全裸不動産

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全裸不動産の全裸1号です。都内で不動産会社を経営しています。得意ジャンルは不動産投資です。 本ブログは全裸1号と影武者の全裸幡随院が記事を書いております。

最近の記事

自分で捕まえた亀は、自分で食べよ

(全裸不動産 全裸幡随院) ラテン語の諺に、‘Ipsi testudines edite, qui cepistis.’というものがあります。「自分で捕まえた亀は、自分で食べよ」という意味です。 その由来はこうです。ある時、漁師の集団が亀を山ほど捕まえました。亀を調理し、みんなで食べてみると、どうもまずい。そんな時、メリクリウスという女神がたまたまそこを通りがかりました。漁師たちは、メリクリウスを食事の席に招き、亀をふるまいました。 しかし、自分が残飯処理のためだけに招

    • 暴落への備え

      (全裸不動産 全裸幡随院) 1929年10月28日のニューーク証券市場において、ダウ平均株価が13%も下落するという記録的な株価崩壊が起きました。「この事件が世界恐慌の引金になった」と世界史の授業でも取り上げられほどの有名な事件ですから、御存知の方も多いはず。 一方、これも有名な事件ですが、1987年10月19日の、いわゆる“ブラックマンデー”においては、ダウ平均株価が22.6%下落し、S&P500先物は29%下落しました。世界のトレーダーを大きな混乱に陥れ、中には一夜に

      • VUCAとタレブ

        (全裸不動産 全裸幡随院) さほど有名な言葉とまでは言えませんが、投資に関心のある層の中では比較的知られている言葉にVUCAという言葉があります。これは、 (1)Volatility(変動性) (2)Uncertainty(不確実性) (3)Complexity(複雑性) (4)Ambiguity(曖昧性) の頭文字を取った造語で、目まぐるしく変化する現代の不確実で予測不可能な様相を指し示す言葉です。ところが、この“不確実性”について、漠然とした理解しかされていないように思

        • コストプッシュ・インフレ

          (全裸不動産 全裸幡随院) 世界的なインフレ懸念を受けて、各国の株式市場が足踏みしているような状態です。通常は、物価が上がると、その分株価も上昇する傾向にありますが、インフレによる業績への悪影響に対する懸念から、成長期待の高かった銘柄にはかえって下落圧力が加わります。このインフレは短期収束するか、それとも長期継続するのか否か。仮に、スタグフレーション(不景気下でのインフレ)のようなことにでもなれば、株式市場は長期低迷への向かうことになるかもしれません。 米経済は、賃金が物

        自分で捕まえた亀は、自分で食べよ

          回顧 安倍外交

          (全裸不動産 全裸幡随院)   7月8日の昼頃、奈良県の近鉄大和西大寺駅北口で参院選の応援演説中だった安倍晋三元内閣総理大臣が背後から銃器のようなもので撃たれ、数時間後、同県内の病院にて逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。 事件を報じるニュースが世界各国で速報され、逝去の報が流れるや、各国の首脳が哀悼の意を表するなど、その存在感の大きさが伺われます。凶弾に倒れたということも手伝っているのかもしれませんが、一昨年の夏に、首相を辞する旨を表明した時も、CNNやBBCでは、

          回顧 安倍外交

          新築ワンルーム投資が、なぜダメだと言われるのか?

          (全裸不動産 全裸幡随院) 不動産投資は、金融機関の融資姿勢の変化など様々な要因によって、以前のような過熱ぶりこそないけれど、しかし不動産投資に関心を持つ層は依然として少なくありません。不動産価格はボラティリティが比較的小さい、また急激な変化に晒されるようなこともない、事前の準備さえ怠らなければある程度のリスクを回避すること可能な投資です。しかし同時に、業者に勧められるがまま物件を購入して事足れりというほど甘いものでもありません。 “不労所得”だの、“FIRE”だのといっ

          新築ワンルーム投資が、なぜダメだと言われるのか?

          インフレと株価と不動産価格

          (全裸不動産 全裸幡随院) 株価と不動産価格の間に直接的な関係が存在するか?今のところ、両者の直接的関係が存在することを示す統計的根拠は見出されていないようです。米国では、中長期的な傾向として、中古住宅販売価格の中央値とS&P 500指数の年終値の双方が上昇傾向にあることは確かなのですが、それが株価指数と不動産価格との因果関係を示しているとは言えません。両者とも別の要因によって上昇傾向を示しているだけのことであって、両者の直接的な関係があるとは限らないからです。 ともかく

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          円安とアベノミクス

          (全裸不動産 全裸幡随院) 全体的に円安傾向が継続しています。米ドル/円相場は4月下旬に、1ドル=130円台をつけ、6月22日には遂に24年ぶりの高値更新となり、136円後半までドル高円安が進行しました。 緩和維持を決めた6月17日の日本銀行の政策決定会合後の記者会見で、黒田東彦総裁は「コロナ禍からの回復がまだ途上の経済を下押しするリスクがある」と述べました。少し前、黒田総裁は、円安は日本経済にとって必ずしも悪いわけではないと発言し、大規模金融緩和を維持する方針を変更しな

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          金融機関による土地の積算評価

          (全裸不動産 全裸幡随院) 金融機関が不動産を評価する際に用いる方法は、金融機関ごとに微妙に異なります。主として積算評価を重視つつ、そこに収益還元の考え方を加味して算定する金融機関もあれば、その逆という金融機関もあります。 更に、積算評価を重視するといっても、金融機関独自の補正をかけて適正な評価を下そうとしますので、積算重視だからといって積算価格を出しておしまいというわけには行きません。 いずれにせよ、全ての金融機関で統一的に用いられている評価方法は存在しない。とはいえ、

          金融機関による土地の積算評価

          コロナ禍と企業買収

          (全裸不動産 全裸幡随院) コロナ禍がまだ収束する様相を見せていない中、これまでに金融機関から調達した借入期限が到来する企業や、コロナ関連融資の据置期間が終了して返済が始まる企業が、再び資金繰りに困窮し始めるかもしれません。 そうした中、海の向こうからは、一昨年あたりから気になる動きが見られました。コロナ禍により世界的に企業倒産が増え、破綻もしくは破綻予備軍の債権を買い取るファンドの組成が、これを予期して急増したということです。1990年代末のアジア通貨危機や日本の金融危機

          コロナ禍と企業買収

          “借地権価格”の算定

          (全裸不動産 全裸幡随院) 不動産取引を何度も経験している人でも、底地や借地権の取引についてはよくわからなくて手が出せないという人が多いかと思われます。不動産取引に従事する業者でさえも、底地や借地権の価格となると、その算定根拠がよくわからず、価格はあってないように感じるからから敬遠しているというところも見受けられます。ところが、底地や借地権の取引には独特の難しさがある反面、上手く“料理”すれば投資妙味がある取引となりえます。そこで、この馴染みの薄い“借地権価格”の評価方法を、

          “借地権価格”の算定

          価格と価額-どう違う?

          (全裸不動産 全裸幡随院) 不動産取引にかかわらず、およそあらゆる場面で“価格”という表現が用いられることもあれば“価額”という表現が用いられることがあり、一体この両者はどう違っているのだろうかという疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。違いを意識することなく適当に“価格”あるいは“価額”を用いている人もいれば、自分なりの違いを意識して両者を使い分けて用いているという人もいることでしょう。 土地の値段についても、あるときは“価格”、あるときは“価額”と表記されていたりしま

          価格と価額-どう違う?

          中古マンション投資の注意点

          (全裸不動産 全裸幡随院) 国土交通省が年間30万件の不動産取引をもとにして不動産価格の動向を指数化した“不動産価格指数”があります。2010年平均を100とした上で、指数の推移を見ると、2021年の時点で、住宅は総合で125の数値を示しています。 これを細かく分けて見ると、戸建住宅の価格が109、住宅地の価格が106となっているのに対して、区分所有マンションの価格は173という驚異的な伸びを示していることがわかります。2013年から一貫して右肩上がりに上昇しているのです。

          中古マンション投資の注意点

          MMTに対する賛否を論じる前に前提としておくべきこと

          (全裸不動産 全裸幡随院) 数年前、日本でも、「現代貨幣理論Modern Monetary Theory」に関する一般読者向け書籍がベストセラーとして躍り出たことがありました。これは、日本国内で特に根強く残っている「財政破綻論」に対する反駁の書として受け入れられたからかもしれません。日本は、歳出を補うだけの歳入が不足する事態が慢性化しており、その不足分を赤字国債を発行することで糊塗をしのいできました。 政府債務が巨額に膨れ上がる赤字財政を危惧する声の一つに、「このままでは、

          MMTに対する賛否を論じる前に前提としておくべきこと

          いわゆる「事故物件」の賃貸における注意点

          (全裸不動産 全裸幡随院) 賃貸不動産を所有している賃貸人(いわゆる「大家さん」)の中には、賃貸に供している部屋などで賃借人が自殺してしまった場合や他殺事件が発生した場合、あるいは事件性はないのだけれど人が部屋の中で病死していた状態で発見されたなどといった場合に遭遇したという経験を持つ人は意外に多いように思われます。 いわゆる「事故物件」の扱いについて事後どうすればよいのか、賃貸人だけでなく不動産仲介業者でも色々と迷うケースがありあす。というのも、画一的基準はないのに場合に

          いわゆる「事故物件」の賃貸における注意点

          持続化給付金と課税

          (全裸不動産 全裸幡随院) ここ最近、持続化給付金に絡む詐欺事件が次々に検挙されていますが、昨年にも一時期、詐欺容疑による逮捕事案が相次いだことが思い出されます。以前に経済産業省の若手官僚が逮捕される事件がありましたが、今度は、現役の国税局職員や元証券会社やコンサルタント会社の人間が立て続けに逮捕され、世間に衝撃が走っています(昨年も行政書士が逮捕される事件がありましたね)。特に、現役の東京国税局職員が関係する事件は大きく報道でも取り上げられているところです。 新型コロナウ

          持続化給付金と課税