Logistics DX SUMMIT 2023にて、安田倉庫株式会社様よりZenpnort活用による業務効率化事例をご紹介いただきました
3月2日(木)に開催された国際物流のリーダーが集うオンラインカンファレンス「Logistics DX SUMMIT 2023」にて、安田倉庫株式会社様よりZenport活用による業務効率化事例をご紹介いただきました!
安田倉庫株式会社様は倉庫業・国内国際輸送を中心に、ITキッティング等多様な業務を行っていらっしゃいます。コロナ及び国際輸送の混乱により、人材確保と業務の見える化に課題を感じていらっしゃっており、課題解決のためDXを活用する新たな取り組みに挑戦。その一環で、Zenportが役立てるとご判断いただきご利用を開始いただきました。
安田倉庫様のみならず、一緒にZenportをご利用いただいている荷主様からも、「メールが8割減った」など業務改善の効果を感じていただいています。
先日のオンラインカンファレンスでは、「DXを活用した貿易事務効率化への取組」と銘打ち、安田倉庫 国際営業部長 日比野様、国際輸送センター所長 山田様、Zenportを一緒にご利用いただいている荷主様であるジョンソンヘルステックジャパン株式会社 松尾様、並びに弊社太田をお招きいただき、Zenport導入に至った背景や、業務における効果などのパネルディスカッションを行いました。
今回の記事では、DXを活用した新しい取り組みに取り掛かられた背景、当時安田倉庫様が感じられていた課題、Zenport導入による効果、お客様からの実際の声などを、パネルディスカッション内容に触れながらご紹介いたします。(安田倉庫様セッション動画:https://www.youtube.com/watch?v=wD5a8IQlRoI)
※本文では敬称を省略して記載させていただきます。
コロナ&国際輸送混乱で業務負担と人材流出増。
~DX活用による業務の見える化と関係者とのコミュニケーション改善を狙った~
2020年からコロナにより国際輸送が混乱し始めた頃、多くの企業同様、安田倉庫としても在宅勤務を余儀なくされた。しかし、乙仲業務は関係当事者が多種多様で電話・メール・FAX等コミュニケーションツールが混在しており、荷主によってもコミュニケーション媒体がバラバラであることが常。
リモートワーク体制が続く中、いくつか課題が浮き彫りになった。
まずは、リモートでも可能となる業務プロセス改善が求められたこと、それに加え国際輸送の混乱で担当者の業務負担、かかるプレッシャーが増大していき人材の流出が起こったことだ。不安定化した国際輸送の状況下、在宅でいくつものコミュニケーションツールを使って、変わる輸送状況を追い顧客への連絡する頻度と量が膨れ上がったのだ。
「同業の方ともお話しするのですがどうしても属人化傾向にある業務なので、突然退職者が出ると同様のサービスレベルを初日から維持していくことは難しい。」と、人材確保と業務の見える化が喫緊だったと安田倉庫 国際輸送センターの山田所長は語る。
スタートアップ企業が中心になり次々と貿易関連DXプラットフォームの開発が進展する中、安田倉庫は日比野部長、山田所長が中心となりDXを活用した取り組みで課題を解決しようと決意。「関係者とのコミュニケーションツールの改善と、業務標準化・見える化」をテーマにプロジェクトを立ち上げ、まずはゴールを設定せず業界内動向のスタディを開始した。
一年ほど経ったあと、Zenportに出会った。
Zenportはサプライチェーンにおいて非常に重要な納期情報を核として、輸出入者、物流業者など関係者をつなぐプラットフォームを提供している。従来手作業で行われていた納期情報を作るためのデータ連携、分析、見える化・共有プロセスを全て自動化し、その上で発注や船積みに関するメッセージや書類などを共有しコミュニケーションの集約化を可能とした。
数多くあるプラットフォームの中でZenportを選んだ決め手は、シンプルで使い勝手が良さそうだったこと、そして導入プロセスが簡単であったことだ。「クラウドを活用する形式で事前開発・準備がほとんど不要、言ってみればZenportが用意するURLにアクセスするだけ、ということが導入へのハードルをさげたということだと思います。」と山田所長。
一つ一つ丁寧に、日々の顧客との会話から困りごとを解決できそうな方へ提案
Zenport活用にあたり、顧客の業務特性、並びに日々の会話からコミュニケーションや業務効率化に課題を感じている顧客に声かけ。興味を持てばトライヤルから開始するといった丁寧な進め方をしている。「やはり我々の業務は荷主様のご意向ありきです。我々のやり方を一方的に押し付けるということはあり得ません。全社一斉にというより一つ一つ丁寧に対応している状況です。」と山田所長。
声かけする顧客の中でも、「海外ではかなり問題意識の高い分野なので、弊社海外拠点を含め一気通貫で国際輸送を取り扱わせて頂いている荷主様に優先的にお声かけしている状況です。」と国際輸送を持つ荷主の優先度が高いと言う。
そういった取り組みの中でZenportを提案した顧客の一つが、ジョンソンヘルステックジャパン株式会社だ。同社はトレッドミル、バイク、ストレングスなどのフィットネス・トレーニング用品を、業務用にとどまらず家庭用まで広く取り扱っている会社だ。
フィットネスマシンの輸入にあたり、従来より同社内で貿易事務効率化は大きな課題だった。効率化案の検討はしていたものの具体的なアクションまでつながっておらず、とりわけDX化に関しては、練り上げるまでには手が回らない状況だったと言う。
そんな中、安田倉庫より提案を受けデモを体験、課題解決に役立ちそうかも、との感触を得てトライアルを実施、その後利用を開始した。
トライアルから利用開始に至るまでの決め手については、「やはりクラウドにアクセスするだけという導入ハードルの低さにあったと思います。それに加えて、情報の管理が一目で見える化できるというのも魅力。」とジョンソンヘルステックジャパン株式会社の松尾氏は振り返る。
業務時間の半減で生まれた心と時間の余裕を、サービスの質向上に活用
当初は使い方に慣れるまで戸惑いがあったものの、始めて3か月ほどで荷主とのコミュニケーション、スケジュール調整や通関に関わる業務時間が半減し、心理的な負担も減った。
効率化された部分で一番大きいのは、関係者とのやり取りの中で案件特定の説明が不要になった点。
Zenportでは、輸送便ごとに積み荷と納期を自動更新して行くことが可能。輸送便の箱を開けると、船積みごとのグループチャットでメッセージ、あるいは船積みごとに書類をドラッグアンドドロップで関係者に簡単に共有ができる。
従来の「〇〇の案件で先日●●とお話ししていた件で」といった会話が不要となった。また、電話でのやり取りで折り返し待ちがなくなったため、アイドリングタイムが解消されたことで時間的にも精神衛生上も良くなったと言う。
「こうして生まれた余裕でお客様の立場で物事を考え一つ二つでも気の利いたサポートが出来れば、といった発想が出来るようになってきています。」と山田所長。
荷主にも相乗効果あり、「メールが8割程削減できた」との声も
安田倉庫の顧客であるジョンソンヘルステックの松尾氏も、情報の管理という点で非常に大きいメリットがあると感じている。今まではメール、エクセル、電話を駆使して輸入情報をやりくりしていたが、Zenport上で一括で情報共有ができるようになり、格段に連絡系統がスムーズになった。実際のメールの本数も、貿易関連のやりとりの中で8割程減ったと実感。
従来は様々な船やコンテナに関する情報が、各案件ごとにメールで送られてきていた。その返信を一件一件行い、貿易関連のやりとりを管理していたが、そのやり方だと混乱して当然ミスも生まれてくるといった状況だったと言う。
Zenportでは案件ごとの進捗や関連コミュニケーション、書類、メッセージのやり取りが見える化されて、情報が非常に整理されてやりやすくなったと感じている。
受発注管理なども含め、より荷主に寄り添った提案と新規営業分野の拡大へ
一方で課題もある。Zenport利用により、従来の1対1のやり取りから1対多へなったことで、ボールが間に落ちてしまう可能性があることだ。
これは運用の問題だと思うが、と前置きしつつ、1対多のやりとりとなると「誰かがアクション取るまでスルーしておこう」などどうしても情報に鈍感になりがちだと山田所長は言う。
たとえウォーニング情報が入っても、数が多くなると自分事として捉えられなくなるというリスクがあるため、様々な事例を集積する中で社内でのDXプラットフォーム運用を整理・検討していく必要があると語った。
今後の安田倉庫における顧客へのサービス進化の展望については、今はコミュニケーションツールとしての機能をメインに活用しているが、今後Zenportが持つ受発注管理機能部分についても活用していきたいと思っているという。Zenportではコミュニケーション機能だけではなく、サプライチェーンにおいて非常に重要な納期情報を作るにあたってのデータ連携、そして分析、また見える化共有といったものを全て自動化をするという受発注管理機能も提供している。
「荷主が受発注管理、在庫管理、決済等のプロセスにおいても活用できるようになると、荷主自身の業務効率化に繋がり、我々の営業上も非常に有効な手段になると感じています。」
より正確に、より早く。より貿易の現場に即したプラットフォームへ
荷主の立場として必要としているのはリアルタイムで、正確・明確な情報。その面をもっと磨き上げたサービスとなってほしいとジョンソンヘルステックジャパンの松尾氏は語る。「Zenport側としても納期を最重要視しているとの説明があったが、まさにその通りで、どういったスケジュールで来るのかをいつも注視している。」
様々な世界的な状況の変化や天気、船の運行状況などで運路が変わったりする昨今。そういった際に例えば原因が現地、港、海上のどの状況によるものなのか、そういった情報を我々が顧客に対して説明がちゃんとできるかというところが信頼にも繋がってくる。「やはりこういった納期情報ができるだけ正確に得られると言うことが非常に重要。」
納期情報、それに付随する情報がさらに簡単に、手軽に共有できていくような形で製品が磨かれていってほしい、と希望を語る松尾氏。どの情報をどんな見せ方でプラットフォームに載せるかについては、簡略化しすぎると結局また一つ一つ探しに行かなくてはいけなくなり、逆に一画面に情報量が多すぎるとそこから読み取りづらくなるといったジレンマがある。
「その狭間の中で、こういうのが前面にあるとありがたいというようなものが最低限でなおかつしっかり拾える、そういうものが私のような貿易関係者としては理想的なプラットフォームだと思っております。是非、貿易に関わるすべてのステークホルダー間のつなぎ役としてより正確により早く情報を集約するツールとして進化して行くことをわたくしとしては期待しております。」と松尾氏。
商流・物流を結び、荷主・物流会社様がWin-Winの関係で発展できる支援を
この2年間、コロナによりサプライチェーンの重要性が改めて認識された、とZenport・太田は語る。「ものが届かない」ことが売上を上げる、製造する、そしてお客様との関係構築などのすべての面でアキレス腱であるということを、関係者全員が改めて理解した。そういう中で、国を超えてデータやシステムがより繋がってく世界、という重要さを全体としてより強く感じており、Zenportもそのような世界をもっと構築していく上で役立ててほしいと言う。
今回ご利用者様からの実際の声を聞き、今後より注力していきたいのは画像を取り込みデータ化するなどのデータ連携自動化の部分。日本の労働人口が今後減っていく中、物流会社も荷主もどう人材を確保するかと言うところが問題
になっていく。手間がかかっている手作業でのデータ連携をより自動化することに最注力している。
「貿易というのは非常に専門性の高い業務ですから人を簡単に増やしたり、入れ替えたりするということはなかなかできない。そうすると全体でみると商流と物流の間にあるような業務、例えばそのPOマネジメントですとかそういったものが実はどんどんこう間に落ちるボールになってしまうのではと思っている。ここを物流会社様が取って行かれることで新たな収入源になると思っています。」と太田。更にその商流情報をもとに物流を再構築するといったサービスまで昇華していくことができたら、より上流工程にはいっていくことが可能となる。多様な関係者が携わり構築されているグローバルサプライチェーン業界。Zenportのミッション:「互いの違いが生きる世界へ」の実現を目指す中で、商流・物流の間を結び、荷主様、安田倉庫のような物流会社様がWin-Winの関係で発展できるような支援をする、パワードスーツのような存在でありたいと太田は語る。
「安田倉庫様は創業100年を超える倉庫業者様で、倉庫業・国内国際輸送やITキッティング等、多様な業務に取り組まれています。伝統に裏付けられた確かな信頼と確立したサービスだけではなく、よりお客様へ寄り添ったサービスの提供を続けようと弛まぬ努力を続けていらっしゃいます。そんなお取り組みの一環でZenportをご利用いただいていること、感謝申し上げます。」
株式会社Zenport
株式会社Zenportの提供するサービス”Zenport”は、国際貿易におけるサプライチェーン管理SaaSプラットフォームです。国際サプライチェーンでは、多くの場合、受発注残・納期管理のために輸入者、輸出者、物流業者など多様な関係者がそれぞれ異なるデータを持っており、それを手作業で収集・連携・突合しています。こうした手続きが昨今の不安定な輸送状況下で急増し、社内外へのタイムリーな情報共有を阻み、売上・在庫・販売計画に影響をきたしています。
Zenportは独自の標準データ構造とインターフェースで、多様な関係者間でオープンかつ柔軟にご利用頂けるクラウドソフトを開発いたしました。これにより多くの企業様の、より精度の高い売上・製造管理とそれを実行する上での効率的なコミュニケーションを実現します。
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