせたり。形の不揃いな製品を不良品として生産ラインから取り除いたり。
また、データ入力業務も、ロボットが一つ一つの製品に含まれた情報や内容をキャッチしながら臨機応変に対応する。なんて活躍もございます。
AIロボットと従来型ロボットの違いは、臨機応変な対応が可能な点です。形の不揃いや、バラバラの向きの製品を同じ方向に並べ直したり、その時その時の状況を判断してAIによる実行が行われることが特徴です。
このようにAIのジャンルの最後に紹介した実行は、かなり高度な技術が求められますが、いままで人間が行なっていた複雑で危険な作業を代替えしたり、人間では維持できない・実現できないような精度や水準の作業を行ってくれたりする非常に頼もしい分野であります。
AIができること4つのジャンルに関しては以上になります。
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